栗橋駅

埼玉県久喜市にある東日本旅客鉄道・東武鉄道の駅

栗橋駅(くりはしえき)は、埼玉県久喜市にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・東武鉄道である[1]

栗橋駅
東口(2012年2月)
くりはし
Kurihashi
地図
所在地埼玉県久喜市
所属事業者東日本旅客鉄道(JR東日本・駅詳細
東武鉄道駅詳細
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西口(2019年3月)

JR東日本の東北本線と、東武鉄道の日光線の2路線が乗り入れ、接続駅となっているが、日光線の急行を除いて優等列車は停車しない。東北本線は旅客案内上の愛称「宇都宮線」の設定区間に含まれており、上野駅発着系統と、新宿駅経由で横須賀線に直通する湘南新宿ライン、上野駅・東京駅経由で東海道線に直通する上野東京ラインが停車する。

歴史

  • 1885年明治18年)7月16日日本鉄道(現・東北本線)大宮駅 - 宇都宮駅間の開業と同時に開設[2]。当時次駅の古河駅との間に横たわる利根川への架橋が完了しておらず、当駅の対岸に中田仮駅を設置し、この間に鉄道連絡船が運航された[2]
  • 1886年(明治19年)
    • 6月17日:当駅 - 中田仮駅間の利根川初の鉄道橋梁、利根川橋梁が開通[2]。中田仮駅を中田信号所に変更[2]
    • 7月9日:当時日本最大の橋梁の完成を視察するために明治天皇が利根川橋梁を展覧した[3]。またこの時の明治天皇行幸を記念して、東村(現加須市)青年団が1931年(昭和6年)11月に橋のたもとに「明治天皇行幸記念碑」を建立している[4]
      • この4年後の1900年明治33年)に作詞された「鉄道唱歌 第三集奥州・磐城篇」(大和田建樹作)では、栗橋駅を以下のように歌った。
        5.中山道と打わかれ ゆくや蓮田の花ざかり 久喜栗橋の橋かけて わたるはこれぞ利根の川
        6.末は銚子の海に入る 板東太郎の名も高し みよや白帆の絶間なく のぼればくだる賑わいを
  • 1906年(明治39年)11月1日鉄道国有法により日本鉄道が国有化され[2]鉄道院の駅となる。
  • 1908年(明治41年)11月10日:久喜 - 当駅間複線化。
  • 1909年(明治42年)10月12日線路名称制定により東北本線の所属となる。
  • 1922年大正11年)4月1日:中田信号所を中田信号場に改称[2]
  • 1929年昭和4年)4月1日:東武日光線杉戸駅 - 新鹿沼駅間の開業と同時に東武鉄道の駅が開業。
  • 1932年(昭和7年)5月1日:中田信号場廃止[2]
  • 1950年(昭和26年)1月1日:利根川橋梁扛上・改修に伴い東北本線の駅を移転。営業キロを改訂(東京方に0.2km移転)[5]
  • 1958年(昭和33年)4月14日:大宮 - 宇都宮間直流電化。
  • 1981年(昭和56年)4月14日:貨物の取り扱いを廃止[2]
  • 1984年(昭和59年)2月1日荷物扱い廃止[2]
  • 1987年(昭和62年)
  • 2000年平成12年)12月10日:橋上駅舎化・西口開設[6]。JRと東武の駅舎・改札が分割される(それまで東武鉄道の発券業務はJRに委託されていた)。多機能トイレオストメイトを日本の鉄道駅では初めて設置。
  • 2001年(平成13年)11月18日:JR東日本でICカードSuica」の利用が可能となる[広報 1]
  • 2004年(平成16年)12月19日:宇都宮線(上野駅 - 古河駅間)ATOS稼働開始。
  • 2006年(平成18年)3月18日ダイヤ改正に伴いJR東日本と東武鉄道との間に連絡線が設置され、直通特急「(スペーシア)日光・きぬがわ」が運行を開始[7]。同時に当駅での運転停車が実施される。また、東武においては準急が区間急行に名称変更され、本数も大幅に削減された。同時に南栗橋駅で系統分割されたことにより、浅草駅へ向かう列車は日中は新設された区間快速のみとなった[7]
  • 2007年(平成19年)3月18日:東武鉄道でICカード「PASMO」の利用が可能となる[8]
  • 2009年(平成21年)11月29日:JR東日本で、この日の運転を最後に快速フェアーウェイが運転休止。
  • 2013年(平成25年)3月16日:東武のダイヤ改正で区間快速の快速運用範囲が新大平下駅まで拡大されたことにより当駅は通過駅となる。また、区間急行が1日1往復のみの運用となり、浅草駅へ乗り入れる列車も同列車のみとなった[9]
  • 2017年(平成29年)4月21日:東武のダイヤ改正に伴い、南栗橋駅を始発・終点として同駅以北の運用に快速・区間快速の廃止の代替として新設された急行・区間急行の停車駅となる[10]
  • 2022年令和4年)
    • 1月14日:この日をもってみどりの窓口の営業を終了[11]。JR宇都宮線の快速列車通過駅としては、唯一最後までみどりの窓口が営業していた。
    • 2月1日:JR東日本の駅が業務委託化[12]
    • 3月19日:前日に栗橋駅西(栗橋地区)土地区画整理事業の換地処分が公告された[13]ことに伴い、施行区域で町名地番変更が行われ[14]、東武鉄道の駅所在地が伊坂字土取場1202-2から伊坂中央一丁目18となる[15]

駅構造

自由通路を兼ねた橋上駅舎を有しており、JR東日本と東武鉄道それぞれに改札がある。

JR東日本

JR 栗橋駅
改札口(2022年12月)
くりはし
Kurihashi
東鷲宮 (5.6 km)
(7.5 km) 古河
所在地埼玉県久喜市栗橋北一丁目1-1
北緯36度8分12.71秒 東経139度41分39.21秒 / 北緯36.1368639度 東経139.6942250度 / 36.1368639; 139.6942250 (JR 栗橋駅) 東経139度41分39.21秒 / 北緯36.1368639度 東経139.6942250度 / 36.1368639; 139.6942250 (JR 栗橋駅)
所属事業者東日本旅客鉄道(JR東日本)
所属路線東北本線宇都宮線
キロ程57.2 km(東京起点)
東京から尾久経由で57.4 km
電報略号クリ
駅構造地上駅橋上駅
ホーム2面3線[1]
乗車人員
-統計年度-
[JR 1]10,451人/日(降車客含まず)
-2022年-
開業年月日1885年明治18年)7月16日
備考業務委託駅[16]
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単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の計2面3線のホームを有する地上駅である。

Suica対応自動改札機指定席券売機が設置されている。2016年2月21日より、始発から午前6時30分までの間は遠隔対応(インターホン対応は久喜駅が行う)のため改札係員は不在となり、一部の自動券売機のみ稼働する。JR東日本ステーションサービス受託の業務委託駅(久喜駅管理)。

のりば

番線路線方向行先
1 宇都宮線(東北線)上り大宮東京新宿横浜大船方面
湘南新宿ライン
上野東京ライン
2 宇都宮線(東北線)(予備ホーム)
3下り小山宇都宮黒磯方面

(出典:JR東日本:駅構内図

  • 湘南新宿ラインの列車は前述のように横須賀線へ直通する。
  • 2番線は待避線であるが、2006年3月18日ダイヤ改正以降はダイヤが乱れた場合か、貨物列車の待避などの使用である。そのため、コンコースでは「臨時上りホーム」と案内されている。2015年9月時点では土休日1本のみ、寝台特急『カシオペア』の運転日に当駅にて寝台特急の通過待ちを行っていた(運転日以外も時間調整のために5分程度停車)[17]
  • 毎年埼玉県民の日には、当駅発着の臨時快速「GOGO舞浜」が運転されることもある。配線の関係で、朝の舞浜行きは古河駅側から、夜の当駅止まりは到着後に古河駅方面へ回送される。

東武鉄道

東武 栗橋駅
改札口(2022年12月)
くりはし
Kurihashi
TN 03 南栗橋 (3.5 km)
(6.7 km) 新古河 TN 05
所在地埼玉県久喜市伊坂中央一丁目18
駅番号TN04
所属事業者東武鉄道
所属路線日光線
キロ程13.9 km(東武動物公園起点)
電報略号クリ
駅構造地上駅橋上駅
ホーム1面2線
乗降人員
-統計年度-
[東武 1]9,730人/日
-2022年-
開業年月日1929年昭和4年)4月1日
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島式ホーム1面2線を有する地上駅である。駅番号はTN 04PASMO対応自動改札機設置。

のりば

番線路線方向行先
1 日光線上り浅草方面
2下り東武日光方面

(出典:東武鉄道:構内マップ

  • 上記の路線名は旅客案内上の名称(「東武スカイツリーライン」は愛称)で表記している。
  • 2013年3月16日のダイヤ改正で、当駅は区間快速の停車駅から外され[9]、また2017年4月21日のダイヤ改正で当駅から東武動物公園・都心方面を乗り換えなしで結ぶ列車は全廃された[10]。そのため当駅 - 東武動物公園、東武スカイツリーライン、半蔵門線日比谷線方面を行き来する場合は、次の南栗橋駅で対面乗り換えとなる[10]
  • 2017年4月21日のダイヤ改正で、快速・区間快速の廃止の代替として新設された急行・区間急行の停車駅となった[10]

JR・東武連絡線とデッドセクション

当駅にはJR東日本の線路と東武鉄道の線路をつなぐ連絡線が設置されている。これは、2006年3月18日より新宿 - 東武日光鬼怒川温泉間で特急列車(スペーシア)日光・きぬがわ」を相互直通運転することになったため、それに合わせて新設されたものである。総工費は約16億円である。厳密には国鉄時代末期まで貨物列車の授受線が設置されており、復活設置である。

連絡線は両社の土地の境界線付近に設置され、東武の側線跡の土地も利用している。連絡線の途中には、両社の乗務員が交代するためのデッキ及び乗務員詰所が設置されている。JRと東武を直通する特急は当駅で乗客の乗降扱いを行わないため、旅客用ホームは設けられておらず、列車は運転停車となる。線路の配置は運転本数が少ないため、単純な平面交差となっている。

連絡線上の新古河寄りには、長さ80メートルデッドセクションが設けられている。東北本線東京 - 黒磯間と東武日光線はいずれも直流1,500ボルト電化であるが、双方の電源の混触を防ぐために設置されたものであり、列車は惰行で通過する(通過中は車内照明が消灯するほか、空調も停止する)。デッドセクション内の架線は断路器を介して東武側の饋(き)電線に接続されており、何らかの理由で列車がデッドセクション内に停止した場合には東武側からの加圧で列車を動かすことができる。

なお、現時点では東武本線においてJR線と東武線が直結されている唯一の地点である。過去には北千住駅久喜駅栃木駅などでも接続していたが、貨物輸送の衰退に伴い分断された。

利用状況

いずれも特急「(スペーシア)日光・きぬがわ」による直通人員(通過人員)を含む(同列車は当駅で乗降できないが、統計上乗降したものと扱われる)。

乗換駅だが、JRは優等列車が止まらず、東武は都心方面からの一般電車は南栗橋駅止まりであり、東武特急も止まるようになった久喜駅に比べると乗り換え客は少ない。それでも平成の大合併前の旧郡部に立地する駅としては、全国的に見れば多い部類に入る。東武は2017年に新設された区間急行(現在は設定なし)・急行の停車駅となった際、乗車人員の増加がみられている。

駅勢圏は市境の近い加須市大利根地域は勿論のこと、当駅にコミュニティバスが乗り入れる利根川対岸の茨城県古河市中田地域権現堂川対岸の五霞町も含まれる。

年度別1日平均乗降人員

近年の1日平均乗降人員の推移は以下の通りである(JRは除く)。

年度別1日平均乗降人員[* 1]
年度東武鉄道
1日平均
乗降人員
増加率
1990年(平成02年)7,640
1991年(平成03年)8,0915.9%
1992年(平成04年)8,7488.1%
1993年(平成05年)9,0733.7%
1994年(平成06年)9,8228.3%
1995年(平成07年)9,9441.2%
1996年(平成08年)10,0991.6%
1997年(平成09年)10,1550.6%
1998年(平成10年)10,087−0.7%
1999年(平成11年)9,963−1.2%
2000年(平成12年)10,4134.5%
2001年(平成13年)10,9445.0%
2002年(平成14年)10,511−4.0%
2003年(平成15年)10,384−1.2%
2004年(平成16年)10,254−1.3%
2005年(平成17年)10,092−1.6%
2006年(平成18年)11,0609.6%
2007年(平成19年)11,3712.8%
2008年(平成20年)11,4290.5%
2009年(平成21年)10,880−4.8%
2010年(平成22年)10,868−0.1%
2011年(平成23年)10,773−0.9%
2012年(平成24年)11,1803.8%
2013年(平成25年)11,106−0.7%
2014年(平成26年)10,944−1.5%
2015年(平成27年)10,9720.3%
2016年(平成28年)11,1181.3%
2017年(平成29年)11,8316.4%
2018年(平成30年)11,819−0.1%
2019年(令和元年)11,628−1.6%
2020年(令和02年)[東武 2]7,950−31.6%
2021年(令和03年)[東武 3]9,01513.4%
2022年(令和04年)[東武 1]9,73013.4%

年度別1日平均乗車人員

近年の1日平均乗車人員推移は以下の通りである。

年度別1日平均乗車人員[* 2][* 3]
年度JR東日本東武鉄道出典
1990年(平成02年)10,6113,625
1991年(平成03年)11,1563,844
1992年(平成04年)11,6774,179
1993年(平成05年)12,1014,347
1994年(平成06年)12,3174,723
1995年(平成07年)12,3324,840
1996年(平成08年)12,3874,893
1997年(平成09年)12,2414,941
1998年(平成10年)12,1404,881
1999年(平成11年)12,0144,799[埼玉県統計 1]
2000年(平成12年)[JR 2]11,9655,126[埼玉県統計 2]
2001年(平成13年)[JR 3]12,4515,470[埼玉県統計 3]
2002年(平成14年)[JR 4]12,4265,277[埼玉県統計 4]
2003年(平成15年)[JR 5]12,3475,234[埼玉県統計 5]
2004年(平成16年)[JR 6]12,3075,175[埼玉県統計 6]
2005年(平成17年)[JR 7]12,3965,099[埼玉県統計 7]
2006年(平成18年)[JR 8]13,0085,599[埼玉県統計 8]
2007年(平成19年)[JR 9]13,0445,689[埼玉県統計 9]
2008年(平成20年)[JR 10]12,8735,714[埼玉県統計 10]
2009年(平成21年)[JR 11]12,2915,423[埼玉県統計 11]
2010年(平成22年)[JR 12]11,9885,425[埼玉県統計 12]
2011年(平成23年)[JR 13]11,9895,341[埼玉県統計 13]
2012年(平成24年)[JR 14]12,1075,539[埼玉県統計 14]
2013年(平成25年)[JR 15]12,1925,502[埼玉県統計 15]
2014年(平成26年)[JR 16]11,8435,411[埼玉県統計 16]
2015年(平成27年)[JR 17]12,0945,430[埼玉県統計 17]
2016年(平成28年)[JR 18]12,1505,436[埼玉県統計 18]
2017年(平成29年)[JR 19]12,4995,788[埼玉県統計 19]
2018年(平成30年)[JR 20]12,5385,798[埼玉県統計 20]
2019年(令和元年)[JR 21]12,2975,724[埼玉県統計 21]
2020年(令和02年)[JR 22]8,8263,922[埼玉県統計 22]
2021年(令和03年)[JR 23]9,522
2022年(令和04年)[JR 1]10,451

駅周辺

当駅は久喜市旧栗橋町の中心市街地に位置し、栗橋総合支所の最寄り駅である。付近には複数のスーパーコンビニドラッグストアなどもある。近年開設された西口は土地区画整理事業が完了してから日が浅く、駅前には暫定的な土地利用としてパークアンドライドを目的としたコインパーキングが多く立地する。

東口

日光街道奥州街道の旧宿場町栗橋宿)があり、歴史的建造物も存在する。旧栗橋町の中心市街地を成している。ゴルフ場、栗橋国際カントリー倶楽部があることもあり、前述の歴史節で触れた通り、快速フェアーウェイが停車していた。フェアーウェイも参照。

西口

西口開設に併せて、久喜市(旧栗橋町)域と加須市(旧大利根町)域でそれぞれ土地区画整理事業が行われた。栗橋地区は2022年3月に町名地番変更が行われた[14]。900メートルほど西に進むと、加須市大利根地域であり、大利根地区の区画整理は2017年に町名地番変更が行われている[18]。なお、大利根地区に南接する同じ加須市内の野中土地区画整理事業は施工中(2028年完了)である[19]

西口は加須市北川辺地域に所在する開智未来中学・高等学校のスクールバス停留所にもなっており、栗橋北彩高校と併せて生徒の利用も多い。開智未来中学・高等学校の生徒の多くが当駅を利用し通学することから、当駅発着のスクールバス便が最も多い[20]

その他、群馬県館林市に所在する前橋競輪の館林場外競輪車券売場(トーターレボリューションドーム館林)行きの無料送迎バスも、当駅西口から競輪開催日のみ運行されている[21]

その他

  • 当駅 - 古河駅間の茨城県古河市の旧新郷村内には、かつて昭和20年代に新郷村民の猛運動で出来た、出口や改札口、プラットホームもない新郷駅があった[22]。昭和45年発行の『古河市のあゆみ 市制20周年記念』によると、利根川橋梁のカスリーン台風に伴う改修工事中は単線運転になり、現古河市側は中田信号所が設置され、朝ラッシュ時上りと夕ラッシュ時下り1本づつが停車したとの記述がある。

隣の駅

東日本旅客鉄道(JR東日本)
宇都宮線
快速(「ラビット」を含む)
通過
普通
東鷲宮駅 - 栗橋駅 - 古河駅
東武鉄道
日光線
急行
南栗橋駅(TN 03) - 栗橋駅(TN 04) - 板倉東洋大前駅(TN 07)
普通
南栗橋駅(TN 03) - 栗橋駅(TN 04) - 新古河駅(TN 05)

脚注

記事本文

出典

広報資料・プレスリリースなど一次資料

利用状況

JR・私鉄の1日平均利用客数
JR東日本の2000年度以降の乗車人員
東武鉄道の1日平均利用客数
JR・私鉄の統計データ
埼玉県統計年鑑

関連項目

外部リンク