アレン・ジョンソン

アメリカの陸上競技選手 (1971 - )

アレン・ジョンソンAllen Kenneth Johnson, 1971年3月1日 - )は、アメリカ合衆国の陸上競技選手である。1996年アトランタオリンピック男子110メートルハードル金メダルを獲得した。ハードルなぎ倒し男の異名を持ち、倒して通過することを得意としている。彼自身、腿で引っ掛けて倒すことを意識しており、自分は最良の倒し方をしているとも話している。

アレン・ジョンソンPortal:陸上競技
アレン・ジョンソン(2007年)
選手情報
フルネームアレン・ケネス・ジョンソン
愛称ハードルなぎ倒し男
国籍アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
種目110メートルハードル
生年月日 (1971-03-01) 1971年3月1日(53歳)
生誕地アメリカ合衆国ワシントンD.C.
居住地アメリカ合衆国サウスカロライナ州
身長178cm
体重75kg
自己ベスト110mH : 12秒92(1996年)
獲得メダル
陸上競技
オリンピック
1996 アトランタ110mハードル
世界選手権
1995 イェーテボリ110mハードル
1997 アテネ110mハードル
2001 エドモントン110mハードル
2003 パリ110mハードル
2005 ヘルシンキ110mハードル
世界室内選手権
1995 バルセロナ60mハードル
2003 バーミンガム60mハードル
2004 ブダペスト60mハードル
2008 バレンシア60mハードル
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2005年世界選手権でハードルをなぎ倒すジョンソン(右)

経歴

ワシントンD.C.に生まれ、ノースカロライナ大学に通っていたジョンソンは万能選手であり、走高跳走幅跳十種競技でも専門種目であるハードルに近い実力を持っていた。在学中の1992年NCAAの室内陸上競技選手権大会の55メートルハードルにおいて優勝している。

1995年から1997年にかけて、ジョンソンは男子110mハードルを席巻する記録を残した。1995年2月、それまで110mハードルで44連勝中だったコリン・ジャクソン(イギリス、当時の世界記録保持者)を破って注目を集めた。勢いそのまま、3月の世界室内選手権60メートルハードルを7秒39の大会新記録(当時)で制すると、その年の世界選手権でも、トニー・ジャレット(イギリス)、ロジャー・キングダム(アメリカ)といった強豪を抑えて優勝した。更に同年、自己記録を12秒98まで伸ばしている。1996年には、6月の全米選手権で当時世界歴代2位となる12秒92をマークすると、地元開催のアトランタオリンピックでも2位に大差をつけ、12秒95のオリンピック新記録(当時)で優勝。8月には2度目の12秒92をマークするなど、この年だけで3度の12秒台を記録した[1]。1997年には、世界選手権でのコリン・ジャクソンとの対決が注目されたが、ジョンソンが難なく勝利し、2連覇を達成した。

1999年2000年には故障に悩まされた。1999年世界選手権では、2次予選4位と辛うじての通過であったが、準決勝を棄権。2000年シドニーオリンピック決勝ではハードルを全台なぎ倒し、4着でフィニッシュし、メダル獲得を逃した。ハードルを倒した台数には満足したが、結果には不満足であった。

2001年となり、ジョンソン自身の30歳という年齢、アニエル・ガルシアキューバ)やテレンス・トランメル(アメリカ)といった若手の台頭などから、ジョンソンの限界説が囁かれるようになった。しかし、この年からジョンソンは、かつての強さを取り戻すかのような結果を残している。2001年世界選手権グッドウィルゲームズでは、ガルシアとの直接対決に続けて勝利した。2003年世界選手権において、2連覇を達成するとともに、世界選手権4回目の優勝を果たした。これにより、グレッグ・フォスター(アメリカ)が保持していた最多優勝回数を上回った。また、世界室内選手権でも2003年2004年と2連覇。特に2004年大会では、当時33歳にして60メートルハードルで7秒36の自己ベストをマークし、大会記録をも更新した。この快進撃から、アテネオリンピック金メダルの大本命であったが、2次予選でハードルにつまずきフィニッシュできず、決勝へ進めなかった。

2006年、35歳になったジョンソンは、IAAF陸上ワールドカップにおいて、劉翔中国)、ダイロン・ロブレス(キューバ)らを破り、12秒96を記録して優勝。この記録はマスターズ世界記録(M 35)である[2]。更に2008年には世界室内選手権で銀メダルを獲得している。ジョンソンは、110メートルハードルにおいて12秒台の記録を11回マークしており、これは史上最多である[3]2010年7月に競技から引退した。

自己ベスト

種目記録風速場所日付備考
60m6秒62(室内)マドリードスペイン1998年2月3日
100m10秒41-0.2m/sローリーアメリカ合衆国1999年6月12日
200m20秒26+1.9m/sストックホルムスウェーデン1997年7月7日
400m47秒92-マイアミアメリカ合衆国1999年3月13日
60mハードル7秒36(室内)ブダペストハンガリー2004年3月6日世界歴代4位
110mハードル12秒92+0.9m/sアトランタアメリカ合衆国1996年6月23日世界歴代8位
12秒92+0.2m/sブリュッセルベルギー1996年8月23日
走幅跳8m14(室内)ジョンソンシティアメリカ合衆国1993年2月19日

主な成績

大会場所種目結果記録備考
1994IAAF陸上ワールドカップロンドンイギリス110mH2位13秒29
1995世界室内選手権バルセロナスペイン60mH1位7秒39大会新記録
1995世界選手権イェーテボリスウェーデン110mH1位13秒00
1995IAAFグランプリファイナルモンテカルロモナコ110mH2位13秒09
1996オリンピックアトランタアメリカ合衆国110mH1位12秒95五輪新記録
1997世界選手権アテネギリシャ110mH1位12秒93
1998グッドウィルゲームズニューヨークアメリカ合衆国110mH2位13秒10
2000オリンピックシドニーオーストラリア110mH4位13秒23
2001世界選手権エドモントンカナダ110mH1位13秒04
2001グッドウィルゲームズブリスベンオーストラリア110mH1位13秒16
2001IAAFグランプリファイナルメルボルンオーストラリア110mH2位13秒28
2002IAAF陸上ワールドカップマドリードスペイン110mH2位13秒45
2003世界室内選手権バーミンガムイギリス60mH1位7秒47
2003世界選手権パリフランス110mH1位13秒12
2003IAAFワールドアスレチックファイナルモンテカルロモナコ110mH1位13秒11
2004世界室内選手権ブダペストハンガリー60mH1位7秒36大会新記録
2004IAAFワールドアスレチックファイナルモンテカルロモナコ110mH1位13秒16
2005世界選手権ヘルシンキフィンランド110mH3位13秒10
2005IAAFワールドアスレチックファイナルモンテカルロモナコ110mH1位13秒09
2006IAAFワールドアスレチックファイナルシュトゥットガルトドイツ110mH3位13秒01
2006IAAF陸上ワールドカップアテネギリシャ110mH1位12秒96大会新記録
2007IAAFワールドアスレチックファイナルシュトゥットガルトドイツ110mH6位13秒36
2008世界室内選手権バレンシアスペイン60mH2位7秒55

脚注

外部リンク