古ラテン語

ラテン語の一つの時期

古ラテン語(こラテンご、英語: Early LatinArchaic LatinOld Latin)は、古典期より前のラテン語をいう。

古ラテン語
Lingua Latina archaica
発音IPA: [liŋgwa latiːna]
話される国古代ローマ
消滅時期紀元前2世紀頃まで。紀元前1世紀頃から古典ラテン語が話される。
言語系統
表記体系ラテン文字
言語コード
ISO 639-1la
ISO 639-2lat
ISO 639-3lat
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古ラテン語の特徴がみられる後代の作家として大カト紀元前234年 - 紀元前149年)やプラウトゥス紀元前3世紀 - 紀元前2世紀)があげられる。

特徴

  • 格語尾の -os, -om (古典期には -us, -um になる)
  • 二重母音の oi と ei (古典期には ū, oe と ī になる)
  • 古典期に見られるロータシズムと呼ばれる母音間の s の変異(s > z > r)が起きていない

アルファベット

古ラテン語では最初期は以下の21文字のアルファベットラテン文字)が使われた。下段には現在の字形を記している。これはほぼ西方ギリシア文字・初期のエトルリア文字古イタリア文字)のアルファベットを踏襲した。ただしΘΞΦΨϺ(サン)の文字を取り除いている。CΓの異体字形)は /g/ の音を表す。

𐌀𐌁𐌂𐌃𐌄𐌅𐌆𐌇𐌉𐌊𐌋𐌌𐌍𐌏𐌐𐌒𐌓𐌔𐌕𐌖𐌗
ABCDEF[1]Z[2]HIKLMNOPQRSTV[3]X

五つの母音字 (A, E, I, O, V) は長短両方を表したが、文字の綴りでは長短の区別はなかった。

母音字兼半母音字

母音字兼半母音字は二つの音価を持った:

  • I は /i/ と /j/ の音を表す。
  • V は /u/ と /w/ の音を表す[4]

紀元前3世紀

紀元前3世紀になるとエトルリア語の影響[5]により、C が /k/ の音を表す主要な文字となり、それまでの文字 K の使用は少数の語中で KA として残るのみとなった[6]。また /g/ の音を区別して表すためにそれまでのCを元にして新たな G の文字が作られ、アルファベットの7番目の位置に置かれた(それまでの Z[2]は不要として取り除かれた)。

ABCDEFGHIKLMNOPQRSTVX
古ラテン語碑文、但し1列は右から左、2列目は左から右、3列目は再び右から左へと交互に表記されている。

最古の史料

文学上の史料が現れるのは前3世紀以降であるが、碑文や遺物に記された断片は前7世紀のものまで出土している。主な出土物を以下に挙げる。

脚注

関連項目

外部リンク

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