ジャン=クロード・ヴァン・ダム

フランスの格闘家、俳優 (1960 - )

ジャン=クロード・ヴァン・ダム(Jean-Claude Van Damme [ʒɑ̃.klod vɑn dɑmə], 1960年10月18日 - )は、格闘家映画俳優アクション俳優。本名はジャン=クロード・カミーユ・フランソワ・ヴァン・ヴァレンバーグ(Jean-Claude Camille François Van Varenberg)。ベルギーブリュッセル出身。身長177cm[1]

ジャン=クロード・ヴァン・ダム
Jean-Claude Van Damme
Jean-Claude Van Damme
本名Jean-Claude Camille François Van Varenberg
生年月日 (1960-10-18) 1960年10月18日(63歳)
出生地 ブリュッセル首都圏地域ブリュッセル市
国籍ベルギーの旗 ベルギー
身長177 cm
職業俳優、格闘家
主な作品
映画
シンデレラ・ボーイ
ブラッド・スポーツ
サイボーグ
キックボクサー
ライオンハート
ダブル・インパクト
ユニバーサル・ソルジャー』シリーズ
ハード・ターゲット
タイムコップ
ストリートファイター
サドン・デス
マキシマム・リスク
ダブルチーム
ノック・オフ
その男ヴァン・ダム
エクスペンダブルズ2
テレビCM
The Epic Split
 
受賞
ゴールデンラズベリー賞
最低スクリーンカップル賞
1997年ダブルチーム
その他の賞
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来歴

ベルギーのブリュッセルで生まれる。ヴェロニカという名前の姉がおり、父親は会計士だった[2][3][4]。クラシック音楽、絵画、カーリングに関心を持つ子供だったが、父親の勧めで体と心を鍛えるためにバレエボディビルを習う。また11歳のときから松濤館流空手をはじめ[5] 、18歳で黒帯を得る[6][7]

格闘家として

1970年代を中心に、空手、キックボクシングの大会に参加。1979年に初めてアメリカ合衆国に赴き、フロリダで行われた世界空手選手権に参加する。その後1980年ヨーロッパにて開催された大会により全欧プロ空手選手権ミドル級王座を獲得。

俳優として

1980年にフランス映画への出演をきっかけとして演技に興味を持ち、プロのバレエ団からの誘いを断って映画スターを志し、香港へ渡るものの、同地ではチャンスに恵まれなかった。1982年に英語も話せないまま、2千ドルを手に役者を目指してロサンゼルスに旅立つ。

1984年ブルース・リー主演の『ドラゴンへの道』で本格的なアクションスターとなった、チャック・ノリス主演のアクション映画地獄のヒーロー』に、スタントマンとして参加し(エンドロールのクレジットで確認できる)、ヴァン・ダムはこれをきっかけにノリスに売り込みをかけ、彼のトレーニングパートナー兼、彼の妻が経営するレストランの用心棒、ウェイターとなり、生計を立てることになる。

その後、1987年の『プレデター』の制作の初期にスーツアクターとして参加する。この非常に短い仕事は、彼がアクションスターとしてブレイクするのを思いがけなく助けた。

レストランで働いていたとき、ノリス主演作のプロデューサーとしてヒット作品を連発していたキャノンフィルムズ責任者メナヘム・ゴーランが来店する。体格のいいヴァン・ダムに何か技を見せてくれと頼んだゴーランの鼻先スレスレに、彼が手に持っていたボウルからスープを一滴もこぼさずに美しいフォームの飛び後ろ回し蹴りを即興で披露し、ヴァンダムを公式オーディションに招待するのに十分なほどゴーランを魅了した。更にオーディション中、ヴァンダムは椅子でバランスを取りながらもうひとつの特技である股割りも披露した。また、一緒に来ていた友人が、「彼は『プレデター』でアーノルド・シュワルツェネッガーと共演したばかりだ」と話を盛って発言した。ゴランはオーディション終了後にチェックに出かけ、運良くヴァンダムの名前はまだ『プレデター』のキャストシートから削除されていなかった。ゴランは彼に『ブラッド・スポーツ』(1988)の主役を提供することを決定し、ヴァンダムのブレイク作となった。

『ブラッドスポーツ』で初主演をして以降、同じヨーロッパ出身の肉体派アクション俳優として、アーノルド・シュワルツェネッガーやドルフ・ラングレン等と共に、1980年代後半から1990年代には数多くの作品に出演した。

特に1994年のヒット作である『タイムコップ』を筆頭に、数多くの主演作を持ったが、1997年頃からは低迷が続き、2008年には本人自らを自虐的に演じる映画『その男ヴァン・ダム』なども製作している。2008年12月3日に映画『その男 ヴァン・ダム』の日本公開イベントで来日予定だったが、諸事情により中止された[8]。2008年11月初旬、ペットの子犬の看病のためにプロモーション活動を休止したとする報道がみられたが、関連は不明。

2012年に公開されたシルヴェスター・スタローン主演の『エクスペンダブルズ2』では、久々の大作映画への出演となり、重要な役柄であるエクスペンダブルズの宿敵、犯罪武装集団のリーダー、ジャン・ヴィランを演じてスタローンと対決した。第1作目にも出演オファーされていたが、交渉がまとまらず、2作目での登場となった[9]。なお、同作品には先述のチャック・ノリスもブッカー役で出演している。

2013年にはボルボトラックのThe Epic Splitに出演し開脚を披露した[10]。なお、このボルボのCMがネットミームとなると、チャック・ノリスは即座にそのパロディ版の動画を作成して公開した。

受賞

私生活

5回の結婚歴がある。3番目の妻グラディス・ポルトギーズとは1987年から1992年に一度結婚、1999年に再婚したが、2015年に離婚[11]

俳優のクリス・ヴァン・ダム(旧:クリストファー・ヴァン・ヴァレンバーグフランス語版)は息子[12]。また、女優のビアンカ・ブリーフランス語版は娘[13]

1998年に双極性障害と診断されている[11]

出演作品

映画

公開年邦題
原題
役名備考日本語吹替
1984年地獄のヒーロー
Missing in Action
運転手クレジットなしTBA
1985年シンデレラ・ボーイ
No Retreat, No Surrender
イヴァン・クラシンスキー堀之紀
1987年ブラッド・スポーツ
Bloodsport
フランク・デュークス日本劇場未公開TBA
1988年ブラック・イーグル英語版
Black Eagle
アンドレイTBA
1989年サイボーグ
Cyborg
ギブソン・リッケンバッカー池田秀一VHS版)
大塚芳忠テレビ朝日版)
キックボクサー
Kickboxer
カート・スローン大塚芳忠
1990年ライオンハート
Lionheart
リヨン・ゴルチエ兼脚本大塚芳忠(ソフト版)
曽我部和恭テレビ東京版)
ブルージーン・コップ
Death warrant
ルイス・バーク大塚芳忠(VHS版)
曽我部和恭(日本テレビ版)
1991年ダブル・インパクト
Double Impact
チャド・ワグナー / アレックス兼脚本大塚芳忠(チャド・VHS版)
金尾哲夫(アレックス・VHS版)
曽我部和恭(チャド・日本テレビ版)
江原正士(アレックス・日本テレビ版)
山寺宏一(テレビ朝日版)
1992年ユニバーサル・ソルジャー
Universal Soldier
リュック・デュブロー大塚芳忠(ソフト版)
山寺宏一(テレビ朝日版)
1993年ハード・ターゲット
Hard Target
チャンス・ブードロー大塚明夫(ソフト版、フジテレビ版)
ボディ・ターゲット
Nowhere to Run
サム・ギレン大塚芳忠(ソフト版)
山寺宏一(テレビ朝日版)
ラスト・アクション・ヒーロー
Last Action Hero
ジャン=クロード・ヴァン・ダムカメオ出演中田和宏(ソフト版)
若本規夫(テレビ朝日版)
1994年タイムコップ
Timecop
マックス・ウォーカー菅原正志(ソフト版)
山寺宏一(テレビ朝日版)
ストリートファイター
Street Fighter
ウィリアム・F・ガイル大佐大塚芳忠(ソフト版)
田中秀幸(テレビ朝日版)
1995年サドン・デス
Sudden Death
ダレン・マッコード大塚明夫(ソフト版)
山寺宏一(テレビ朝日版)
1996年クエスト
The Quest
クリストファー・デュボア兼監督・原案大塚明夫
マキシマム・リスク
Maximum Risk
アラン・モロー / ミハイル・スヴェロフ大塚芳忠(ソフト版)
山寺宏一(テレビ朝日版)
1997年ダブルチーム
Double Team
ジャック・クイン
1998年ノック・オフ
Knock Off
マーカス・レイ大塚明夫(ソフト版)
山寺宏一(テレビ東京版)
レジョネア 戦場の狼たち
Legionnaire
アラン・ルフェーブル兼脚本・製作楠大典(ソフト版)
山寺宏一(テレビ東京版)
1999年ユニバーサル・ソルジャー/ザ・リターン
Universal Soldier: The Return
リュック・デュブロー大塚芳忠
ヴァン・ダム IN コヨーテ
Inferno
エディ・ロマックス大塚芳忠(ソフト版)
山寺宏一(テレビ東京版)
2001年レプリカント
Replicant
レプリカント / エドワード・ギャロット
ファイナル・レジェンド 呪われたソロモン
The Order
ルーディ・カフメイヤー / チャールズ兼脚本山野井仁
2002年ディレイルド 暴走超特急
Derailed
ジャック・クリストフ大塚芳忠
2003年HELL ヘル
In Hell
カイル・ルブラン小山力也
2004年レクイエム
Walk of Death
ベン・アーチャー大塚明夫
2006年ジャン=クロード・ヴァン・ダム ザ・コマンダー
Second In Command
サム・キーナンビデオ作品小杉十郎太
ジャン=クロード・ヴァン・ダム ザ・ディフェンダー
The Hard Corps
フィリップ・ソヴァージュビデオ作品
2007年ディテクティヴ
Until Death
アンソニー・ストウ
2008年ザ・プロテクター
The Shepherd: Border Patrol
ジャック・ロビドービデオ作品
その男ヴァン・ダム
JCVD
ジャン=クロード・ヴァン・ダム兼製作総指揮山野井仁
2009年ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション
Universal Soldier:A New Beginning
リュック・デュブロー大塚芳忠
2011年カンフー・パンダ2
Kung Fu Panda 2
マスター・ワニ声の出演木村雅史
ジャン=クロード・ヴァン・ダム/アサシン・ゲーム英語版
Assassination Games
ヴィンセント・ブラジル大塚芳忠
2012年ドラゴン・アイズ英語版
Dragon Eyes
ジャン=ルイ・ティアーノ
エクスペンダブルズ2
The Expendables 2
ジャン・ヴィラン山寺宏一
ユニバーサル・ソルジャー 殺戮の黙示録
Universal Soldier: Day of Reckoning
リュック・デュブロー板取政明
ハード・ソルジャー:炎の奪還英語版
6 Bullets
サムソン・ゴール製作総指揮大塚芳忠
UFO 侵略英語版
Alien Uprising
ジョージ
2013年サバイバル・ソルジャー
Welcome to the Jungle
ストーム・ロスチャイルド
マキシマム・ソルジャー英語版
Enemies Closer
ザンダー藤原啓治
2014年リベンジ・ガン英語版
Swelter
スティルマン大塚芳忠

Full Love英語版
フレンチー兼監督
2010年撮影「The Eagle Path」
N/A

JCVD's Make My Movie Challenge
ショートムービーN/A
2015年マキシマム・ブラッド英語版
Pound of Flesh
ディーコン・ライル山野井仁

煎餅侠中国語版英語版
尚格·云顿中国映画N/A
2016年キックボクサー リジェネレーション
Kickboxer: Vengeance
マスター・デュランド兼製作総指揮大塚芳忠
カンフー・パンダ3
Kung Fu Panda 3
マスター・ワニ声の出演TBA
2017年ジャン=クロード・ヴァン・ダム/ファイナル・ブラッド英語版
Kill' Em All
フィリップビデオ作品大塚芳忠
2018年キックボクサー ザ・リベンジ英語版
Kickboxer Retaliation
マスター・デュランド日本劇場未公開(日本語吹替版なし)
スティール・サンダー
Black Water
スコット・ウィーラー野坂尚也
ザ・バウンサーフランス語版英語版
Lukas
ルカス / 用心棒(バウンサー)高橋大輔
2019年ネバー・ダイ 決意の弾丸
We Die Young
ダニエルTBA
2021年ザ・ラスト・マーセナリー
The Last Mercenary
リシャール・ブルメール / ザ・ミスト大塚芳忠
2022年ミニオンズ フィーバー
Minions 2: The Rise of Gru
ジャン・クロード声の出演大塚明夫
TBA
What's My Name?
本人製作中

Silent Kill
製作中

テレビシリーズ

放映年邦題
原題
役名備考吹き替え
1996年フレンズ
Friends
本人第2シーズン第13話「プリティ・ウーマン登場」大塚芳忠
2004年ラスベガス
Las Vegas
第1シーズン第15話「ジャン=クロード・ヴァン・ダム死す!?」
2016年 - 2017年ジャン=クロード・ヴァン・ジョンソン英語版
Jean-Claude Van Johnson
ジョンソン / 本人役Amazonプライム・ビデオオリジナル作品

テレビCM

日本語吹き替え 

主に担当しているのは、以下の二人である。

大塚芳忠
サイボーグ』(テレビ朝日版)で初担当。以降は主にソフト版の吹き替えをほぼ全て担当し、専属(フィックス)に近い形の定番声優となっている[14]
山寺宏一
ユニバーサル・ソルジャー』(テレビ朝日版)で初担当。以降は主にテレビ放送版の吹き替えをほぼ全て担当し、大塚の次に多く吹き替えている[15]
エクスペンダブルズ2』では初めて劇場公開版およびソフト収録版の吹き替えを務めた[16]

このほかにも、大塚明夫曽我部和恭小杉十郎太山野井仁なども複数回、声を当てている。

その他

  • 容姿やアクションが似ているプロレスラーロブ・ヴァン・ダムは、リングネームの「ヴァン・ダム」を彼から拝借している。
  • 2007年4月、ヴァンダムはサンクトペテルブルクを訪れ、総合格闘技大会「BodogFight」をウラジーミル・プーチンシルヴィオ・ベルルスコーニらと観戦、エメリヤーエンコ・ヒョードルに映画出演を依頼した。
  • 1987年公開で、ジョン・マクティアナン監督作の『プレデター』の製作初期の段階までは、プレデタースーツアクターを務めていた[17]。当初の予定ではプレデターは「忍者を思わせる素早い動きをする殺人エイリアン」としてデザインされており、細身の体格で格闘技経験が豊富なヴァン・ダムが起用された。そのため、アメリカのテレビ番組に出演した際に、司会者から「シュワルツェネッガーと共演したことがあるのか」と聞かれ、ヴァンダムは「『プレデター』でアーノルド・シュワルツェネッガーと共演したことがある」と語ったこともあるが、実際は製作初期の僅かな間にスーツアクターとして参加していただけで、製作の途中で降板しており、本番の撮影ではプレデター役をケヴィン・ピーター・ホールに譲っている。これは、撮影途中に完成品の見本として届いたモンスターのスーツがスタッフや出演者に不評で、デザインや設定も基本コンセプトから変更されたことに、「シュワルツェネッガーを相手に本格的なキックボクシングの技で戦いたい」と意気込んでいたヴァン・ダムは落胆し、「格闘技の技をアピールしたかったのに、それが許されないならノンクレジットでの出演は意味が無い」として降板を申し出たためである。これについては、『プレデター』のメイキング映像で当時の詳しい事情が触れられている。なお、二人は後の作品では正式に共演しているものの、二人が揃って同じシーンに登場することはほとんどなく、本格的な共演は2023年現在でも実現していない。
  • 『プレデター』と同じマクティアナン監督作で、1993年公開の『ラスト・アクション・ヒーロー』では、現実世界における本人役のカメオ出演で、シュワルツェネッガーと初共演している。劇中では、ヴァンダムのインタビュー中にシュワルツェネッガーが後ろ姿で通り過ぎるという、わずかながら二人が同時に写るシーンがあるが、正面からのカットではなかった。
  • 2012年公開の『エクスペンダブルズ2』でも共演しており、1秒程だが2人が同時に写るシーンもある。ただしこちらも正面からのカットではない。

脚注

外部リンク


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