プンチャック・ジャヤ
プンチャック・ジャヤ(インドネシア語: Puncak Jaya)はニューギニア島の最高峰であり、オーストラリア・ニューギニア大陸およびオセアニアの最高峰でもある。ジャヤ峰、カルステンツ山 (Mount Carstensz)、カルステンツ・ピラミッド (Carstensz Pyramid)と呼ばれることもある。島における世界最高峰でもあり、かつてインドネシアが日本領となり軍政下に置かれた1942年から1945年まで日本最高峰でもあった。ニューギニア島の西半分を占めるインドネシアのパプア州、スディルマン山脈に位置し、同国の最高峰である。
プンチャック・ジャヤ | |
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山頂付近 | |
標高 | 4884[1] m |
所在地 | インドネシア・パプア州 |
位置 | 南緯4度05分00秒 東経137度11分00秒 / 南緯4.08333度 東経137.18333度 東経137度11分00秒 / 南緯4.08333度 東経137.18333度 |
山系 | スディルマン山脈 |
初登頂 | ハインリヒ・ハラー、1962年 |
プロジェクト 山 |
歴史
1623年の珍しく晴れ渡った日にこの山の氷河を最初に目撃したオランダの探検家ヤン・カルステンツォーンにちなんで、カルステンツ・ピラミッドと呼ばれていた(赤道近くで雪を見たと言ったことで、彼はヨーロッパで嘲弄されることになる)。この名前は登山家の間で今でも使われている。1909年にオランダの探検家ヘンドリク・ロレンツがプンチャック・ジャヤの雪原に達したが、初登頂は1962年にオーストリアの登山家ハインリヒ・ハラーと3人の友人(テンプレ、キパックス、フイゼンガ)が達成した。
1960年代にインドネシアが州を支配下に置いた時に、インドネシア初代大統領スカルノにちなんで'Puntjak Soekarno'(Puncak Sukaruno、スカルノ峰)と改名され、後にプンチャック・ジャヤに変更された。Puncakは峰・山を意味し、Jayaは「勝利」や「偉大な」といった意味を持つ。
氷河
プンチャック・ジャヤの山頂に氷体はないが、斜面にはカルステンツ氷河、メレン氷河(2000年に消滅)、ノースウォール・フィルンなどの氷河が存在する。赤道付近に位置するため、年間を通じて平均気温の偏差は少なく(0.5 °C程度)、氷河を涵養する積雪の季節変動もわずかである。しかしながらこの稀な赤道直下の氷河の範囲を歴史的な資料に基づいて分析したところ、1850年代から大きく後退していることが分かり、1850年から1972年にかけて100年あたり約0.6 °Cの地域的な気温上昇を示唆している。
マオケ山脈のトリコラ山(Puncak Trikora)の氷河は1939年から1962年の間に完全に消滅した。[2]1970年代以来、人工衛星からの画像はプンチャック・ジャヤの氷河が急速に後退していることを示している。メレン氷河は1994年から2000年の間に消失した。[3]
この山域で特に大きな氷体が残るカルステンツ氷河とイーストノースウォール・フィルン氷河において、2010年から2018年に行われた氷河の質量収支観測(写真撮影と氷厚測定)の研究[4][5]によって、2019年から後の10年間でいずれの氷河も消失する可能性が明らかにされた。
- 1936年の氷冠。
- 1972年の氷冠。大半が消滅している。
登山
プンチャック・ジャヤは七大陸最高峰の二つの主要なリストの中で最も難しい山の一つである。リストの中では最も高い技術が必要とされているが、体力的には最も困難というわけではない。標準的なルートは北面を上がり峰に沿って登るルートで、表面はすべて岩である。大きな鉱山があるにもかかわらず、ハイカーや一般人がこの地域に近づくのは容易ではない。
悪化している現地情勢のため、インドネシア政府は1995年11月より一般人の入山を規制した[6]。入山には政府の許可が必要であるが、現時点では許可を得るのは容易ではない[7]。入山許可の取得には通常数ヶ月かかる[8]。