キャサリン (プリンセス・オブ・ウェールズ)
ウェールズ公妃キャサリン(Catherine, Princess of Wales、1982年1月9日 - )は、イギリスの王族。ウェールズ公ウィリアムの妃(ウェールズ公妃(プリンセス・オブ・ウェールズ))。敬称は妃殿下(Her Royal Highness)。旧名は、キャサリン・エリザベス・ミドルトン(Catherine Elizabeth Middleton)。
キャサリン Catherine | |
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ウェールズ公妃 | |
2023年5月、英国バッキンガム宮殿にて | |
在位 | 2022年9月9日 - 在位中 |
全名 | Catherine Elizabeth Middleton[1] キャサリン・エリザベス・ミドルトン[要出典] |
称号 | ウェールズ公妃(プリンセス・オブ・ウェールズ) コーンウォール公爵夫人 ケンブリッジ公爵夫人 ロスシー公爵夫人 チェスター伯爵夫人 ストラザーン伯爵夫人 キャリクファーガス男爵夫人 |
身位 | Crown Princess(皇太子妃) |
敬称 | Her Royal Highness(妃殿下) |
出生 | 1982年1月9日(42歳) イギリス イングランド、レディング、王立バークシャー病院 |
配偶者 | ウェールズ公ウィリアム王太子 |
子女 | ジョージ シャーロット ルイ |
父親 | マイケル・フランシス・ミドルトン |
母親 | キャロル・エリザベス・ミドルトン |
宗教 | 聖公会 |
イギリス王室 |
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「ケイト」はキャサリンの愛称(短縮形)であるが、ウィリアムの恋人としてメディアに取り上げられるまで、家族や友人からケイトと呼ばれたことはなかった[2]。
日本においては主に「キャサリン皇太子妃」もしくは「キャサリン妃」と呼称される。
略歴
生い立ち
1982年1月9日、バークシャー州レディングの王立バークシャー病院で生まれた。父のマイケル・フランシス・ミドルトン(1949年6月23日生)はブリティッシュ・エアウェイズのディスパッチャーとして、母のキャロル・エリザベス・ミドルトン(旧姓:ゴールドスミス、1955年1月31日生)は客室乗務員として勤務していた際に2人は出会い[3]、バッキンガムシャーのドーニー教区教会で1980年6月21日に結婚した。
マイケルの父はパイロット、その先は数代にわたってリーズの事務弁護士であり中流階級に属していた。母方の祖父母はそれぞれ工員と炭鉱夫の家系で労働者階級に属していた[4]。そのために、ウィリアムとの結婚では誇張気味に「炭坑から王室へ」などと報じられた[5]。叔父は、ITリクルートメントの大富豪ゲーリー・ゴールドスミス(Gary Goldsmith)。
ブリティッシュ・エアウェイズを退職したミドルトン夫妻は1987年に玩具・パーティー用品の通信販売会社「パーティ・ピーシーズ」を設立した[6]。会社は成功をおさめ、一家は富豪となった[7] 。キャサリンの兄弟にはフィリッパ・シャーロット(ピッパ・ミドルトン)(1983年生)[8]、ジェームズ・ウィリアム・ミドルトン(1987年生)がいる[9]。妹のピッパ(エディンバラ大学卒業生)もキャサリンとの関係と彼女自身のライフスタイルへの関心からプレス報道を受けた[10]。
キャサリンはバークシャーで育ち[11]、マールボロ・カレッジを卒業した後セント・アンドルーズ大学に入学した。大学で美術史の学位を取得後、ファッションブランド「ジグソー」のアクセサリー部門のバイヤーをしていたが、2007年に写真家になるためにその職を辞めたと報じられた[12]。
ウィリアム王子との交際
セント・アンドルーズ大学で、学友としてウィリアム王子と知り合う[13][14]。大学内で開かれたファッションショーにモデルとして出演したキャサリンにウィリアムが一目惚れし、ルームメイトだったこともあり、親しく交際が始まった。在学中に他の友人も交えた共同生活で絆を深めた[15]。
長期間にわたり交際の噂はあったものの、2人の関係が公になったのは2004年頃で、ウィンザー家毎年恒例のスキー旅行にキャサリンが同行したことで、「未来のプリンセス」として取り上げられた[15]。
2007年1月ごろ、イギリスのメディアが、キャサリンの誕生日の9日にウィリアムがプロポーズし婚約する、という報道を行った。この頃から報道合戦が過熱し、パパラッチが問題視され、報道規制がかけられる事態となった[16]。
2007年4月14日、英大衆紙「サン」はウィリアムとキャサリンの関係が突如破局したと報じた[17]。理由に関しては定かではないが、BBCの王室担当記者は「2人の仲は問題はないように思えたので驚きだ」と語り、「王子は結婚はまだ早すぎると話していたが、王子の決断というよりは2人で合意したことだろう」と指摘した。一部メディアは破局の一因としてパパラッチの問題や[18]、中流階級であるキャサリンおよびキャサリンの母親の言動を挙げ、階級差を指摘し王室に相応しくないと報じるマスコミの存在を指摘している[15]。
英大衆紙『News of the World』は、エリザベス女王が「(結婚の意思がないのなら)急ぐべきでない。ダイアナ元王太子妃の二の舞になることを望んでいない。」とウィリアムに対し忠告したと報じている。
2007年6月24日付けの英大衆紙「メール・オン・サンデー」がウィリアム王子との復縁を報じる[19]。7月1日に行われたウィリアムとヘンリー王子主催のダイアナ妃の追悼コンサートに姿を見せた[20]。既に同棲しており2009年には結婚、と伝えるメディアもあるが[16]、公式には復縁の発表はなかった[15]。
2010年10月、2人は旅行先のケニアで婚約し、11月16日、王室より正式に公表された。婚約指輪はダイアナ元妃のものであった。
結婚式
挙式は2011年4月29日にウェストミンスター寺院で行われ、YouTubeでもライブ配信された[21]。花嫁の付き添い人(メイド・オブ・オナー)を務めたのは、妹のピッパ・ミドルトンである[22]。結婚式当日は公休となり、夜にはバッキンガム宮殿で祖母エリザベス女王主催のパーティーが開かれ、各国から王室関係者や著名人などが参加した。日本からも当時の皇太子徳仁親王・同妃夫妻が出席する予定であったが、東日本大震災の影響によって取り止めとなった[23]。
キャサリンが着用したウェディングドレスは、アレキサンダー・マックイーンのサラ・バートンがデザインした[24]。ティアラはエリザベス女王が18歳の誕生日のときに父ジョージ6世から送られたもので、1936年にカルティエがデザインしている。
なお、結婚式で凱旋した馬車は1902年製のもので、ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式以前では1981年に王子の両親であるチャールズ3世とダイアナがこの馬車を使用した。その他のイギリス王室結婚式では1986年にもアンドルー王子とセーラもこの馬車を使用している。
イギリス王室の王位継承権を保持する人物が一般家庭出身の女性を妃に娶った例は、1660年にジェームス2世と、庶子から大法官にまで出世したエドワード・ハイド(後のクラレンドン伯爵)の娘であるアン・ハイドとの結婚以来、実に351年ぶりの出来事である[24]。
懐妊と出産
2012年12月3日、イギリス王室がキャサリンが懐妊したことを発表[25]。この一報にはデーヴィッド・キャメロン首相もTwitterで祝意を寄せた[25]。
2013年7月22日16時24分(日本時間:7月23日0時24分)、キャサリンはロンドン市内のセント・メアリー病院にて第1子となる長男ジョージを出産[26]。ジョージは父のウィリアムに次ぐイギリス国王継承第2位である[26][27]。
2014年9月8日、ケンジントン宮殿より、キャサリンが第2子を懐妊中であることが発表された[28]。
2015年5月2日8時34分(日本時間:2日16時24分)、セント・メアリー病院にて第2子となる長女を出産。長女には「プリンセス」の称号と「殿下(HRH)」の敬称が与えられ、5月4日には「シャーロット・エリザベス・ダイアナ」と命名された。結果、Her Royal Highness Princess Charlotte of Cambridge(シャーロット・オブ・ケンブリッジ王女殿下)のように呼ばれることとなる[29]。王位継承順位は父ウィリアム王子、兄ジョージ王子に次ぐ3位である[30]。
2017年9月4日、第3子を懐妊したことが公表された[31]。翌年2018年3月から産休に入り4月23日に第3子となる男の子を出産した。同月27日ルイ・アーサー・チャールズと命名された。称号の「王子」、敬称の「殿下」と合わせて「ルイ・アーサー・チャールズ・オブ・ケンブリッジ王子殿下」。
ファッション
キャサリンは結婚前から服装などのファッションが注目され、アイコン的な存在となった。同年代のヨーロッパ王室の王女、妃であるスウェーデンのマデレーン王女やモナコのシャルレーヌ公妃などとともにファッション雑誌にしばしば取り上げられる。
結婚前のエピソード
称号
- 1982年1月9日 – 2011年4月29日: Miss Catherine Elizabeth Middleton(ミス・キャサリン・エリザベス・ミドルトン)
- 2011年4月29日 – 2022年9月8日: Her Royal Highness The Duchess of Cambridge[33](ケンブリッジ公爵夫人殿下)
- 2022年9月8日 – 2022年9月9日: Her Royal Highness The Duchess of Cornwall and Cambridge[36] (コーンウォールとケンブリッジ公爵夫人殿下)
- 2022年9月9日 - 現在: Her Royal Highness The Princess of Wales[36](プリンセス・オブ・ウェールズ殿下)
紋章
2011年4月19日、結婚を控え、ミドルトン家の3人の子供に新たに紋章が付与された[37]。青色のリボンは未婚の女性であることを示している。キャサリンの弟のジェームズは自分の子孫にこの紋章を継承することができる。結婚後はこの紋章とウィリアム王子の紋章を組み合わせた新たな紋章が作られ、キャサリンの紋章となった。
日本語伝記
- 『プリンセス・ケイト 英国王室への道』 中央公論新社、2011年1月 - ISBN 978-4123902908
クラウディア・ジョセフ/菊池由美・島田楓子・高橋美江・スコジ泉共訳
脚注
関連項目
- 上皇后美智子、ミッチー・ブーム
- ソニア (ノルウェー王妃)
- キャサリン同様、民間から皇室・王室に入った。
外部リンク
- The Duchess of Cambridge イギリス王室公式ウェブサイト
- The Duchess of Cambridge profile
- The Duke and Duchess of Cambridge News and Diary, Life in Pictures, Focus, The Duke of Cambridge, The Duchess of Cambridge, For Children
- 図書館にあるKate Middletonに関係する蔵書一覧 - WorldCatカタログ
- "Kate Middletonの関連記事". ガーディアン (英語).
- Cracroft's Peerage – Catherine Middleton
- The Ancestry of H.R.H. Catherine, Duchess of Cambridge, by Anthony Adolph
- Catherine, Duchess of Cambridge - IMDb(英語)
- BBC profile
- Kate Middleton Photo Gallery
- Press plea for privacy
- What next for the OTHER (less grumpy) love birds?
- Kate Middleton: Her Royal Shyness 2005年10月23日
- Love nest photos rile William 2005年12月12日
- Leeds Today article about Middleton family ancestry
- Kate, the coalminer's girl
- パーティ・ピーシーズ
イギリスの儀礼席次 | ||
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先代 プリンセス・ロイヤル・アン王女殿下 | 婦人 ウェールズ公妃殿下 HRH The Princess of Wales | 次代 オータム・フィリップス |
イギリスの爵位 | ||
先代 カミラ・シャンド | ウェールズ公妃 2022年 - | 次代 - |
先代 カミラ・シャンド | コーンウォール公爵夫人 2022年 - | 次代 - |
先代 カミラ・シャンド | ロスシー公爵夫人 2022年 - | 次代 - |
先代 サラ・フェアブラザー | ケンブリッジ公爵夫人 2011年 - | 次代 - |
名誉職 | ||
先代 エディンバラ公爵フィリップ王配殿下 空軍総司令官 | イギリス空軍航空隊名誉司令官 2015年 – | 現職 |