JBCクラシック

JBCクラシック(ジェイビーシークラシック)は、日本のJBC実行委員会と施行競馬場を管轄する競馬主催者が、各地の競馬場で持ち回り開催する重賞競走JpnI)である。農林水産大臣が賞を提供しており、正式名称は「農林水産大臣賞典 JBCクラシック」と表記される(2018年のみJRA京都競馬場開催のため、「農林水産省賞典 JBCクラシック」として施行)。

JBCクラシック
2023年JBCクラシック
勝馬:キングズソード
鞍上:ジョアン・モレイラ
開催国日本の旗 日本
主催者持ち回り
競馬場持ち回り
第1回施行日2001年10月31日
2024年の情報
距離ダート・佐賀競馬場2000m
格付けJpnI / 国際LR
賞金1着賞金1億円
出走条件サラ系3歳以上(指定交流)
負担重量定量(#競走条件を参照)
出典[1]
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副賞は、農林水産大臣賞、日本地方競馬馬主振興協会会長賞、ジャパンブリーダーズカップ協会会長賞、地方競馬全国協会理事長賞、日本中央競馬会理事長賞、全国公営競馬主催者協議会会長賞、日本馬主協会連合会長奨励賞、東京都馬主会理事長賞、特別区競馬組合管理者賞 (2023年)[2]

概要

アメリカ合衆国のブリーダーズカップに範をとりながら、将来的にダートの各カテゴリー(年齢・性別・距離など)におけるチャンピオン決定戦とすべく、2001年(平成13年)に生産者が主導して実施する「JBC競走」のひとつとして、JBCスプリントとともに創設された[3]。のちに創設されたJBCレディスクラシックとともに、2019年までは3つのJpnI競走が同一日に同一の競馬場で施行されている[4]。開催地は固定されておらず、各地の競馬場が持ち回りで施行している。2020年からはJBC2歳優駿の新設により、同日に2場で開催されている[5]

施行距離はダート2000mを原則としているが、施行場の距離設定の都合により前後する場合がある。

競走条件・賞金

以下の内容は、2023年の実施要項[6]に基づく。

競走条件

施行場・距離
大井競馬場ダート2000m
出走資格
サラブレッド系3歳以上
  • 父馬が、一般社団法人ジャパンブリーダーズカップ協会に当該馬の生産年度に有効な種牡馬登録されている馬
  • 父馬がJBC協会に種牡馬登録されていない馬は、当該馬の馬主がJBC協会の定める「追加登録料(1着賞金の2%相当額)」をJBC協会に支払えば、当該年、当該馬に係る同種牡馬登録がなされたものとして出走が可能。
  • 出走可能頭数:16頭
  • 出走枠
    • 中央競馬所属馬:フルゲートの概ね1/3の頭数
    • 地方競馬所属馬:フルゲート頭数より中央所属馬頭数を除いた頭数
出走馬の選定方法
  • 中央地方所属ともに優先出走権保持馬が最優先で、
中央所属馬は以下の順
  1. 該当する競走条件の上位の順
  2. 競走条件が同一の場合は通算の収得賞金額に過去1年間の収得賞金額と過去2年間のGI (Jpn1)における収得賞金額の合計額順。同額の場合は抽選。
地方所属馬は以下の順。
  1. 選定日時点のレーティング上位2頭
  2. 残りの出走枠の概ね半数は以下の順で選定。
    1. 2歳戦を除く過去3年のGI(Jpn1)競走1,2着馬および過去1年間のGII (Jpn2)とGIII (Jpn3)そして2歳GI (Jpn1)優勝馬(頭数超過の場合は原則レーティング順)
    2. 過去3年間のGI3着馬及び、過去1年間のGII (Jpn2)・GIII (Jpn3) 2,3着馬と2歳GI2着馬(頭数超過の場合は原則レーティング順)
  3. さらに残った枠については近走の実績、JBC指定競走の勝ち馬、上記2つの基準による実施場及び実施地区の所属馬並びに地方競馬各ブロック所属馬の選定状況、選定日時点のレーディングを参考に選定。

トライアル競走

競走名競馬場距離備考
日本テレビ盃JpnII船橋競馬場ダート1800m本競走のみ優先出走権付与
マイルチャンピオンシップ南部杯JpnI盛岡競馬場ダート1600m本競走かJBCスプリントのいずれかに優先出走権付与

上記のほか、各地区地方競馬で施行される一部の重賞競走が「JBC指定競走」として、JBC出走馬選定要領により定められている。優先出走権の付与はないが、選定にあたってその成績が重要視される[6]

負担重量

定量。3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減(南半球産3歳2kg減)[1]

賞金等

賞金額
2023年の賞金額は、1着1億円、2着3500万円、3着2000万円、4着1000万円、5着500万円[1]、着外手当30万円[7]
生産者賞
1着馬から5着馬の生産牧場、および当該馬の母馬に種付けした時点の種牡馬登録者に対し、それぞれ生産牧場賞および種牡馬登録者賞としてJBC協会から当該賞金の2.5%相当額を支給する。ただし、追加登録料を支払って出走した馬が入着した場合は、JBC協会が定めるところにより、生産者賞は支給しない。

2022年現在、1着賞金1億円は、地方競馬で施行する競走としては東京大賞典と並んで最高額[注 1]。創設から2010年までの1着賞金は1億円[8]、2011年より8000万円に減額される(2018年のJRA開催の際は1着賞金が9000万円だった)。2022年に1着賞金が1億円に増額され創設時の賞金に戻る[9]

歴史

年表

  • 2001年
  • 2005年
    • 株式会社FDOが協賛(2006年まで)。
    • この年のみ、競走馬関連情報サイト「フサイチネット」を冠にした「フサイチネット協賛 農林水産大臣賞典 JBCクラシック」として施行。
  • 2007年 - 国際セリ名簿基準委員会 (ICSC)の勧告に伴い、格付け表記をJpnIに変更。
  • 2018年 - 初めて中央競馬(京都競馬場)で施行。
  • 2021年 - ミューチャリーが地方競馬所属馬として初めての優勝。

歴代優勝馬

すべてダートコースで施行。

回数施行日競馬場距離優勝馬性齢所属タイム優勝騎手管理調教師馬主
第1回2001年10月31日大井2000mレギュラーメンバー牡4JRA2:05.2松永幹夫山本正司(有)ノースヒルズマネジメント
第2回2002年11月4日盛岡2000mアドマイヤドン牡3JRA2:05.6藤田伸二松田博資近藤利一
第3回2003年11月3日大井2000mアドマイヤドン牡4JRA2:04.3安藤勝己松田博資近藤利一
第4回2004年11月3日大井2000mアドマイヤドン牡5JRA2:02.4安藤勝己松田博資近藤利一
第5回2005年11月3日名古屋1900mタイムパラドックス牡7JRA2:00.9武豊松田博資(有)社台レースホース
第6回2006年11月3日川崎2100mタイムパラドックス牡8JRA2:16.1岩田康誠松田博資(有)社台レースホース
第7回2007年10月31日大井2000mヴァーミリアン牡5JRA2:04.8武豊石坂正(有)サンデーレーシング
第8回2008年11月3日園田1870mヴァーミリアン牡6JRA1:56.7武豊石坂正(有)サンデーレーシング
第9回2009年11月3日名古屋1900mヴァーミリアン牡7JRA2:00.2武豊石坂正(有)サンデーレーシング
第10回2010年11月3日船橋1800mスマートファルコン牡5JRA1:49.9武豊小崎憲大川徹
第11回2011年11月3日大井2000mスマートファルコン牡6JRA2:02.1武豊小崎憲大川徹
第12回2012年11月5日川崎2100mワンダーアキュート牡6JRA2:12.5和田竜二佐藤正雄山本信行
第13回2013年11月4日金沢2100mホッコータルマエ[注 2]牡4JRA2:12.6幸英明西浦勝一矢部幸一
第14回2014年11月3日盛岡2000mコパノリッキー牡4JRA2:00.8田辺裕信村山明小林祥晃
第15回2015年11月3日大井2000mコパノリッキー牡5JRA2:04.4武豊村山明小林祥晃
第16回2016年11月3日川崎2100mアウォーディー牡6JRA2:15.3武豊松永幹夫前田幸治
第17回2017年11月3日大井2000mサウンドトゥルーセ7JRA2:04.5大野拓弥高木登山田弘
第18回2018年11月4日京都1900mケイティブレイブ牡5JRA1:56.7福永祐一杉山晴紀瀧本和義
第19回2019年11月4日浦和2000mチュウワウィザード牡4JRA2:06.1川田将雅大久保龍志中西忍
第20回2020年11月3日大井2000mクリソベリル牡4JRA2:02.5川田将雅音無秀孝(有)キャロットファーム
第21回2021年11月3日金沢2100mミューチャリー牡5船橋2:13.1吉原寛人矢野義幸石瀬丈太郎
第22回2022年11月3日盛岡2000mテーオーケインズ牡5JRA2:02.1松山弘平高柳大輔小笹公也
第23回2023年11月3日大井2000mキングズソード牡4JRA2:05.1J.モレイラ寺島良(株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン

フォトギャラリー

脚注・出典

注釈

出典

各回競走結果の出典

馬主名義
JBISサーチより(最終閲覧日:2015年11月4日)

外部リンク