夜のドラマハウス

夜のドラマハウス(よるのドラマハウス)は、1976年から1983年までニッポン放送ほかで放送されていた、ラジオドラマの番組である。

夜のドラマハウス
ジャンルラジオドラマ
放送方式録音
放送期間1976年10月4日 - 1983年4月29日
放送時間月曜日 - 金曜日22:50 - 23:00
放送局ニッポン放送
ネットワークHBCラジオTBCラジオ
CBCラジオMBSラジオ
RSKラジオRCCラジオ
KBCラジオ
出演本文参照
企画上野修
ディレクター石原信和 他
提供ネッスル日本
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月曜日から金曜日まで約10分間の放送。ネッスル日本(現・ネスレ日本)の一社提供で放送されていた。

概要

(出典:[1]
1976年10月4日放送開始。この番組が始まった1970年代においては、それまで多くの本数が放送されていたラジオドラマも減少傾向にあった。そのような中、本番組のチーフプロデューサーを務めた上野修ドン上野)がこの番組を企画、1960年代までのラジオドラマの定義を破って、歌謡曲ニューミュージックなどの音楽と一緒にしても違和感のないドラマということを趣旨とした番組作りを進めたとされている。

ヒントになったのはアメリカの『ショック・ザ・ナイフ』という短編ドラマだった[2]

この番組の主なコンセプトとして、

  • 通常、出演者は男女の二人だけ。
  • 歌謡曲、ポップス、ニューミュージックなどの曲をテーマに、出演者がリスナーに話しかけるような話の流れを含めた一日一話の読み切り形式の作品を放送。
  • リスナー対象年齢は主に中学生高校生から20歳代。

ということがあったということである。

毎回週ごとに、その曲のタイトルと内容に沿って脚本家が日替りでそれぞれ独創的なストーリーを手掛け、その中にはラブバラードの曲からSF作品が作られたり、アイドルソングからサスペンス作品が作られたりしたこともあり、意外なオチが付くパターンもあった[3]。上野いわく「めちゃめちゃなドラマ作りを目指した」とのことであり、ある日ドラマになっていないという旨のある著名な作家のコメントを耳にした時、上野はむしろ「してやったり」と思ったという[4]

脚本家は主に当時20歳代の若手を起用しており、脚本家、放送作家の登竜門とも言われていた[5]。その一方でドラマコンクールを年に2~3回実施し、新たな作家、作品を送り出していた。このコンクールには一回につき、約800から1200本もの作品が集まっていたという。さらにはアマチュア声優コンテスト、人気声優投票を年1回のペースで行い、それぞれの結果はこの番組中で放送していた。

出演者は、当時の第二次声優ブームの中で人気だった声優を多く起用し、本番組はその第二次声優ブームの一翼を担っていた[6]。この他にも、その週のテーマの曲を歌う歌手がそのままドラマ本編に出演していたこともあった。

また、曲をテーマにした作品だけでなく、既成の漫画作品を原作として製作されたドラマもあった。

ニッポン放送においては『大入りダイヤルまだ宵の口』、『くるくるダイヤル ザ・ゴリラ』の内包番組として放送されていたが、同局の平日夜ワイド番組が『ヤングパラダイス』に変わる時に内包番組の本数が見直されることになり、その一環として本番組も終了した。

放送終了の数カ月後、ニッポン放送内にオープンリールテープで保管されていた作品は、全て廃棄された[7]

同窓会

2014年7月31日、ニッポン放送開局60周年番組として『オールナイトニッポンGOLD 夜のドラマハウス大同窓会スペシャル』と題した特別番組が放送。当時の番組を再放送したり、この番組に縁の深い声優の古川登志夫田中秀幸麻上洋子こと一龍斎春水潘恵子郷田ほづみが一堂に会し、本放送当時の「アニメ(声優)ブーム)」にまつわる思い出話などを語り合った。

特番の最後には若手声優に今では貴重なラジオドラマを経験してもらおうという趣旨のもと、潘めぐみ(潘恵子の娘)と古川が出演した『夜のドラマハウス2014』を放送。『夜のドラマハウス』及びラジオドラマの復活を祈念する古川のメッセージで締められた。なお、『〜2014』のテーマとなった曲は『レット・イット・ゴー〜ありのままに〜』だった。

放送された主な作品

(出典:[8]

曲テーマの作品

原作付きの作品

  • 超人ロックコズミックゲーム、サイバージェノサイド(古谷徹、家弓家正、小林清志 他)
  • ガラスの仮面(信沢三恵子、小山茉美、戸田恵子 他)
  • 王家の紋章(潘恵子、神谷明、池田秀一 他)

主な出演者

(出典:[8]

声優

  • 森功至 『あばずれ女のバラード』『YMCA』『ビューティフル・ネーム』など
  • 小原乃梨子 『あばずれ女のバラード』『YMCA』『ビューティフル・ネーム』『タブー』など
  • 富山敬 『地獄・心だけ愛して』『夢去りし街角』『愛しのキャリアガール』『虹とスニーカーの頃』など
  • 麻上洋子 『地獄・心だけ愛して』『夢去りし街角』『愛しのキャリアガール』『虹とスニーカーの頃』『悲しき願い』『よろしく哀愁』など
  • 野島昭生 『道標ない旅』『合鍵』『シーサイド・ハネムーン』『やさしい悪魔』など
  • 信沢三恵子 『道標ない旅』『合鍵』『ガラスの仮面』など
  • 野沢那智 『涙の別れ道』『椿姫』など
  • 高坂真琴 『涙の別れ道』など
  • 玄田哲章 『ひとりぽっちで踊らせて』『私のハートはストップモーション』など
  • 井上真樹夫 『悲しき雨音』『イエスタデイ』『朝日のあたる家』など
  • 池田昌子 『ひとりぽっちで踊らせて』『悲しき雨音』『イエスタデイ』『朝日のあたる家』『悲しきメモリー』など
  • 水島裕 『あなたの下宿』『ガラスの世代』など
  • 古谷徹 『一人暮らし』『シーサイド・ハネムーン』『ロックンロールラブレター』など
  • 曽我部和恭 『シーサイド・ハネムーン』など
  • 古川登志夫 『シーサイド・ハネムーン』『生まれ来る子供たちのために』『故郷』など
  • 三ツ矢雄二 『シーサイド・ハネムーン』など
  • 安原義人 『裸足でヤング・ラブ』など
  • 野沢雅子 『生まれ来る子供たちのために』『故郷』など
  • 仲村秀生 『悲しき願い』など
  • 塩沢兼人 『浮気な、パレット・キャット』など
  • 小山茉美 『お嫁サンバ』『ガラスの仮面』など
  • 潘恵子 『How many いい顔』など
  • 神谷明 『恋はタイム・マシーン』『その気にさせないで』など
  • 水沢有美 『恋はタイム・マシーン』など
  • 石丸博也 『あなたに夢中』など

俳優・歌手・タレント

ドラマ以外の企画

人気声優投票
1977年から、毎年10月から11月頃に実施。一回につき約3万通のはがきが届いたという[9]
全国ドラマコンテスト
1978年10月に実施。録音テープなどによる約600人の応募の中から決選大会が行われた[10]
アマチュア声優コンテスト
1979年10月から年1回、数回実施。第1回開催時には約22,000本の録音テープが届き、九段会館ホールで決選大会が行われた[11]。出身者には、佐々木るん[12]速水奨がいる。
ドラマコンクール
年2回から3回のペースで定期的に行われた。一回につき約800から1200本の作品が届き、その中から10本(2週分)が採用された。賞金は1本につき1万円が贈呈されていた[13]

スタッフ

  • チーフプロデューサー:上野修(ドン上野)
  • ディレクター:石原信和 他
  • アナウンサー:堂尾弘子

放送されていた局

1980年当時、いずれも月曜日から金曜日までの放送。

備考
時折、オールナイトニッポン内で長編ラジオドラマを放送する際に当番組のラストでその放送予定を告知することがあったが、北海道放送、毎日放送、山陽放送のエリアでは他局(STVラジオラジオ大阪西日本放送)での放送になるためカットされていた(山陽放送は当番組終了から14年後NRN加盟に合わせオールナイトニッポンのネットを開始)。

らじどらッ!〜夜のドラマハウス〜

2015年のナイターオフに「今夜もオトパラ!」20時台の枠内で「らじどらッ!〜夜のドラマハウス〜」として32年ぶりにレギュラー放送が復活[14]。内容は10代・20代の女性を聴取者層にとらえ、男性の声優と女性の声優がそれぞれ1人、声の出演として、10分間にわたって、ドラマを展開していく[14]。ニッポン放送側では「時には話題の俳優を起用したい」と語っている[14]。全国10局ネットで放送されることになっている[14]

「毎週違うキャスト」「毎日違うストーリー」が軸となっており、毎週違うキャストが週替わりのテーマにそった日替わりライターによるストーリーを展開する。Audible一社提供番組であり、配信作品のひとつになっている。配信開始は放送翌日。
また、ニッポン放送で未放送の場合、ネット局でも放送を見合わせるが、配信は通常通り行われる。

キャスト・テーマ・ライター

日程テーマキャストライター備考
01週目09月28日 - 10月02日はじめの一歩西山宏太朗
原紗友里
28日 稲葉千栄子
29日 藤井青銅
30日 中村龍
01日 藤井香織
02日 亀山賢一
29日、2日は未放送[脚注 1]
02週目10月05日 - 10月09日ナイショの誘惑川島得愛
赤﨑千夏
05日 森田歩
06日 佐藤満春
07日 滝本祥生
08日 藤井香織
09日 稲葉千栄子
ラジオ福島の9日は未放送[脚注 2]
03週目10月12日 - 10月16日ファーストキスランズベリー・アーサー
高橋李依
12日 滝本祥生
13日 亀山賢一
14日 藤井香織
15日 稲葉千栄子
16日 庄司夕助
14日〜16日は未放送[脚注 3]
04週目10月19日 - 10月23日学園祭武内駿輔
春野ななみ
19日 庄司夕助
20日 中村龍
21日 亀山賢一
22日 藤井香織
23日 滝本祥生
スペシャルウィーク企画
「オリコン歴代ベスト100 カウントダウン!」
のためすべての回が休止[脚注 4]
05週目10月26日 - 10月30日ハロウィン西山宏太朗
大久保瑠美
26日 稲葉千栄子
27日 滝本祥生
28日 佐藤満春
29日 亀山賢一
30日 細井ねこすけ
27日〜29日は未放送[脚注 5]
06週目11月02日 - 11月06日現地集合長谷徳人
竹内恵美子
02日 中村龍
03日 佐藤満春
04日 稲葉千栄子
05日 亀山賢一
06日 藤井香織
07週目11月09日 - 11月13日肉食系江口拓也
朝日奈丸佳
09日 旗生隆馬
10日 稲葉千栄子
11日 滝本祥生
12日 森田歩
13日 藤井香織
12日は未放送[脚注 6]
08週目11月16日 - 11月20日伊東健人
田中あいみ
16日 亀山賢一
17日 庄司夕助
18日 藤井香織
19日 中村龍
20日 旗生隆馬
19日は未放送[脚注 7]
09週目11月23日 - 11月27日タクシー三宅貴大
土師亜文
23日 稲葉千栄子
24日 藤井香織
25日 亀山賢一
26日 滝本祥生
27日 庄司夕助
第10週目11月30日 - 12月04日憧れの人古川登志夫
羽多野渉
阿澄佳奈
30日 渡辺麻実
1日 亀山賢一
2日 藤井香織
3日 滝本祥生
4日 藤井青銅
2日は未放送[脚注 8]
第11週目12月07日 - 12月11日遊園地郷田ほづみ
比留間俊哉
佐野愛
7日 旗生隆馬
8日 渡辺麻実
9日 亀山賢一
10日 水月秋
11日 さらだたまこ
7日は未放送[脚注 9]
第12週目12月14日 - 12月18日オリオン小田柿悠太
牧口真幸
14日 亀山賢一
15日 水月秋
16日 佐藤満春
17日 藤井香織
18日 庄司夕助
スペシャルウィーク企画
「カラオケソングベスト100 カウントダウン!」
のためすべての回が休止[脚注 4]
第13週目12月21日 - 12月25日クリスマス川野剛稔
古賀葵
21日 森田歩
22日 細井ねこすけ
23日 稲葉千栄子
24日 滝本祥生
25日 藤井香織
24日は未放送[脚注 10]
第14週目[脚注 11]12月28日 - 2016年01月01日坂口憲二一部のネット局の30日は未放送[脚注 12]
第15週目[脚注 11]01月04日 - 01月08日日髙のり子
第16週目01月11日 - 01月15日潘恵子
三輪建太
酒井蘭
11日 渡辺麻実
12日 亀山賢一
13日 藤井香織
14日 庄司夕助
15日 さらだたまこ
第17週目01月18日 - 01月22日ショッピング德石勝大
矢野亜沙美
18日 藤井香織
19日 亀山賢一
20日 佐藤満春
21日 中村龍
22日 水月秋
第18週目01月25日 - 01月29日オレ嫁。〜オレの嫁になれよ〜花江夏樹
小清水亜美
25日 森田歩
26日 中村龍
27日 庄司夕助
28日 藤井香織
29日 水月秋
第19週目02月01日 - 02月05日駒田航
加藤英美里
1日 亀山賢一
2日 藤井香織
3日 滝本祥生
4日 水月秋
5日 稲葉千栄子
第20週目02月08日 - 02月12日チョコレート中島ヨシキ
伊藤優衣
8日 佐藤満春
9日 滝本祥生
10日 大塚ウテナ
11日 藤井香織
12日 細井ねこすけ
第21週目02月15日 - 02月19日郵便ポスト陣谷遥
森千晃
15日 稲葉千栄子
16日 藤井香織
17日 佐藤満春
18日 滝本祥生
19日 水月秋
スペシャルウィーク企画
「2人で歌うカラオケソングベスト100カウントダウン」
のためすべての回が休止[脚注 4]
第22週目02月22日 - 02月26日恥ずかしくってキュンなコト江口拓也
山下七海
小出真朱
第23週目02月29日 - 03月04日4月の君、スピカ。梅原裕一郎
寺島拓篤
田中あいみ
第24週目03月07日 - 03月11日岡部涼音
水野理紗
一龍斎春水
7日 藤井青銅
8日 稲葉千栄子
9日 中村龍
10日 水月秋
11日 藤井香織
第25週目03月14日 - 03月18日レンタルおやじ高橋克典[15]
最終週03月21日 - 03月25日アルバム速水けんたろう
土師亜文
金光宣明
小林希唯
21日 藤井香織
22日 水月秋
23日 滝本祥生
24日 中村龍
25日 亀山賢一
ラジオ放送は23日をもって終了[脚注 13]

放送される局

全放送局、『今夜もオトパラ!』に内包されて20:15 - 20:25に放送される。ニッポン放送で休止となった場合、ネット局への裏送りは行われず全局が休止となる。

全曜日放送されるのは、ニッポン放送と北日本放送のみ。茨城放送は木曜・金曜のみ放送、他の局は火曜 - 金曜を放送する。

単行本 (出典)

放送された作品の中から選りすぐられた脚本と、脚本家、声優のコメントなどが掲載されていた。

  • 夜のドラマハウス (1978年、ベップ出版)
  • 夜のドラマハウス パートII (1979年、ベップ出版)
  • 夜のドラマハウス パートIII (1980年、ブロンズ社)
  • 夜のドラマハウス パートIV 郷ひろみ特集 (1981年、サンケイ出版

出典

脚注

外部リンク

ニッポン放送 月 - 木曜22:50 - 23:00枠
前番組番組名次番組
ヤング・スキャット
(1975年4月~1976年3月)
夜のドラマハウス
  • ここから花王石鹸→花王一社提供枠。
    枠自体は火 - 金曜0:00 - 0:10(月 - 木曜深夜)から繰り上げ。
ニッポン放送 金曜22:50 - 23:00
ヤング・スキャット
(1975年4月~1976年3月)
夜のドラマハウス
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※22:00 - 翌1:00
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