リンカーン (競走馬)

競走馬

リンカーン(欧字名:Lincoln2000年3月18日 - 2012年6月23日)は、日本競走馬種牡馬[1]。主な勝ち鞍に2004年阪神大賞典2005年京都大賞典2006年日経賞

リンカーン
第50回有馬記念パドック(2005年12月25日)
欧字表記Lincoln[1]
品種サラブレッド[1]
性別[1]
毛色鹿毛[1]
生誕2000年3月18日[1]
死没2012年6月23日(12歳没)
サンデーサイレンス[1]
グレースアドマイヤ[1]
母の父トニービン[1]
生国日本の旗 日本北海道早来町[1]
生産者ノーザンファーム[1]
馬主近藤英子[1]
調教師森秀行栗東
音無秀孝(栗東)[1]
競走成績
生涯成績23戦6勝[1]
獲得賞金5億8842万円[1]
WTRRL115 / 2004年[2]
L119 / 2005年[3]
E117 / 2006年[4]
勝ち鞍
GII阪神大賞典2004年
GII京都大賞典2005年
GII日経賞2006年
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半弟2007年皐月賞ヴィクトリー(父ブライアンズタイム)がいる。馬名アメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンに由来する。

戦績

中央競馬で競走生活を送る。当初、森秀行厩舎に所属し2002年のデビュー戦となった新馬戦で2着。続く翌月の未勝利戦も2着であったが、音無秀孝厩舎に転厩して3戦目の未勝利戦で勝利を挙げると2003年になっても若駒ステークス、すみれステークスまで3連勝。その後、皐月賞を予定通り回避し、青葉賞に出走予定だったが、喘鳴症の一種である喉頭蓋エントラップメントを発症し、手術を余儀なくされ同レースも回避。そのため、奇しくも伯父フサイチコンコルドと同じローテーションである、すみれステークスからぶっつけでの東京優駿出走となり、8着に敗れる。秋は神戸新聞杯で4着、菊花賞では2着、有馬記念では2着と善戦するも勝ちきれない成績が続く。

2004年の阪神大賞典では、前年の菊花賞優勝馬ザッツザプレンティを負かし約1年ぶりの勝利を挙げる。天皇賞(春)では1番人気に支持されるが、体調不良もあって13着と大敗を喫する。宝塚記念では3着と巻き返すが、天皇賞(秋)では12着とまたしても凡走してしまう。

2005年も春シーズンはGIではもう一息の成績。秋の京都大賞典で2004年の阪神大賞典以来の勝利を挙げるが、その後のGI3戦では有馬記念の3着が最高着順であった。

2006年初戦は日経賞に出走し1番人気に支持され勝利を収める。天皇賞春に出走、最後の直線で勝ったディープインパクトとの差を詰めるも2着。この時騎乗していた横山典弘は「(リンカーンの生まれた)時代が悪かった」と言葉を残している。その言葉どおり、リンカーン自身の記録したタイム(3:14.0)は、マヤノトップガンが記録した天皇賞(春)のレースレコードよりも速い走破タイムであった。続く宝塚記念では2番人気に支持されたが、雨で渋った馬場も影響して9着と敗退した。夏場は放牧に充てたのち、悲願のGI制覇に向け秋の復帰戦を京都大賞典に定め、9月7日に帰厩したが翌8日に右前浅屈腱炎を発症していることが判明、間もなく引退することとなった。

通算23戦中13戦がGIであり、2着3回、3着2回とあと一息のところでGIに手が届かなかった。

競走成績

年月日競馬場競走名頭数枠番馬番オッズ
(人気)
着順騎手
距離(馬場)タイム
(上り3F
時計
勝ち馬/(2着馬)
2002.10.13京都2歳新馬10783.7(2人)2着柴田善臣53芝1800m(良)1:50.7 (34.5)0.1シャンパンスノー
11.9京都2歳未勝利17112.2(1人)2着武豊54芝1800m(良)1:48.8 (35.0)0.8マコトエンペラー
12.21阪神2歳未勝利16361.4(1人)1着武豊54芝2000m(不)2:05.2 (35.5)-0.2(タガノシャルマン)
2003.1.25京都若駒SOP9662.4(1人)1着武豊56芝2000m(良)2:02.3 (34.1)-0.2(マコトエンペラー)
3.2阪神すみれSOP10781.7(1人)1着武豊57芝2200m(稍)2:16.9 (34.3)-0.1クラフトワーク
6.1東京東京優駿GI1861135.6(9人)8着柴田善臣57芝2400m(重)2:29.7 (35.9)1.2ネオユニヴァース
9.28阪神神戸新聞杯GII135713.0(5人)4着横山典弘56芝2000m(良)2:00.2 (35.5)0.7ゼンノロブロイ
10.26京都菊花賞GI171214.4(4人)2着横山典弘57芝3000m(良)3:04.9 (35.0)0.1ザッツザプレンティ
12.28中山有馬記念GI12338.1(4人)2着武豊55芝2500m(良)2:32.0 (37.0)1.5シンボリクリスエス
2004.3.21阪神阪神大賞典GII9551.4(1人)1着武豊56芝3000m(良)3:08.4 (34.5)-0.2(ザッツザプレンティ)
5.2京都天皇賞(春)GI187142.2(1人)13着武豊58芝3200m(良)3:20.6 (35.8)2.2イングランディーレ
6.27阪神宝塚記念GI15585.1(3人)3着武豊58芝2200m(良)2:11.5 (35.1)0.4タップダンスシチー
10.31東京天皇賞(秋)GI178169.6(4人)12着安藤勝己58芝2000m(稍)2:00.7 (36.1)1.8ゼンノロブロイ
2005.3.20阪神阪神大賞典GII10444.8(3人)3着福永祐一58芝3000m(良)3:06.3 (34.7)0.1マイソールサウンド
5.1京都天皇賞(春)GI18365.4(1人)6着福永祐一58芝3200m(良)3:17.1 (34.4)0.6スズカマンボ
6.26阪神宝塚記念GI155918.8(4人)4着福永祐一58芝2200m(良)2:11.8 (36.1)0.3スイープトウショウ
10.9京都京都大賞典GII12561.7(1人)1着武豊57芝2400m(良)2:25.4 (33.7)-0.1コイントス
10.30東京天皇賞(秋)GI18237.2(3人)15着武豊58芝2000m(良)2:00.9 (32.8)0.8ヘヴンリーロマンス
11.27東京ジャパンCGI183520.5(9人)4着武豊57芝2400m(良)2:22.4 (35.0)0.3アルカセット
12.25中山有馬記念GI1671434.0(6人)3着横山典弘57芝2500m(良)2:32.2 (35.0)0.3ハーツクライ
2006.3.25中山日経賞GII13331.8(1人)1着横山典弘58芝2500m(良)2:33.0 (34.7)-0.2(ストラタジェム)
4.30京都天皇賞(春)GI1761114.4(2人)2着横山典弘58芝3200m(良)3:14.0 (33.7)0.6ディープインパクト
6.25京都宝塚記念GI131112.9(2人)9着横山典弘58芝2200m(稍)2:14.9 (37.2)1.9ディープインパクト

引退後

2007年より社台スタリオンステーションにて、種牡馬として繋養された。種付け料が安価なことや、皐月賞で半弟のヴィクトリーが優勝したことも相俟って初年度は約190頭の繁殖牝馬と交配している。これは新種牡馬としてディープインパクトに次ぐ頭数である。

2011年、初年度産駒のデルマドゥルガーがジュニアカップを勝ち、桜花賞へ出走、初年度からGI戦線へ産駒を送り出している。

2012年6月23日喉嚢炎のため死亡[5]

主な産駒

2020年6月16日現在[6]

血統表

リンカーン血統(血統表の出典)[§ 1]
父系サンデーサイレンス系
[§ 2]

*サンデーサイレンス
Sunday Silence 1986
青鹿毛 アメリカ
父の父
Halo 1969
黒鹿毛 アメリカ
Hail to Reason 1958 黒鹿毛Turn-to
Nothirdchance
Cosmah 1953 鹿毛Cosmic Bomb
Almahmoud
父の母
Wishing Well 1975
鹿毛 アメリカ
Understanding 1963 栗毛Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower 1964 鹿毛Montparnasse
Edelweiss

グレースアドマイヤ
1994
鹿毛
*トニービン 1983
鹿毛
*カンパラ 1976 鹿毛Kalamoun
State Pension
Severn Bridge 1965 栗毛Hornbeam
Priddy Fair
母の母
*バレークイーン 1988
鹿毛
Sadler's Wells 1981 鹿毛Northern Dancer
Fairy Bridge
Sun Princess 1980 鹿毛*イングリッシュプリンス
Sunny Valley
母系(F-No.)(FN:1-l)[§ 3]
5代内の近親交配アウトブリード
出典


同名馬

本項で挙げた馬のほかにも、1963年生まれのサラブレッドの牝馬にリンカーンが存在する(父ヤマニンモアー)。その代表産駒に地方競馬初の1億円馬となったマルイチダイオー(父チャイナロック)。

脚注

外部リンク