TBC夏まつり

tbc夏まつり(ティービーシーなつまつり)は、宮城県を放送対象地域としてラジオ放送とテレビジョン放送を行なうローカル局である東北放送(tbc)が、毎年夏に仙台市都心部の勾当台公園と市外の会場で開催している無料の屋外イベントである。在仙台の放送局主催のイベントとしては伝統があり、タレントや歌手の出演者も多い。

tbc夏まつり
tbc NATSU MATSURI
2011年度から2013年度にかけて会場に使用されていた石巻専修大学
2011年度から2013年度にかけて会場に使用されていた石巻専修大学
イベントの種類一般イベント
正式名称tbc夏まつり
旧イベント名みやぎふるさと祭り
TBCラジオまつり
TBCラジオカーニバル
TBC夏まつり
開催時期毎年7月下旬の土日2日間
初回開催1974年8月17日 - 8月19日(仙台市・青葉山公園
会場仙台市勾当台公園市民広場
七ヶ浜町・菖蒲田海岸
主催東北放送(tbc)
来場者数約11万5000人/2日間延べ(2012年)[1]
勾当台公園
ゆりあげ港朝市への交通アクセス
最寄駅勾当台公園駅
名取駅
公式サイト
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沿革

イベントの前身は1973年昭和48年)に開催された「みやぎふるさと祭り」である。当時、東北放送の総合企画室長であった野瀬隆義が1972年の夏にエンドーチェーンの顧客サービスのために行われていた「エンドー夏まつり」を担当した際に、このイベントをより大型にして放送局らしい演出で事業を創出し、東北放送の視聴者や地域社会に報いることが出来ないかと考え、企画を立ち上げた[2]

当時、宮城県が提唱していた「ふるさと運動」にあやかって「みやぎふるさと祭り」とイベント名を決め、人気歌手を招いての歌謡ショー、民謡ショー、郷土芸能の発表、盆踊りなどを展開し、予算規模は3,500万円[注 1]という大型のイベント企画であったため、収益性の問題や当時の東北放送の社長交代などにより事業計画の進展が危ぶまれる場面もあった[2]。協議の結果、社の主催事業として認められて当初の予算も承認され、1973年8月17日から3日間にわたり「第1回みやぎふるさと祭り」が仙台市の青葉山公園[注 2]で野外開催され、のべ50万人の来場者を集めた[2]

翌1974年の「第2回みやぎふるさと祭り」も盛況であったが、オイルショックによる省エネルギー運動の広がりから1975年(昭和50年)に企画されていた「第3回みやぎふるさと祭り」の開催は自主的に休止され、この特別措置は1976年も続き、イベントは2回にわたり中断することになった[2]

1977年(昭和52年)にはオイルショック問題は解消されたため、東北放送開局25周年の記念事業としてイベント名称を「TBC夏まつり」と一新してイベントの復活を決め、同年8月19日から3日間にわたり開催し、37万人の来場者を集めた。また、同年10月7日には民間ラジオ月間(10月)の事業の一環として地方局では初の試みである「'77 TBCラジオまつり」を当時エンドー仙台駅前店1階に在ったTBCサテライトスタジオで開催した[2]

14年間にわたった青葉山公園でのイベントは仙台国際センターの建設に伴い、1988年(昭和63年)の開催をもって終了し、翌1989年平成元年)からは台原森林公園を会場としてイベントが開催された。1993年(平成5年)には東北福祉大学の第一球場を会場としてのコンサートにイベント形態を変更し開催期間を縮小、開催に先立って1か月前に東北電力グリーンプラザにおいて、1977年以来となる10時間ラジオ公開生放送「'93 TBCラジオまつり」を復活させ、2本立てのイベント開催とした。1994年以後は「松島灯篭流し花火大会」に協賛する形で「TBC夏まつり IN 松島」と銘打ってラジオ番組の公開生中継・公開録音を行った[2]

1999年(平成11年)には「TBCラジオまつり」とイベント名を改称して仙台市勾当台公園・市民広場を会場として開催。人気ラジオ番組のブースを多数展開し、屋外でのラジオ公開生放送・公開収録、音楽ライブなどを行った。翌2000年(平成12年)および2001年は「TBCラジオカーニバル」と称したが[4]2002年(平成14年)には再び「TBCラジオまつり」にイベント名称を戻した[5]。東北放送開局55周年の2007年(平成19年)の開催からは以前の「TBC夏まつり」のイベント名称を用いるようになり、毎年7月下旬の土日2日間の開催とし、現在に至っている。

2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震東日本大震災)からの復興を願い、同年より「震災復興支援イベント」と銘打ち、「宮城の“自然”と“文化”の復興を応援、“未来”を担うこどもたちに夢 を!」をテーマに、石巻市石巻専修大学を「石巻絆エリア」として会場に加えて開催。2013年(平成25年)には石巻の会場で初日を迎え、翌週末に仙台で2日目・最終日となる3日間のイベント開催を行った[6]。また、2014年(平成26年)からは「石巻専修大学」に替えて、名取市の「ゆりあげ港朝市」を新たに「ゆりあげ絆エリア」として会場に加えている[7][8]

2020年は新型コロナウィルス感染拡大防止のため開催そのものを中止。2021年はオンラインでの開催となった。

2022年、3年ぶりに通常開催となった。

年表

開催年開催月日イベント名開催地来場者数備考
1973年8月17日 - 8月19日第1回 みやぎふるさと祭り仙台市 青葉山公園約50万人[9]
1974年8月16日 - 8月18日第2回 みやぎふるさと祭り
1977年8月19日 - 8月22日'77 TBC夏まつり約37万人[9]開局25周年記念[9]
10月7日'77 TBCラジオまつりTBCサテライトスタジオ
1978年8月11日 - 8月13日'78 TBC夏まつり仙台市 青葉山公園約58万人[9]
1979年8月11日 - 8月13日'79 TBC夏まつり約59万人[9]標語「TBC for the BEST」[9]
1980年8月1日 - 8月3日'80 TBC夏まつり約59万人[9]
1981年8月14日 - 8月16日'81 TBC夏まつり約53万人[9]
1982年8月13日 - 8月15日'82 TBC夏まつり約55万人[9]開局30周年記念[9]
1983年8月13日 - 8月15日'83 TBC夏まつり約40万人[9]
1984年8月17日 - 8月19日'84 TBC夏まつり約30万人[9]
1985年8月16日 - 8月18日'85 TBC夏まつり約30万人[9]
1986年8月16日 - 8月18日'86 TBC夏まつり約25万7千人[9]
1987年8月15日 - 8月17日'87 TBC夏まつり約18万8千人[9]
1988年8月19日 - 8月21日'88 TBC夏まつり約23万人[9]
1989年8月11日 - 8月13日'89 TBC夏まつり仙台市 台原森林公園約25万人[9]
1990年8月10日 - 8月12日'90 TBC夏まつり約19万8千人[9]1日目は台風による開催中止[9]
1991年8月9日 - 8月11日'91 TBC夏まつり約30万人[9]
1992年8月9日 - 8月11日'92 TBC夏まつり約20万人[9]
1993年7月3日'93 TBCラジオまつり東北電力グリーンプラザラジオまつり復活。10時間生放送[9]
8月1日'93 TBC夏まつり東北福祉大学 第一球場約8,000人[9]祭りの形態をコンサート形式に変更[9]
1994年8月15日'94 TBC夏まつり IN 松島松島町松島灯篭流し花火大会に協賛[9]
1995年8月15日'95 TBC夏まつり IN 松島
1996年8月15日'96 TBC夏まつり IN 松島
1997年8月15日'97 TBC夏まつり IN 松島
1998年8月17日'98 TBC夏まつり IN 松島
1999年6月6日'99 TBCラジオまつり仙台市 勾当台公園勾当台公園 市民広場で初開催[9]
2000年7月23日TBCラジオカーニバル
2001年6月3日TBCラジオカーニバル&クリーンキャンペーン 2001[10]
2002年7月21日TBCラジオまつりTBC開局50周年記念
TBCラジオまつり&クリーンキャンペーン[5]
2003年6月8日TBCラジオまつり&クリーンキャンペーン
2004年6月13日
2005年6月12日
2006年7月30日
2007年7月28日・29日TBC夏まつり'07約4万5300人[11]
約5万人[12]
TBC東北放送 開局55周年
2008年7月26日・27日TBC夏まつり'08約5万6000人[13]
2009年7月25日・26日TBC夏まつり'09約7万2000人[14]
2010年7月24日・25日TBC夏まつり'10約10万人[15]
2011年7月23日・24日TBC夏まつり2011仙台市 勾当台公園
石巻市 石巻専修大学
約11万9000人[16]サブタイトルは「絆みやぎ Smile Again!
2012年7月21日・22日TBC夏まつり2012約12万3500人[6]
約11万5000人[1]
TBC開局60周年 震災復興支援イベント[17]
サブタイトルは「絆みやぎ〜明日へ〜
2013年7月20日・21日TBC夏まつり2013石巻会場は7月13日の開催。
サブタイトルは「絆みやぎ〜ONE Heart〜
2014年7月26日・27日TBC夏まつり2014仙台市 勾当台公園
名取市 ゆりあげ港朝市
名取会場は7月27日のみ。
TBCテレビ55周年 震災復興支援イベント
サブタイトルは「絆みやぎ -“KEEP ON!”-
2015年7月25日・26日TBC夏まつり2015サブタイトルは「絆みやぎ イチについて。
2016年7月30日・31日TBC夏まつり2016サブタイトルは「GO FORWARD
2017年7月22日・23日TBC夏まつり2017仙台市 勾当台公園
七ヶ浜町 菖蒲田海水浴場
サブタイトルは「イチばん近くに
七ヶ浜会場は7月22日のみ。
2018年7月21日・22日
7月28日
TBC夏まつり2018七ヶ浜は台風12号の影響で中止。
2019年7月27日・28日TBC夏まつり2019サブタイトルは「RE:NEW
七ヶ浜会場は7月27日のみ。
2020年新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止する観点から、開催の中止を2020年4月28日放送の「ウォッチンみやぎ」内で発表[18]
2021年7月17日おうちでtbc夏まつり2021tbc東北放送の特設スタジオコロナ禍においてイベント開催が困難の中、視聴者やリスナーに楽しんでもらいたいという趣旨のもと、初めてのYouTube(tbc東北放送絆みやぎch)配信で開催(ラジオ・テレビでも生放送)。
2022年7月23日・24日tbc夏まつり2022仙台市 勾当台公園tbc開局70周年記念 震災復興支援イベント
サブタイトルは「meet again
2023年7月22日・23日tbc夏まつり2023

おもな内容

2016年

7月30日[41]

  • ゆりあげ絆ステージ[42]
    • ライブ出演:庄司恵子ティーナ・カリーナ、竹森マサユキ from カラーボトル、林部智史、パンダライオン、Rihwa
    • ラジオ公開生放送:
      • 『COLORSサタデーinゆりあげ港朝市』出演:藤沢智子&六華亭遊花、ムーディ勝山、小島よしお

7月31日[43]

  • WESTステージ
    • ライブ出演:AKB48 Team 8 東北メンバー、カラーボトル、パンダライオン、C&K、株式会社 劇団ニホンジンプロジェクト
    • 『TBCアイドルFESTA2016〜GO FORWARD〜』オープニングアクト:sendai☆syrup、出演:アイドルネッサンス℃-utecallme、司会:爆笑コメディアンズ、林田悟志
    • 『FREEDOM aozora 2016東北』プレライブ 出演:MINMI
  • NORTHステージ
  • SOUTHステージ
  • EASTラジオステーション
    • 『あっつあつ☆らじおPresentsスポアナ大集合!』
    • 『Goodモーニング 松尾です・飯野です 出張!あさから音楽クイズ』
    • 「COLORS」スペシャルトークショー、タイガー魔法瓶ステージ、「ロジャー大葉のラジオな気分」スペシャルトークショー
    • ラジオ公開録音:
      • 『佐藤敏郎のonagawa now!〜大人のたまり場〜』
    • ラジオ公開生放送:
      • 『夏うた!ラジおみくじ2016』出演:佐々木淳吾&TBCパーソナリティーズ、ゲスト:清塚信也、三四郎

2017年

従来の勾当台公園(7月22日、23日)に加えて、七ヶ浜町の菖蒲田海岸も会場に加わった(7月22日のみ)

出演タレント・アーティスト

  • アイドルネッサンス、あばれる君、あゆみくりかまき、アンテナ、Anly、いぎなり東北産、泉谷しげる、伊東洋平、ウルトラマンジード、AKB48 Team 8 東北メンバー、Official 髭男 dism、Carya、加藤登紀子、河口恭吾、KUDANZ、研ナオコ、ゴー☆ジャス、callme、小島よしお、近藤晃央×ダイスケ、坂本サトル、さくらしめじ、佐々木李子、サンドウィッチマン、C;ON(シーオン)、Juice=Juice、庄司恵子、SHOW-YA、ずん、関取花、竹森マサユキ(カラーボトル)、ティーナ・カリーナ、トータルテンボス、毒蝮三太夫、TOMOO、NOW ON AIR、NakamuraEmi、軟式globe。'13、ニードル、バイきんぐ西村、葉加瀬マイ、爆笑コメディアンズ、橋本裕太、林部智史、パンダライオン、Beverly、BB-8、FIVE NEW OLD、ファンキー加藤、BOYS AND MEN、宮川賢、ムーディ勝山、 矢井田瞳、山猿、ラックライフ、 玲里 with 難波弘之、渡邉幸愛(SUPER☆GiRLS)

2018年

  • 新しい学校のリーダーズ、いぎなり東北産、石井亮次(CBCアナウンサー)、伊東洋平、ウルトラマンR/Bショー、岡本真夜(mayo)、Official髭男dism、神宿、鍵盤男子、小島よしお、ゴー☆ジャス、callme、坂本サトル、サンドウィッチマン、J☆Dee'Z、Schroeder-Headz、庄司恵子、SUPER☆GiRLS、SUPER★DRAGON、菅原信介、鈴木愛理、ずん、ズンダ爆弾(ゆづき・せんじゅ・すみか)、セレイナ・アン、ぜんりょくボーイズ、竹森マサユキ(カラーボトル)、たんこぶちん、chay、ティーナ・カリーナ、トータルテンボス、毒蝮三太夫、ニードル、爆笑コメディアンズ、パクスプエラ、林部智史、THE BEAT GARDEN、ファンキー加藤BRADIO、FlowBack、BOYS AND MEN(田中俊介・田村侑久・辻本達規・小林豊)、幹miki、宮川賢、M!LK、ムーディ勝山、村上佳佑、MONKEY MAJIK、山猿、UNIONE、玲里 with 難波弘之、わらふぢなるお/ゾフィー/あぁ~しらき/シオマリアッチ
  • 七ヶ浜(中止)

2019年

  • 浅野祥、足立佳奈、あばれる君、アンガールズ、いぎなり東北産、伊東洋平、イワイガワ、ウルトラマンタイガ、岡本真夜、Carya、開歌-かいか-、海蔵亮太、COLOR CREATION、CROWN POP、ゴー☆ジャス、kolme、小島よしお、坂本サトル、佐藤千亜妃、サンドウィッチマン、SHE'S、庄司恵子、SUPER☆GiRLS、鈴木愛理、スピラ・スピカ、THREE1989、ずん、ぜんりょくボーイズ、ソラシド、竹森マサユキ、チャラン・ポ・ランタン、DJ和、ティーナ・カリーナ、東京ホテイソン、トータルテンボス、毒蝮三太夫、永井真理子、新津由衣、ニードル、パクスプエラ、花*花、BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE、Baby Kiy、ポセイドン・石川、まるりとりゅうが、みきなつみ、Mr.シャチホコ、宮川賢、May J.、山猿、山寺宏一吉田凜音、Liho、ONEPIXCEL
  • 七ヶ浜
    • 浅野祥、あばれる君、泉谷しげる、Chuning Candy、小島よしお、ティーナ・カリーナ

2022年

iScream、浅野祥、伊東洋平、瑛人、AKB48、EOW、岡本優子、門松良祐川崎鷹也、熊谷育美、群青の世界、kolme、小島よしお[44]、坂本サトル、GENIC、竹森マサユキ、DJ KOO東京ホテイソンまなまる、幹miki、mihoro*、萌江、夢グループ(石田重廣(代表取締役社長)、保科有里、小牧勇太)、Ryu Matsuyama(solo)

2023年

いぎなり東北産、伊東洋平、海蔵亮太学芸大青春、門松良祐、坂本サトル、ZILLION千倉真理、ティーナ・カリーナ、DJ ASARI、ニードル、First selection、林部智史The BiscatsPimm's水森かおりみゆな、ムーディ勝山、MELOGAPPA、萌江、MONKEY MAJIK、Lienelロケット団ONE N' ONLY

放送

イベント当日は複数のテレビ・ラジオでの生放送あるいは番組収録が行なわれており、2016年(平成28年)には、東北放送のテレビ2番組、ラジオ14番組が開催期間中に公開放送・収録された[41][43][42]

2011年(平成23年)にはイベントにあわせて放送された『TBC32時間ラジオ〜Smile Again〜』内で、特別番組『サンドのぼんやり〜ぬラジオ』PART1、PART2が合わせて5時間半放送され[7]、好評を得て翌年以降も『サンドのぼんやり〜ぬラジオ』として毎年、開催初日の土曜日25時から27時にかけて2時間枠での放送を行なっていた[45][注 3]。2016年の放送をもって最終回[46]

脚注

注釈

出典

外部リンク