PlayStation 5
PlayStation 5(プレイステーション ファイブ、略称: PS5)は、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(略: SIE)が2020年11月12日に発売した家庭用据置型ゲーム機。キャッチコピーは「Play Has No Limits(遊びの限界を超える)」[10]。
PlayStation 5の本体とDualSense | |
開発元 | ソニー・インタラクティブエンタテインメント |
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種別 | 据置型ゲーム機 |
世代 | 第9世代 |
発売日 | 2020年11月12日[1] 「各国の発売日」も参照 |
売上台数 | 5,000万台(2023年12月時点)[2] 546万台(2024年3月時点)[注 1] |
対応メディア | Ultra HD Blu-ray[注 2] Blu-ray Disc DVD |
CPU | AMD 8コア Zen 2 カスタム 最大3.5GHzまで可変[5] |
メモリ | 16 GB GDDR6 SDRAM |
ストレージ | 825GB SSD[6] |
グラフィック | AMD RDNA 2-based 36 CUs @ 最大2.23GHzまで可変, 10.3 TFLOPS[7][8] |
コントローラ入力 |
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オンラインサービス | PlayStation Network |
後方互換 | PlayStation 4[9] |
前世代ハード | PlayStation 4 |
概要
ディスクドライブを搭載した通常モデルの「PlayStation 5」に加え、ディスクドライブ非搭載でダウンロード販売のみに対応する「PlayStation 5 デジタル・エディション」の2種類がラインナップされている[11]。
超高速SSDにより読み込み速度が飛躍的に向上。プロセッサにはAMD製のRyzen CPUと Radeon GPUを搭載し、4K/120Hz出力とリアルタイムレイトレーシングに対応する。「Tempest 3Dオーディオ」と呼ばれる専用プロセッサを用いた立体音響を備え、DualSenseコントローラはハプティクスが強化された。また、ほとんど(99%以上)のPlayStation 4およびPlayStation VRゲームに対して後方互換性がある[12]。
別売りのPlayStation VR2(PS VR2)とPS VR2用ソフトを追加すれば、解像度2000x2040および進化したセンサ技術で深い没入感を実現したVRゲームをプレイすることもできる[13]。
沿革
2019年
- 4月16日 ‐ WIREDがマーク・サーニーの独占インタビューを掲載。PlayStation 4(PS4)の後継機となる次世代ゲーム機(この時点では名称未発表)の概要が公表された。
- 10月8日 ‐ 次世代機の名称がPlayStation 5(PS5)に決定したことと、2020年の年末商戦期の発売を予定していることが明らかとなった[14]。
2020年
- 1月7日 ‐ SIEは米国ラスベガスで開催された電子機器見本市「2020 International CES」にて、PS5のロゴおよび搭載予定となるハードウェアの一部を発表した。
- 3月19日 ‐ マーク・サーニーによるハードウェアの技術解説動画の公開と共に、PlayStation BlogにPS5の基本スペックが掲載された[5]。
- 4月8日 ‐ PlayStation Blogにて、PS5用の新ワイヤレスコントローラー「DualSense」の外観写真2枚と主な仕様、デザインの経緯等が公開された[15]。
- 5月12日 ‐ Epic Gamesは同社が開発中のゲームエンジン「Unreal Engine 5(UE5)」を発表し、PS5で動作するリアルタイムデモを公開した[16][17][18]。
- 6月9日 ‐ SIEは世界情勢を鑑み延期になっていたPS5に関する映像イベント「The future of gaming(ゲーム体験の未来)」の配信日時を太平洋標準時6月11日午後1時(日本時間6月12日午前5時)に決定したと発表。予定通り同日時に配信が開始され、28のゲームタイトルと、本体デザインが初披露された[19]。
- 9月17日 ‐ SIEは映像イベント「PLAYSTATION 5 SHOWCASE」を配信し、各国での発売日、価格、同時発売ソフトを含む新作ソフト群を発表[20]。
- 10月7日 - SIEはPS5本体の分解映像をYouTubeで公開した[21]。
- 11月11日 - 発売を記念してグローバルローンチイベントを世界各国で順次開催。日本では18時より24時(発売日を迎える瞬間)までの6時間、東京都千代田区外神田の神田明神境内にて特別ライトアップが行われた[22]。
- 11月12日 - 日本やアメリカ、オーストラリアなど7か国で先行発売(#各国の発売日も参照)。
2021年
2022年
- 6月4日 - 全世界累計販売台数が2,000万台を突破した[26]。
- 8月25日 - 世界中の物価上昇や為替の変動を理由として、世界の一部の国と地域においてPS5の本体価格を値上げすると発表。日本以外の地域においては同日から、日本においては同年9月15日から値上げされた。これによって、日本国内の本体価格は通常版が54,978円(税込)から60,478円(税込)に、デジタル・エディションが43,978円(税込)から49,478円(税込)に変更となった[27]。
2023年
- 1月5日 - 全世界累計販売台数が3,000万台を突破した[28]。
- 7月27日 - 全世界累計実売台数が4,000万台を突破した[29]。
- 9月28日 - SIE代表のジム・ライアンが2024年3月までに退任することが確定する。よってSIEの暫定CEOは十時裕樹氏となる[30][31]。
- 11月10日 - CFI-2000シリーズが発売。本体サイズが小型化され、SSD容量が825GBから1TBに拡大。ディスクドライブは取り外し式になった。価格は通常版が6万6,980円(税込)、デジタル・エディションが5万9,980円(税込)に値上げされた[32]。
- 11月15日 - PlayStation Portal リモートプレーヤーの発売。
- 12月9日 - 全世界累計実売台数が5,000万台を突破した[2]。
各国の発売日
2020年11月12日に以下の国で発売[20][33]。なお、事前予約分で完売となっており、発売当日は店頭販売を行わない[34]。
また、翌週の11月19日には欧州、中東、南米、アジア、南アフリカ(いずれも一部の国・地域を除く)でも順次発売している[33]。
- 以降発売された国・地域
ハードウェア
- PS4の数倍のスペック
- 4K[40]60fps以上の解像度や、カスタムSSDによるロード時間の高速化などに対応するため、CPU、GPU、メモリなどの総合的な基本スペックは「前世代機であるPlayStation 4の数倍」の性能になっている[5]。グラフィック性能を左右するGPUについては、「PS4」の約5倍、「PS4 Pro」の約2倍以上の高速化が実現されており、CPU・メモリについてもGPU性能に合わせたスペックを持つと考えられている[41]。
GPUにはAMDのRDNA 2をベースとしたマイクロアーキテクチャが使用されている[7]。 - ロード時間の短縮
- ストレージに関してはカスタムSSDを採用[42]、メインチップと4レーンのPCIe 4.0で接続されたカスタムコントローラによって制御され、フラッシュメモリは12チャンネル構成になっている。一般的製品では2段階の所、カスタムコントローラでは6段階でアクセス優先度を制御可能で、ゲームの状況に応じたより柔軟な制御が可能。
- カスタムSSDを搭載したことにより、ロード時間がPS4ではシーケンシャルアクセス速度が50 - 100MB/s(0.05 - 0.1GB/s)程度だったが、PS5では最大5.5GB/sへと高速化された。これはHDDを搭載したPS4と比較して約55 - 110倍となる[43]。
- PS5のリードアーキテクトを務めるマーク・サーニー曰く、「SSDの速度がどんなに高速になったとしても、今のゲームにおけるデータアーキテクチャには大きなボトルネックがある」が、PS5のSSDはこれがほぼ解消され、額面どおりPS4の100倍の速度を実現すると発言している[44]。
- SIEは、ロード時間の短縮については特に力を入れてアピールしており、レストモード(サスペンド状態)から電源を入れると2~3秒でシステムが起動完了し、ゲームの起動も数秒で行われる。ゲームプレイ中も、これまで1分近くかかっていたシーンでも数秒以内にロードが完了するため、ストレスの大幅軽減に繋がるという[注 3]。
- ただし、ロード時間は一瞬だとしてもコピーやダウンロードには時間がかかる[45]。
- SSDの増設
- PS5はNVMe M.2 SSDスロットを有しており、性能要件を満たす市販NVMe M.2 SSDを装着することで本体ストレージ(標準搭載の内蔵SSD)同様に利用可能。
- また、USB端子にSSD等のUSBストレージ(USB 3.0 - USB 3.2 Gen 2、容量250GB以上8TB以下)を外付け増設することも可能だが、PS5用ソフトのインストールに利用できるのは内部SSDだけで、USBストレージから起動できるのはPS4用ソフトのみである。バージョン3.00アップデート以降は、USBストレージへ退避したPS5用ソフトのインストールデータを利用して内部SSDへ再インストールすることが可能となった[注 4]。
- なお、PS5発売直後に実際のPS4ソフトで行われた検証では、内蔵HDDをSSDに換装したPS4 Proよりもロード時間の短縮が見られた一方で、PS5の内蔵SSDから起動するよりも外付けSSDの方がロード時間が僅かに短い結果となり、前述の内蔵SSDのデータ転送速度はPS4ソフトでは十分発揮できていないことが判明している[46]。
- 2つのエディション
- PS5には、ディスクドライブを備えた「通常モデル」とディスクドライブのない「デジタル・エディション」の2種類がある[11][47]。ディスクドライブを備えたモデルはプレイステーションシリーズでは初となるUltra HD Blu-ray(UHD BD)対応、デジタル・エディションはダウンロードソフト専用となる。光学ドライブ搭載の有無以外に性能差はない。2023年発売のCFI-2000シリーズでは、デジタル・エディションであっても別売りのディスクドライブを接続する事により「通常モデル」同様にディスク再生が可能となった。
ディスク版
- PS5以降は、供給されるディスク作品のディスク規格がBD-ROMからUltra HD Blu-rayに変更されたが、ディスクケースはPS4のローンチ時と全く同じものである。これによりリージョンは完全に廃止し、一枚のディスクに最大100GBの容量を入れるようにでき、ディスクの物理的なセキュリティを向上させた。
- また、ディスク版パッケージの表面のUIがPS4のジャケットからすべて変更され、「FOR JAPAN ONLY」のフォントもPS1~PS4までずっと使用され続けたものから変更された。「安全のために」の説明文の同梱方法も変更。PS4ではディスクパッケージに使う用紙の裏面に安全用の注意事項を記載していたが、この方法はメーカーごとに無駄な負担を強いるものであったため、PS5ではすべてのディスク版ソフトの中に注意事項のパンフレットを同梱させる形式となり、ディスクジャケットの裏面に何も印刷する必要がなくなったが、ニンテンドースイッチのジャケットのようにイラストを裏に記載する場合がある。なお、サラウンドに対応したかどうかにかかわらず、全作品のディスクからDOLBYやDTSの表記が廃止されている。
- CFI-2000シリーズの本体にディスクドライブを接続した場合は、AACSなどの問題のために必ず一回オンライン認証を通す必要がある。[48]また、UHDBDなどに内蔵されるドルビービジョンはPS5に対応していない。
仕様
仕様 | 備考 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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CPU | |||||||||||||||||||||||||||||||
GPU |
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システムメモリ |
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ストレージ | 内蔵SSD |
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拡張SSD |
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保存可能な データの種類 |
(*注) インストール済みのPS5ゲームを内蔵SSD/拡張SSDから待避することは可能。但し拡張HDD/SSDから起動不可のため、再プレイの際は内蔵SSD/拡張SSDに書き戻す必要がある。
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映像 |
VRR,HDR10は対応テレビが必要。HDR10はDeep Color出力に対応したテレビが必要。 | ||||||||||||||||||||||||||||||
音声 |
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光学ドライブ | Ultra HD Blu-ray(読み出し専用)[54]
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入出力端子 |
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通信 | 有線 | 10BASE-T, 100BASE-TX, 1000BASE-T | |||||||||||||||||||||||||||||
無線 | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi 6) | ||||||||||||||||||||||||||||||
Bluetooth 5.1 | |||||||||||||||||||||||||||||||
最大消費電力 | 350W (PS5) 340W (PS5デジタル・エディション) | ||||||||||||||||||||||||||||||
外形寸法 | 幅390mm×高さ104mm×奥行260mm (PS5) 幅390mm×高さ92mm×奥行260mm (PS5デジタル・エディション) | 左記はベースを除く横置き時の外形寸法 | |||||||||||||||||||||||||||||
質量 | 約4.5kg [CFI-1000A (PS5)] 約4.2kg [CFI-1100A (PS5)] 約3.9kg [CFI-1200A (PS5)] 約3.9kg [CFI-1000B (PS5デジタル・エディション)] 約3.6kg [CFI-1100B (PS5デジタル・エディション)] 約3.4kg [CFI-1200B (PS5デジタル・エディション)] | ||||||||||||||||||||||||||||||
パッケージ内容 |
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以前のPSとの互換性、修正点など
PS4との互換性
PS5は、PS4のソフト(一部を除く)をプレイすることができる。
PlayStation 5の本体が後方互換性を持ち、前世代機のパッケージソフトウェアをソフトウェアによるOS互換やライブラリ互換により[5]、PS4のソフトが遊べる後方互換を持っている[56][57]。
詳しく言うと前世代機であるPS4が採用していたAMD Jaguarコアとの互換性を実現することであり、ハードウェア互換ではないため全てのソフトには対応できないが、発売日時点で99%のPS4ソフトが動作可能である。なお互換性がとれなかった一部のゲームについてはそのリストが公開されている[12]。非対応作品はほとんどが版権的・法律的事情によるものである。リストに公開されていない非対応作品はP.T.、THE PLAYROOMなど。
ゲーム側のアップデートが必要になる可能性があるが、ハードウェアの違いを前提としたOSやライブラリによる機能拡張により、多くのソフトでフレームレートの安定や向上、高解像度等の恩恵が期待できる[12]。また標準でHDRがオンとなる[12]。ただし、SHAREメニュー(PS5ではクリエイトメニューで代替)や“Live from PlayStation”、セカンドスクリーン機能やPS4用のシステム画面テーマなどPS4が採用していた一部のシステムは使用できない[12]。また、ディスク媒体のPS4ソフトについては当然ディスクドライブ搭載のモデルでしかプレイできない[12]。PS4とPS5のダブルプラットフォームで発売されるソフトの中には、パブリッシャー側の判断でPS4版を所持していれば個別の条件(有償・無償・期間限定など)でPS5版にアップグレード可能なタイトルも存在する。日本国内においては発売当初に表示が無かった機種へのアップグレードを無償で行うことが「不当景品類及び不当表示防止法」で規制される可能性があるため、日本国外のPS5版と日本を含めたXbox Series X/S版で別ハード向けデータの配布が行われていても、低額の有償アップグレードとなる[58][59][注 6]。
なおパッケージソフトをアップグレードするためにはPS4版のディスクの認識が必要になるため、ディスクドライブがないデジタル・エディションではアップグレードできない[60]。
セカンドスクリーンとコンパニオンアプリとの連携、3DテレビへのHDMI経由の投影、トーナメント機能(PS4ゲーム向け機能のみでPS5向けゲームは可能)、2014年ごろに「アップグレードプログラム」で購入したダウンロード版PS4向けゲームをPS3ディスクの挿入で起動させることも不可能である。
なお、PS1、PS2、PS3タイトルとの互換性はないが、PS1・PS2・PS3タイトルの一部についてはPlayStation Plusでエミュレータ及びクラウドストリーミングにより遊ぶことができる(前世代機『PlayStation 4』も同様)。日本地域ではPS PlusのPCを利用したストリーミングは不可能であるが、アメリカ合衆国などのリージョンでは可能である。
- DUALSHOCK 4の使用
- PS5で前世代機であるPS4のDUALSHOCK 4のワイヤレスコントローラを使用することは可能である。ただし、「PS5」版のゲームでは使用できない。PS向けライセンス品のコントローラーも大半はDualsenseの挙動を想定していないため、PS4向けコントローラーの場合は同様にDUALSHOCK 4として扱われる。
モーションコントローラー・ナビゲーションコントローラー・PS VRシューティングコントローラーの使用
決定ボタン
- 決定ボタンを「×」に修正
- PS5からは、「“○”ボタンで決定」「“×”ボタンでキャンセル」ではなく、世界標準方式である「“×”ボタンで決定」「“○”ボタンでキャンセル」と修正した[61]。ただし、PS4作品は必ずしもそのルールに沿うわけではなく、変更される場合と変更されない場合がある。
- 発端
- 1994年12月3日に日本で発売した初代PlayStationのコントローラーの仕様は他社と同じことはしたくないソニーのデザイナーの精神を反映し、誰でも覚えやすいアイコン『○と×はYESとNOで色は赤と青、△は頭や視点を表し色は信号機にならって緑、□は紙でメニュー・文書を示すもの、色は全体のバランスからピンク[62]』であった。
- 1995年9月1日に発売された欧米版PlayStationでは割り当てが逆になった。単に押しやすい事が挙げられ、元からAボタンを一番右に置く伝統にある任天堂を除いてもセガ(ドリームキャスト、セガサターン)やマイクロソフト(サイドワインダー)も90年代では「×」の位置に決定が入るように「ABXY」のロゴを決定していた。[注 7]欧米で肯定(YESやOK)を意味するチェックマークは「✓」マークだけでなく「✗」マークもあり、「✗」と「X」は酷似しているので自然と「X」を肯定ボタンと捉える人が多い。
- 以降、PS1~PS4/PSP/PS Vitaまでのシリーズで、日本と一部の国や地域では「“○”ボタンで決定」「“×”ボタンでキャンセル」のコマンドが割り当てられ、欧米版では逆に「“×”ボタンで決定」「“○”ボタンでキャンセル」が割り当てられるという状況になり、国境を超えて遊ばれるPSゲームソフトを開発する世界の開発者らは、ソフトのローカリゼーション(各地域向けバージョンを制作)する中で、日本版を制作する段階になってボタン割当の違いがあることに驚き、しばしばかなり悩まされることになった。ボタンルールの厳守はPS5の登場までずっと続けられ、このルールを破った作品は非公式の改造ウェア以外存在しなかった。この問題を省略するために、〇×ボタン両方を「決定」、△□ボタンを「キャンセル」にする作品も存在したが、ごくわずかである。(サルゲッチュ、グランツーリスモなど。)
- なお、PS1~PS2の時代まではソフトリージョンが分れていたため、一本のソフトにボタンの対応表を一つ入れるだけで済んでいたことから、この問題に悩まされるリスクが少なかったが、PSP/PS3以降はリージョンロックがほぼ完全に削除。そして一本のゲームデータにマルチリージョンの言語に対応させたシステムを導入する必要が常に存在したため、ゲームデータを別のリージョンのハード間で引っ越し作業を行わせたりすると、ボタンの判定が変更される仕様がすべてのゲームに隠し搭載される必要があった。
- ゲーム内の決定ボタンについて
- ソフト側は統一されておらず「“×”ボタンで決定」のタイトルと従来通り「“○”ボタンで決定」のタイトル(『アサシン クリード ヴァルハラ』『イモータルズ フィニクス ライジング』など)が両方存在する。
- PS4のゲームをPS5で遊ぶときはゲーム内では今まで通りの操作のため“○”ボタンで決定が標準となる。一部のPS4用ソフト(『新サクラ大戦』『ゴッドイーター3』『英雄伝説 創の軌跡』『ドラゴンクエストX オンライン』など)は「“×”ボタンが決定、“○”ボタンがキャンセル」になるよう変更が加えられている。
- 「操作感は変わらない」と説明されているが、デモンズソウルのように「“○”ボタンで回避/ダッシュ」「“×”ボタンでアクション」のコマンドが割り当てられ、従来のものと操作感が変わってしまったゲームもある。とはいえ、「○」「☓」が欧米方式で世界統一されたことで、今後は欧米で開発された有名ソフトが日本でも世界のプレーヤーと同一の操作感で遊べるようになってゆくという大きなメリットがある。
バリエーション
CFI-1000系
型番 | 名称 | 発売日 |
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CFI-1000A01 | PlayStation 5 | 2020年11月12日 |
CFI-1000B01 | PlayStation 5 デジタル・エディション | 2020年11月12日 |
CFI-1100A01 | PlayStation 5 | 2021年8月24日 |
CFI-1100B01 | PlayStation 5 デジタル・エディション | 2021年7月20日 |
CFI-1200A01 | PlayStation 5 | 2022年9月 |
CFI-1200B01 | PlayStation 5 デジタル・エディション | 2022年9月 |
型番 | 名称 | 発売日 |
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CFIJ-10000 | PlayStation 5 “Horizon Forbidden West” 同梱版 | 2022年9月15日 |
CFIJ-10001 | PlayStation 5 デジタル・エディション “Horizon Forbidden West” 同梱版 | 2022年9月15日 |
CFIJ-10002 | PlayStation 5 “グランツーリスモ7” 同梱版 | 2022年10月20日 |
CFIJ-10003 | PlayStation 5 デジタル・エディション “グランツーリスモ7” 同梱版 | 2022年10月20日 |
CFIJ-10004 | PlayStation 5 “ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク” 同梱版 | 2022年11月9日 |
CFIJ-10005 | PlayStation 5 デジタル・エディション “ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク” 同梱版 | 2022年11月9日 |
CFIJ-10007 | PlayStation 5 “FINAL FANTASY XVI” 同梱版 | 2023年6月22日 |
CFIJ-10008 | PlayStation 5 デジタル・エディション “FINAL FANTASY XVI” 同梱版 | 2023年6月22日 |
CFIJ-10011 | PlayStation 5 DualSense ワイヤレスコントローラー ダブルパック | 2023年8月9日 |
CFIJ-10012 | PlayStation 5 デジタル・エディション DualSense ワイヤレスコントローラー ダブルパック | 2023年8月9日 |
CFIJ-10013 | PlayStation 5 “Marvel's Spider-Man 2” Limited Edition | 2023年9月1日 |
CFIJ-10014 | PlayStation 5 “Marvel's Spider-Man 2” 同梱版 | 2023年10月20日 |
CFIJ-10015 | PlayStation 5 デジタル・エディション“Marvel's Spider-Man 2” 同梱版 | 2023年10月20日 |
CFIJ-10016 | PlayStation 5 “EA SPORTS FC 24” 同梱版 | 2023年9月29日 |
CFIJ-10017 | PlayStation 5 デジタル・エディション“EA SPORTS FC 24” 同梱版 | 2023年9月29日 |
CFI-2000系
型番 | 名称 | 発売日 |
---|---|---|
CFI-2000A01 | PlayStation 5 | 2023年11月10日 |
CFI-2000B01 | PlayStation 5 デジタル・エディション | 2023年11月10日 |
型番 | 名称 | 発売日 |
---|---|---|
CFIJ-10018 | PlayStation 5 DualSense ワイヤレスコントローラー ダブルパック | 2023年11月10日 |
CFIJ-10019 | PlayStation 5 デジタル・エディション DualSense ワイヤレスコントローラー ダブルパック | 2023年11月10日 |
CFIJ-10020 | PlayStation 5 “Marvel's Spider-Man 2” 同梱版 | 2023年12月20日 |
周辺機器
コントローラー
- DualSense
DualSenseと呼ばれるコントローラーではPlayStation 4までのDUALSHOCK系列の既存のコントローラーとは外観の基本デザインが異なることもあり、ナンバーリング(DUALSHOCK 5)ではなく新たな名称として、五感に訴えかけるゲーム体験の実現を強調して、DualSenseと名付けられた[63]。
- ハプティック技術搭載[64][65]
- PSボタンが初めて円型以外になる
- L2・R2ボタンに抵抗力を感じさせるアダプティブトリガーを採用[64][65]
- USB Type-C(有線)/Bluetooth(無線)接続
- マイク内蔵
- DUALSHOCK 4で動画やスクリーンショットを撮ることのできた「SHARE」ボタンを、「Create」ボタンに変更[66][67]。簡単にユーザーのプレイしている映像をSNSや動画配信サイトに投稿することができる[66]。X(旧Twitter)への投稿機能は2023年11月13日をもって終了した[68]。
PlayStation Portal リモートプレーヤー
2023年に発売された、PS5とのリモートプレイをスマートフォン・Windows上のリモートプレイ用アプリケーションよりも快適にプレイすることができる端末。PS3/PS4のリモートプレイはPS本体側のスペックが不足しやすいことからこのような端末が実現しなかったが、PS5は本体をLANケーブルで有線接続することで、常時画質が1080/60pかつ十分な環境でリモートプレイができるようになったことから開発された。Bluetoothを搭載していないため、無線接続できるデバイスは2024年現在でPULSE Explore,PULSE Eliteといった「PlayStation Link」に対応した無線オーディオデバイスのみである。販売価格は発売直後で29980円(税込)。[69]
- 内蔵OSはFreeBSDではなくAndroid。
- 2024年現在ではPS VR、PS VR2、およびメディアアプリのプレイ、PS Plusのコンソール経由・PS Portal単体でのストリーミングプレイは不可能。
- PS Portal単体でできることはWifiの接続、PSNアカウントのサインイン、システムアップデート、リモートプレイに使用するPS5本体の選択のみ。
- 充電端子はUSB Type-C(急速充電は非対応)。
純正機器
型番 | 名称 | 発売日 | 備考 |
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CFI-Y1000 | PlayStation Portal リモートプレーヤー | 2023年11月15日 | |
CFI-ZAA1 | PlayStation Cameraアダプター | 2020年11月12日 | PS VR利用時に必須[70]。 |
CFI-ZAC1J | Accessコントローラー | 2023年12月6日 | |
CFI-ZCP1J | DualSense Edgeワイヤレスコントローラー | 2023年1月26日 | |
CFI-ZCT1J | DualSenseワイヤレスコントローラー | 2020年11月12日 | 本体に1つ同梱。 |
CFI-ZCVL1 | PlayStation VR2 Senseコントローラー (L) | 2023年2月22日 | |
CFI-ZCVR1 | PlayStation VR2 Senseコントローラー (R) | ||
CFI-ZDD1J | ディスクドライブ | 2023年11月10日 | CFI-2000シリーズ専用。 |
CFI-ZDS1J | DualSense充電スタンド | 2020年11月12日 | |
CFI-ZEY1G | HDカメラ | ||
CFI-ZMR1J | メディアリモコン | ||
CFI-ZSS1J | PlayStation VR2 Senseコントローラー充電スタンド | 2023年2月22日 | |
CFI-ZVR1 | PlayStation VR2 | ||
CFI-ZVS1P | 縦置きスタンド | 2023年11月10日 | CFI-2000シリーズ専用。 |
CFI-ZWA2J | PlayStation Link USBアダプター | 2023年12月6日 | PULSE Explore ワイヤレスイヤホン、PULSE Elite ワイヤレスヘッドセットに同梱。 |
CFI-ZWD1J | ワイヤレスアダプター | 2020年11月12日 | PULSE 3Dワイヤレスヘッドセットに同梱。 |
CFI-ZWE1J | PULSE Explore ワイヤレスイヤホン | 2023年12月6日 | |
CFI-ZWH1J | PULSE 3Dワイヤレスヘッドセット | 2020年11月12日 | |
CFI-ZWH2J | PULSE Elite ワイヤレスヘッドセット | 2024年2月21日 | |
CFIJ-16000 | PlayStation 5用カバー | 2022年1月27日 | |
CFIJ-16002 | デジタル・エディション用。 |
ソフトウェア
DualSenseでの操作デモも兼ねたアクションゲーム『ASTRO's PLAYROOM』がプリインストールされている[71]。
メディアアプリ
本項目では、PS5のメニュー内の「メディア」タブで配信されているアプリを表記していく[72][73]。
配信日 | タイトル | 発売元 | 販売方式 | 備考 |
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2020年11月12日 | Apple TV | Apple | 無料 | |
2020年11月12日 | Amazon Prime Video | Amazon.com, Inc. | 無料 | |
2020年11月12日 | Spotify | Spotify | 無料 | |
2020年11月12日 | DAZN | DAZNグループ | 無料 | |
2020年11月12日 | Twitch | Amazon.com, Inc. | 無料 | |
2020年11月12日 | DMM.com | DMM.com | 無料 | |
2020年11月12日 | Netflix | Netflix | 無料 | |
2020年11月12日 | Hulu | HJホールディングス | 無料 | |
2020年11月12日 | YouTube | 無料 | ||
2020年11月12日 | U-NEXT | U-NEXT | 無料 | |
2021年10月27日 | Disney+ | ディズニー・メディア&エンターテイメント・ディストリビューション | 無料 | 2022年10月よりPS4/PS5版からPS5版が独立して別アプリに[74] |
2021年10月28日 | Apple Music | Apple | 無料 | |
2021年11月24日 | torne | ソニー・インタラクティブエンタテインメント | 無料 | |
2023年10月5日 | Sony Pictures Core | ソニー・ピクチャーズエンタテインメント | 無料 | |
2023年11月30日 | FOD | フジテレビ | 無料 |
流通状況
ハードの供給不足と転売問題
前述の通り、新型コロナウイルスの世界的な蔓延によって主に半導体部品の製造が世界的に滞ったこと、同じ理由により巣ごもり娯楽の需要が増したこと、さらには動画配信サイトの普及によるゲーム実況の人気の高まりも追い風となって、膨れ上がった需要に対し供給がほとんど追い付かない事態となった。2021年1月30日にはヨドバシAkiba店で行われた店頭でのゲリラ販売に人が殺到し、カウンターが壊れるなどの被害が起きたため警察が出動する騒動となった[75]。
さらには転売屋に買い占められることで、定価よりも高額な値段で転売される問題が発売から一年以上経っても続いた[76]。東洋経済の記者である菊地悠人によれば、ハードの売上台数に対して、ファミ通で発表されているソフトの売上本数はディスク版のみの集計ながら本体よりも大幅に少ない傾向があった[76]。2020年は一時は50万円以上の値が付くこともあり、Amazonでは売り出し直後即完売。多くの企業がオンライン抽選会を行った[65]。
ソニー・インタラクティブエンタテインメント社長兼最高経営責任者(CEO)のジム・ライアンは、「特に転売屋やボットに在庫を確保されてしまうのは、とても腹立たしく不快なことです」と、2021年6月にウェブニュースメディア「Axios」の記事で語った[77]。
産経新聞の高木克聡は、2022年の記録的な円安によって日本国外の消費者にとって日本のPS5は「お買い得」になっており、日本国内で購入しておいて日本国外へ転売する勢いは収まる気配がなく、これがPS5の日本国内での普及を妨げ、国内のソフト販売も不振となり、その結果ソフト開発も滞りがちになり、おまけに世界的なインフレによって開発者の日本国外での賃金も上がっており、その結果 日本人開発者が国外に転職してしまう恐れもあり、「ゲーム機・ソフト・開発人材それぞれの不足による『三重苦』が日本市場の衰退を招きかねない事態となっている」と指摘した[78]。日本経済新聞も円安での差益目的の日本国外転売を報じている[79]。CFI-1200モデルの発売から数か月後以降は流通難になることがほぼなくなったが、2023年11月に発売されたCFI-2000モデルでは、本体価格がCFI-1200のモデルよりも9000~10000円ほど値上げする事態が発生した。
供給状況の改善
2022年12月下旬から、日本におけるPS5の供給改善を示唆する声が寄せられていた[80]。また、買取価格の下落から供給改善を推測したメディアもいた[81]。2023年2月からは、それまで抽選販売でしか扱っていなかった家電量販店各社が「通常販売が行える在庫が確保できた」として予約・抽選無しでの店頭販売を行っている[82]。供給状況の改善によりハード売り上げ1位を記録する週が続いた。
2023年7月27日、ソニー・インタラクティブエンタテインメントは公式サイトにて、PS5の実売台数が4000万台を突破したことを発表し、供給について「現在は十分な在庫があり、累積されていた需要に応えられている」と発表した[29]。
脚注
注釈
出典
参考文献
- Mr.PC編集部『Mr.PC 2021年1月号』、晋遊舎、2020年11月24日。
- 家電批評編集部『家電批評 2021年2月号』、晋遊舎、2020年12月28日。
- 三才ブックス「徹底比較 PS5 vs XSX」『ゲームラボ年末年始2021』、三才ブックス、2020年12月。
関連項目
外部リンク
- PlayStation 5 日本公式ウェブサイト - ソニー・インタラクティブエンタテインメント
- PS5 - PlayStation.Blog