レッドアネモス

レッドアネモス:Red Anemos2016年5月6日 - )は[1]日本競走馬である。主な勝ち鞍は、2020年クイーンステークスGIII)、2019年白百合ステークス(L)[1]

レッドアネモス[1]
欧字表記Red Anemos
品種サラブレッド[1]
性別[1]
毛色鹿毛[1]
生誕2016年5月6日(8歳)[1]
登録日2018年6月28日
抹消日2021年7月8日[2]
ヴィクトワールピサ[1]
マチカネハヤテ[1]
母の父サクラバクシンオー[1]
生国日本の旗 日本北海道千歳市[1]
生産者社台ファーム[1]
馬主(株)東京ホースレーシング[1]
調教師友道康夫栗東[1]
競走成績
生涯成績16戦4勝
中央:15戦4勝
地方:1戦0勝[1]
獲得賞金8124万4000円
中央:7999万4000円
地方:125万円[1]
勝ち鞍
GIIIクイーンステークス2020年
Listed白百合ステークス2019年
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馬名の由来は、冠名+「風(ギリシャ語、母名から連想)」[3]

経歴

出生前

母マチカネハヤテは、現役時代は栗東トレーニングセンター河内洋厩舎に所属し、2007年から4年間で19戦に出走[4]2010年の伏見ステークス(1600万下)[5]、2009年の石清水ステークス[6]など5勝を挙げ、2008年フィリーズレビューGII、優勝馬:マイネレーツェル、7着)に出走するなど[7]、オープンクラスまで出世[4]。引退後、繁殖牝馬となった[8][9]

初年度から2年間マンハッタンカフェを配合、2頭ともデビューし[10][11]、初仔レッドアライヴは未勝利戦、500万円以下と2勝を挙げている[10]。3年目の種付けにはヴィクトワールピサを選択[12]。生まれた第3仔、ウォーターピオニーはマチカネハヤテ産駒として初めて新馬戦勝利を果たし[13]、後に通算3勝を挙げることになる[12]。その後2年間ハーツクライが配合されたのち[9]、6年目の種付けには、ウォーターピオニーと同じヴィクトワールピサが選ばれた。

幼駒時代

映像外部リンク
マチカネハヤテ16(レッドアネモス、2017年10月)
東京サラブレッドクラブ2017年募集馬動画紹介より(動画)

2016年5月6日北海道千歳市社台ファームに生まれる[1]東京ホースレーシングが所有し[14]、愛馬会法人株式会社東京サラブレッドクラブにて一口当たり4万円の全400口、総額1600万円という条件で募集される[14]。募集当時のパンフレットによると、馬体について「遅生まれのわりに、サイズが大きい」[14]。体型は「母よりも父ヴィクトワールピサ似」[14]。さらに「芝、ダート問わず活躍(できるだろう)」、「2歳秋にはデビューできる」との売り文句が附されている[14]社台ブルーグラスファームで初期馴致され[15]、社台ファーム、セグチレーシング、グリーンウッドトレーニングにて育成が行われた[15]2018年6月23日、栗東トレーニングセンター所属の友道康夫調教師の下に入厩[15]。友道は入厩前、「とても大人しくて、素直な女の子」[14]、「手がかからないくらい賢い」との評価を下していた[14]。2018年7月13日にゲート試験に合格し、デビューに向けて調整が進められた[15]

競走馬時代

2018年8月25日新潟競馬場新馬戦(芝1600メートル)に参戦[16]。同日第12競走に船橋所属のペキノワ佐藤裕太厩舎)に騎乗するために[17][18]、当日中央競馬に参戦していた森泰斗が、エキストラ騎乗の形で鞍上に起用された。単勝オッズ1.8倍の1番人気の評価でデビューとなった[16]。スタートから2番手に位置して先行策をとり、最後の直線では抜け出して先頭に立った[16]。外から差し切りを狙うマイネルサーパスを半馬身差退けて勝利、デビュー勝ちを果たした[16]。騎乗した森は「抜け出すのが早すぎてフワッとしたが、しっかり伸びた」と回顧し[16]、今後がすごく楽しみと称賛していた。友道も「センスがある」と評価した[19]

続いて、9月30日のサフラン賞(500万円以下)に登録[20]。当初、福永祐一が騎乗する予定であった[20]。しかし9月16日に落馬[21]頭蓋骨骨折、気脳症の診断を受けて騎乗を取りやめた[22][23]。代わりにミルコ・デムーロが起用されるも、9月22日斜行により他の馬の進路を狭めたとして騎乗停止となり[24]、当日の騎乗が不可能となった[24]。最終的に川田将雅を鞍上に据えて参戦、単勝オッズ6.6倍の4番人気に推された[25]。スタートからハナを奪って先頭に立ち、最後の直線でも先頭のまま逃げ粘り、好位3番手から差し切りを狙って追い上げた1番人気コントラチェックをクビ差退けて勝利、2連勝となった[26][27]。友道によると「少し緩い馬場(馬場状態:稍重[25])も合っていた」という[28]。この勝利後、阪神ジュベナイルフィリーズGI)を目標とし[27]、宣言通り阪神ジュベナイルフィリーズに戸崎圭太に乗り替わって参戦[29][30]GI初出走を果たしたが、勝利したダノンファンタジーに0.8秒離された9着に敗れた[31]。戸崎によると、初めての馬群の中でのレースで、周りを気にしていたという[31]

3歳となり、2019年1月14日紅梅ステークス(L)で4着。続いて3月10日桜花賞GI)のトライアル競走フィリーズレビューGII)で15着と惨敗。引き続き4月28日優駿牝馬(オークス)GI)のトライアル競走、スイートピーステークス(L)で4着となる。トライアル競走で連続して敗退したことにより、春のクラシック競走への出走は叶わなかった。その後、第86回東京優駿日本ダービー)と同じ日の5月26日京都競馬場白百合ステークス(L)に北村友一とのコンビを結成し、単勝オッズ7.4倍の5番人気で出走[32][33]。好位3番手から[32]、最後の直線で馬場の内側から抜け出し、外から差し切りを狙ったモズベッロを半馬身差退けて勝利[34]リステッド競走を初めて制した[35]。続いて、ラジオNIKKEI賞GIII)、秋華賞GI)と重賞を連戦するも、それぞれ13着[36]、17着[37]と2ケタ着順での敗退が続いた。

古馬となり、2020年春から牝馬限定の重賞に3回出走したが勝利することができなかった[38][39][40]。しかし、それぞれ単勝人気を上回った着順で走り、かつ勝ち馬から1.0秒以内での敗退が続いていた[41]。加えて、中京記念GIII)に出馬投票をしたものの、賞金が足りず除外されてしまう[42]。続いて、札幌競馬場で行われるクイーンステークスGIII)へ出馬投票を行った[43]。賞金順で下位であったため、ダートグレード競走であるブリーダーズゴールドカップJpnIII)に登録[44][45]、クイーンステークスで除外された場合には、ダート競走への出走も視野に入れていた[45]。結果的に、出走可能14頭の内13頭目で除外されず[46]8月2日吉田隼人とコンビを結成してクイーンステークスに参戦することとなった。直近の成績からか出走14頭中単勝11番人気の評価での出走[47]。最内枠から発走し、馬群の中団内側に位置。最後の直線で先を行く馬と馬の間を割って抜け出し[47][45]、後方から追い込むビーチサンバ、フェアリーポルカスカーレットカラーなどを封じて勝利[47]、8回目のJRA重賞挑戦にして初勝利を達成した[3]。また4分の3馬身差の2着にビーチサンバが入ったことで、友道は自身の管理馬で1着2着を独占する結果となった[45]。その後、11月15日の福島記念に出走したが14着と大敗を喫した。

2021年は1月5日の京都金杯から始動したが10着。ダート初挑戦となった4月のマリーンカップは5着に終わる。7月4日の巴賞に出走予定だったが、追い切り後に左前脚の繋靱帯炎を発症。7月7日に所有する東京サラブレッドクラブのホームページで現役引退が発表され、翌8日付で競走馬登録を抹消された[2]。引退後は生まれ故郷の社台ファームで繁殖入りする[48]

競走成績

以下は、netkeiba.comの情報に基づく[41]

競走日競馬場競走名距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順タイム
(上り3F)
着差騎手斤量
[kg]
1着馬(2着馬)馬体重
[kg]
2018.08.25新潟2歳新馬芝1600m(良)16713001.80(1人)01着R1:36.8(34.2)-0.10森泰斗54(マイネルサーパス)472
0000.09.30中山サフラン賞5下芝1600m(稍)1055006.60(4人)01着R1:35.7(34.1)-0.00川田将雅54コントラチェック474
0000.12.09阪神阪神JFGI芝1600m(良)18612021.20(6人)09着R1:34.9(35.2)-0.80戸崎圭太54ダノンファンタジー478
2019.01.14京都紅梅SL芝1400m(良)1222003.90(2人)04着R1:23.2(35.8)-0.40川田将雅54メイショウケイメイ478
0000.03.10阪神フィリーズレビューGII芝1400m(稍)18817017.30(8人)15着R1:23.3(35.6)-1.30岩田康誠54ノーワン
プールヴィル
474
0000.04.28東京スイートピーSL芝1800m(良)12811020.60(8人)04着R1:48.1(33.7)-0.40石川裕紀人54カレンブーケドール470
0000.05.26京都白百合SL芝1800m(良)1033007.40(5人)01着R1:47.6(33.6)-0.10北村友一54モズベッロ470
0000.06.30福島ラジオNIKKEI賞GIII芝1800m(不)16510014.20(8人)13着R1:51.6(37.6)-1.80北村友一54ブレイキングドーン474
0000.10.13京都秋華賞GI芝2000m(稍)17612210.3(16人)17着R2:05.1(40.9)-5.20藤岡康太55クロノジェネシス492
2020.03.14中山中山牝馬SGIII芝1800m(不)1647062.6(12人)06着R1:50.8(37.4)-0.60津村明秀53フェアリーポルカ474
0000.04.25福島福島牝馬SGIII芝1800m(良)1659023.20(9人)06着R1:47.4(35.2)-0.60酒井学54フェアリーポルカ460
0000.06.14阪神マーメイドSGIII芝2000m(稍)16510015.80(9人)08着R2:01.8(36.7)-0.70北村友一54サマーセント468
0000.08.02札幌クイーンSGIII芝1800m(良)1411043.7(11人)01着R1:45.9(35.0)-0.10吉田隼人55(ビーチサンバ)468
0000.11.15福島福島記念GIII芝2000m(良)1624015.80(6人)14着R2:00.6(36.9)-1.00吉田隼人55バイオスパーク466
2021.01.05中京京都金杯GIII芝1600m(良)1636052.5(13人)10着R1:33.8(34.1)-0.80吉田隼人55ケイデンスコール464
0000.04.07船橋マリーンCJpnIIIダ1600m(稍)766013.20(5人)05着R1:40.9(40.1)-2.50吉田隼人56テオレーマ460

繁殖成績

馬名生年毛色馬主厩舎戦績
初仔レッドアネモスの20232023年黒鹿毛シスキン(デビュー前)
  • 2024年2月12日現在

血統表

レッドアネモス血統(血統表の出典)[§ 1]
父系サンデーサイレンス系
[§ 2]

ヴィクトワールピサ
2007 黒鹿毛
父の父
ネオユニヴァース
2000 鹿毛
*サンデーサイレンスHalo
Wishing Well
*ポインテッドパスKris
Silken Way
父の母
*ホワイトウォーターアフェア
1993 栗毛
MachiavellianMr. Prospector
Coup de Folie
Much Too RiskyBustino
Short Rations

マチカネハヤテ
2005 鹿毛
サクラバクシンオー
1989 鹿毛
サクラユタカオー*テスコボーイ
アンジエリカ
サクラハゴロモ*ノーザンテースト
*クリアアンバー
母の母
ベルセゾン
1991 芦毛
*ベリファLyphard
Belga
*ヴァインゴールドMr. Prospector
Chancy Dance
母系(F-No.)(FN:4-r)[§ 3]
5代内の近親交配Mr.Prospector 4x4=12.50%、Halo 4・5(父内)=9.38%、Northern Dancer5・5(母内)=6.25%[§ 4]
出典


脚注

注釈

出典

外部リンク