磁鉄鉱

鉄の酸化鉱物の一種

磁鉄鉱(じてっこう、: magnetite[4]マグネタイト)は、酸化鉱物の一種。化学組成はFeFe3+2O4四酸化三鉄)、結晶系等軸晶系スピネルグループの鉱物。

磁鉄
磁鉄鉱
分類酸化鉱物
シュツルンツ分類4.BB.05
Dana Classification7.2.2.3
化学式Fe2+Fe3+2O4
結晶系等軸晶系
へき開なし
モース硬度5.5 - 6
光沢金属光沢
黒色
条痕黒色
比重5.2
文献[1][2][3]
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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産出地

火成岩中にごく普通に含まれる、造岩鉱物の一種である。

主要産地はインドオーストラリアロシアイラン中国チリペルーカナダアメリカ合衆国タコナイト)、アフリカ

人体にも微量ながら存在する。

性質・特徴

黒色金属光沢がある。結晶正八面体をしている。比重は5.2。モース硬度は5.5 - 6.5。

強い磁性を持っているのが特徴で、磁鉄鉱そのものが天然の磁石になっている場合もある。

用途・加工法

鉄の重要な鉱石鉱物砂鉄餅鉄として自然に採取される磁鉄鉱は、かつてたたら製鉄の原料として盛んに利用された。

基本的に全世界どこでも採取できるが、大半は低品位であり、商業用に使用するには不純物を取り除く選鉱処理が必要。

中医学では、毒性のある辰砂の代用として、鎮静催眠のために用いられる。

参考文献

  • 黒田吉益諏訪兼位『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』共立出版、1983年、167-168頁。ISBN 4-320-04578-5 
  • 松原聰『日本の鉱物』学習研究社〈フィールドベスト図鑑〉、2003年、72-73頁。ISBN 4-05-402013-5 
  • 青木正博『鉱物分類図鑑 : 見分けるポイントがわかる』誠文堂新光社、2011年、69頁。ISBN 978-4-416-21104-5 

脚注

関連項目

外部リンク