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国鉄タ550形貨車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国鉄タ580形貨車から転送)
国鉄タ550形貨車
基本情報
車種タンク車
運用者鉄道省
運輸通信省
運輸省
日本国有鉄道
所有者海軍火薬廠日産化学工業昭和電工
旭ベンベルグ絹糸→日窒化学工業→旭化成工業宇部興産
製造所川崎車輛大阪鉄工所
製造年1933年(昭和8年) - 1936年(昭和11年)
製造数5両
消滅1968年(昭和43年)
常備駅平塚駅水俣駅宇部港駅
主要諸元
車体色
専用種別液化アンモニア
化成品分類番号制定前に形式消滅
軌間1,067 mm
全長9,500 mm
全高3,380 mm
タンク材質ボイラー鋼板
荷重10 t
実容積19.0 m3
自重18.1 t - 25.5 t
換算両数 積車3.0
換算両数 空車2.0
走り装置一段リンク式
車輪径860 mm
軸距2,750 mm+2,750 mm
最高速度65 km/h
備考*三軸貨車
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国鉄タ550形貨車(こくてつタ550がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)およびその前身である鉄道省等に在籍した私有貨車タンク車)である。

本形式と同じ専用種別であるタ580形タ520形タ2800形についても本項目で解説する。

タ550形

タ550形は日本初の高圧ガス(液化アンモニア)輸送用の10t積三軸タンク車として1933年(昭和8年)3月10日から1936年(昭和11年)7月1日にかけて3ロット5両(タ550 - タ554)が川崎車輛大阪鉄工所の2社にて製作された。その後三軸車は新規製作が禁止されたため、増備は次級のタ580形(二軸車)に譲るかたちとなった。

本形式の他に液化アンモニアを専用種別とする形式は、タ520形(2両、後述)、タ580形(30両、後述)、タ2800形(3両、後述)、タム5800形(19両)、タム5850形(1両)、タサ4100形(142両)、タサ5800形(2両)、タキ4100形(2代)(44両)、タキ18600形(128両)の9形式がある。

落成時の所有者海軍火薬廠、旭ベンベルグ絹糸(後の旭化成工業、現:旭化成)の1廠1社であった。

塗色は白であり、全長は9,500mm、全高は3,380mm、軸距は2,750mm+2,750mm、実容積は19.0m3、自重は18.1t-25.5t、換算両数は積車3.0、空車2.0、最高運転速度は65km/h、走り装置は一段リンク式の三軸車である。

1968年(昭和43年)9月30日に最後まで在籍した2両(タ552,タ553)が廃車になり同時に形式消滅となった。

タ580形

国鉄タ580形貨車
基本情報
車種タンク車
運用者鉄道省
運輸通信省
運輸省
日本国有鉄道
所有者海軍火薬本廠、日産化学工業、三菱江戸川化学他
製造所大阪鉄工所、新潟鐵工所
製造年1935年(昭和10年) - 1955年(昭和30年)
製造数28両
消滅1975年(昭和50年)
常備駅茂原駅扇町駅速星駅
主要諸元
車体色
専用種別液化アンモニア
化成品分類番号制定前に形式消滅
軌間1,067 mm
全長8,800 mm - 10,300 mm
タンク材質ボイラー鋼板
荷重10 t
実容積18.9 m3-19.1 m3
自重26.1 t - 27.1 t
換算両数 積車3.5
換算両数 空車2.4
台車TR20、TR41B
車輪径860 mm
台車中心間距離4,900 mm - 6,220 mm
最高速度75 km/h
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タ580形は液化アンモニア専用の10t積タンク車として1935年(昭和10年)10月19日から1955年(昭和30年)7月4日にかけて28両(タ580 - タ591、タ595 - タ597、タ1580 - タ1592)が大阪鉄工所、新潟鐵工所等にて製作された。

塗色は白であり、全長は8,800mm-10,300mm、台車中心間距離は4,900mm-6,220mm、実容積は18.9m3-19.1m3、自重は26.1t-27.1t、換算両数は積車3.5、空車2.4、最高運転速度は75km/hである。

1975年(昭和50年)12月26日に最後まで在籍した1両(タ1592)が廃車になり同時に形式消滅となった。

タ520形

国鉄タ520形貨車
基本情報
車種タンク車
運用者運輸省
日本国有鉄道
所有者昭和電工
製造年1949年(昭和24年)
製造数2両
消滅1965年(昭和40年)
常備駅扇町駅
主要諸元
車体色
専用種別液化アンモニア
化成品分類番号制定前に形式消滅
軌間1,067 mm
全長8,370 mm
タンク材質普通鋼一般構造用圧延鋼材
荷重t
実容積10.4 m3
自重14.2 t
換算両数 積車2.0
換算両数 空車1.4
車輪径860 mm
軸距3,800 mm
最高速度65 km/h
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タ520形は液化アンモニア専用の5t積タンク車として1949年(昭和24年)5月31日に2両(タ520 - タ521)が製作された。

所有者は昭和電工であり、その常備駅は鶴見線の扇町駅であった。

塗色は白であり、全長は8,370mm、実容積は10.4m3、自重は14.2t、換算両数は積車2.0、空車1.4、最高運転速度は65km/hである。

1965年(昭和40年)3月15日に最後まで在籍した1両(タ520)が廃車となり同時に形式消滅となった。

タ2800形

国鉄タ2800形貨車
基本情報
車種タンク車
運用者日本国有鉄道
所有者日東化学工業
種車タキ4000形
改造年1955年(昭和30年)
改造数3両
消滅1973年(昭和48年)
常備駅新興駅湊駅
主要諸元
車体色
専用種別液化アンモニア
軌間1,067 mm
全長10,450 mm
タンク材質ボイラー鋼板
荷重12 t
実容積22.9 m3
自重25.1 t - 26.2 t
換算両数 積車4.0
換算両数 空車2.6
台車TR20
車輪径860 mm
軸距1,650 mm
台車中心間距離6,500 mm
最高速度75 km/h
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1955年(昭和30年)7月15日にタキ4000形より3両(タキ4002,タキ4007,タキ4008→タ2800,タ2802,タ2803)が専用種別変更改造(濃硫酸→液化アンモニア)され形式名は新形式であるタ2800とされた。 番号に欠番が生じているのは当初5両の改造工事が予定されていたが2両が中止になったためである。種車となった車両は、1937年(昭和12年)8月13日から同年8月21日にかけて新潟鐵工所にて製作された車両である。

改造に際してタンク体はボイラー鋼板(SB42、現在のSB410)にて新製されマンホール弁を装備した。

所有者は日東化学工業であり、その常備駅は東海道本線貨物支線(通称、高島線)の新興駅であった。

塗色は白であり、全長は10,450mm、台車中心間距離は6,500mm、実容積は22.9m3、自重は25.1t-26.2t、換算両数は積車4.0、空車2.6、最高運転速度は75km/h、台車はアーチバー式のTR20である。

1973年(昭和48年)5月28日に3両そろって廃車となり同時に形式消滅となった。

参考文献

  • 吉岡心平 『3軸貨車の誕生と終焉(戦後編)』RMライブラリー9 2000年、ネコ・パブリッシングISBN 4-87366-198-6
  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目

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