ナターシャ・ピルツ・ムサール

スロベニア初の女性大統領

ナターシャ・ピルツ・ムサールNataša Pirc Musar1968年5月9日 - )は、スロベニア弁護士作家、元ジャーナリスト政治家。2022年12月より同国大統領を務めている。ドナルド・トランプ前大統領の妻であるメラニア・トランプ専属の弁護士とスロベニア赤十字社の社長を歴任[1][2]

ナターシャ・ピルツ・ムサール
Nataša Pirc Musar


任期2022年12月23日
首相ロベルト・ゴロブ

出生 (1968-05-09) 1968年5月9日(55歳)
ユーゴスラビア社会主義連邦共和国の旗 ユーゴスラビア
スロベニア社会主義共和国の旗 スロベニア社会主義共和国
リュブリャナ
政党無所属
出身校リュブリャナ大学
配偶者アレシュ・ムサール
子女1人

2022年スロベニア大統領選挙英語版で、元外務大臣であるアンジェ・ロガール英語版を破り、同年12月23日にスロベニア初の女性大統領として就任。

来歴

1992年リュブリャナ大学法学部で、欧州司法裁判所長官の一人であるマルコ・イレシッチ英語版の指導で法学を学び、卒業。1997年司法試験に合格後、公共放送であるスロベニアラジオテレビジョン報道番組ドネヴニクTVスロベニア語版」のキャスターを6年間務めた他、民放ポップテレビで報道番組「24時間スロベニア語版」のキャスターを5年間務めた[3]2001年には現在の夫であるアレシュ・ムサールが勤務するアクティバグループの企業コミュニケーション部門の責任者となった[4]。その後、アトランタCNNBBCSky Newsで研修を受け、2015年にはプライバシー及び情報公開の公正の均整に関する論文でウィーン大学法学部の博士号を取得[5]

法律家として 

スロベニア最高裁判所の教育情報センター所長を歴任後、2004年から10年間、欧州刑事警察機構の情報コミッショナーとして勤務。情報コミッショナー退任後は2016年に法律事務所「Pirc Musar & Lemut Strle」を開設[6]2017年から数年、メラニア・トランプ専属の弁護士を務めた[7]2010年から2021年まで、スロベニアで最も影響力のある弁護士トップ10に選ばれた[8]。公正な知識を促進するために、女性法律専門家4人で「オナベ協会」を設立[9]。情報の自由、プライバシーに関する本を英語スロベニア語クロアチア語で数冊執筆している[10][11]

政治活動

2022年6月23日に同年の大統領選挙への立候補を発表[12]。立候補者の中でムサールが最初に大統領選挙への立候補を表明したことで、ミラン・クーチャンダニロ・テュルクなどの歴代大統領からも支持された[13]。選挙の公約として生物多様性の保全、NATOへの参加、介護政策を備えた年金改革への推進を掲げた[14]。同年6月末に立候補を表明した大統領選挙の対抗馬である「オナベ協会」の創設メンバーで元ドイツ駐在スロベニア大使であったマルタ・コススロベニア語版との不仲説について、メディアに追及されたが、互いに友人であると宣言[15]。選挙後はオナベ協会も精力的に取り組むと述べた。しかし、対抗馬のマルタ・コスは9月に大統領への立候補を取り消した[16]

その後、ムサールの支持率は急増し[17]、11月の大統領選挙での最後の2人の候補となった[18]。11月23日の選挙で元外務大臣であるアンジェ・ロガール英語版を53.89%対46.11%で破り、女性大統領として選出されることが確定した[19]12月23日に大統領官邸でボルト・パホルに出迎えられ、大統領移譲式を行った[20]

私生活 

アレシュ・ムサールとの間に息子1人を儲けた。現在は製造されていないロールス・ロイス製のロールス・ロイス・ファントムVIを所有している[21]

脚注

外部リンク

公職
先代
ボルト・パホル
スロベニア共和国大統領
2022年 -
次代