ISO 80000-8

IEC 80000-8:2007は、に関するとその単位について定めた国際規格である。

国際標準化機構(ISO)によって2007年に発行された。規格の名称は「量及び単位-−第8部:音」(Quantities and units -- Part 8: Acoustics)である。

この規格は、それまでのISO 31-7を置き換えたもので、国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)が共同で発行しているISO/IEC 80000の一部である[1]日本工業規格(JIS)ではJIS Z 8000-8:2014が相当する。

内容

ISO 80000-8は以下の章からなる。

  • 序文 (Foreword)
  • 0 (導入) (Introduction)
  • 1 適用範囲 (Scope)
  • 2 引用規格 (Normative references)
  • 3 名称、記号及び定義 (Names, symbols and definitions)

名称・記号・定義

ISO 80000-8では、空間と時間に関する以下の量とその単位が定義されている。量の番号と記号の番号の"."より左側が対応している。

単位備考
番号名称記号番号名称記号定義
8-1周期T8-1.as
8-2周波数振動数f,(ν)8-2.aヘルツHz1 Hz = 1 s−1
8-3対数周波数間隔G8-3.aオクターブoctf2/f1 = 2の場合のf1とf2との対数周波数間隔
8-3.bディケードdecf2/f1 = 10の場合のf1とf2との対数周波数間隔1 dec ≈ 3.32 oct
8-4角周波数角振動数ω8-4.aラジアン毎秒rad/sω = 2πf
8-4.b毎秒s−1
8-5波長λ8-5.aメートルm
8-6波数σ8-6.a毎メートルm−1σ = 1/λ
8-7角波数k8-7.aラジアン毎メートルrad/mk = ω/c = 2π/λ
8-7.b毎メートルm−1
8-8密度ρ8-8.aキログラム毎立方メートルkg/m3ρ = m/V
8-9.1静圧ps8-9.aパスカルPa音波がないときの圧力
8-9.2音圧p瞬時全体音圧と静圧との差
8-10粒子変位δξηζ8-10.aメートルm音波がないときの位置からの媒質内の粒子の瞬時変位
8-11粒子速度vuuvw8-11.aメートル毎秒m/s
8-12粒子加速度a8-12.aメートル毎秒毎秒m/s2
8-13音の体積速度,音の体積流量q,(qV)8-13.a立方メートル毎秒m3/s粒子速度の垂直成分を、音波が伝搬する断面に渡って積分したもの
8-14.1音速(位相速さ)c8-14.aメートル毎秒m/s音波の位相の移動速さ
8-14.2(音の)群速さcg音波エネルギーの移動速さ
8-15音響エネルギー密度w8-15.aジュール毎立方メートルJ/m3時間平均音響エネルギーの単位体積当たりの値
8-16音響パワーPPa8-16.aワットWある面を通過する、面上の点における垂直方向の音圧pと粒子速度unの成分との積を、全面積に渡って積分したもの
8-17.1音の強さ音響インテンシティi8-17.aワット毎平方メートルW/m2i = pv
8-17.2時間平均音響インテンシティI
8-18音響暴露量,騒音暴露量E8-18.a平方パスカル秒Pa2・s
8-19(媒質の)特性インピーダンスZc8-19.aパスカル秒毎メートルPa・s/mエネルギー損失のない媒体のある点における平面進行波について、 音圧を音波の伝搬方向の粒子速度の成分で除したもの
8-20音響インピーダンスZa8-20.aパスカル秒毎立方メートルPa・s/m3ある面において、面上の平均音圧を、その面を通過する体積流量で除した複素数商
8-21機械面インピーダンスZm8-21.aニュートン秒毎メートルN・s/mある面において、面上の全ての力を、その面における力の方向の平均粒子速度の成分で除した複素商
8-22音圧レベルLp8-22.aベルB通常は1/10の分量単位のデシベル(dB)を使用する
(基準量:p0 = 20 μPa)
8-23音響パワーレベルLW8-23.aベルB通常は1/10の分量単位のデシベル(dB)を使用する
(基準量:P0 = 1 pW)
8-24音響暴露レベル,騒音暴露レベルLE8-24.aベルB通常は1/10の分量単位のデシベル(dB)を使用する
(基準量:E0 = 400 μPa2・s)
8-25.1減衰定数α8-25.a毎メートルm−1ある場の量が距離xの関数f(x) = Aeαx cos[β(xx0)]で与えられるときのαが減衰定数、βが位相係数
8-25.2位相定数β
8-25.3伝搬定数γγ = α+
8-26.1音響パワー損失係数,損失率δψ8-26.a(数の)1損失音響パワーの入射音響パワーに対する比率
8-26.2音響パワー反射係数,音響パワー反射率r,(ρ)反射音響パワーの入射音響パワーに対する比率
8-26.3音響パワー透過係数,音響透過率τ透過音響パワーの入射音響パワーに対する比率
δ+r+τ = 1
8-26.4音響パワー吸音係数,吸音率α損失及び透過音響パワーの入射音響パワーに対する比率
α = δ+τ
8-27音響透過損失R8-27.aベルB通常は1/10の分量単位のデシベル(dB)を使用するR = 10 lg(1/τ) dB
8-28等価吸音面積,吸音力A8-28.a平方メートルm2吸音率と表面積の積
8-29残響時間Tn8-29.as音源の停止後、室内の平均の音響エネルギー密度がn dB減少するのに必要な時間

関連項目

出典・脚注

外部リンク