夏至

北半球において、一年のうちで最も昼の時間が長くなる日

夏至(げし、: summer solstice)は、二十四節気の第10。北半球ではこのが1年のうちで最も日の出から日没まで)の時間が長い。南半球では、北半球の夏至の日に最も昼の時間が短くなる(#天文も参照)。日本における旧暦5月内に発生する。

夏至の日の太陽光の当たり方。夏至では太陽は北回帰線上にあるため、北半球では昼が最も長く、夜が最も短い

現在広まっている定気法では太陽黄経90度のとき(黄道十二宮では巨蟹宮の原点に相当)で6月21日ごろ。ではそれが起こる日だが、天文学ではその瞬間を夏至とし、それを含む日を夏至日(げしび)と呼ぶ。平気法では冬至から1/2(約182.62日)後で6月22日ごろ。期間としての意味もあり、この日から次の節気の小暑前日までである。

季節

日本の大部分では梅雨の最中。北半球では1年中で一番が長くが短い日である(南半球では逆転する)。

暦便覧』には「陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以てなり」と記されている。

日付

定気法による夏至の瞬間(世界時、UT)と、日本中国での夏至日の日付は表のとおり。日本における時刻はこの表の9時間後[1][2]、中国では8時間後となり、世界時15時台の2国の日付は異なる。

日時 (UT)日本中国
1966年6月21日20:336月22日6月22日
1967年6月22日02:236月22日6月22日
1968年6月21日08:136月21日6月21日
1969年6月21日13:556月21日6月21日
1970年6月21日19:436月22日6月22日
1971年6月22日01:206月22日6月22日
1972年6月21日07:066月21日6月21日
1973年6月21日13:016月21日6月21日
1974年6月21日18:386月22日6月22日
1975年6月22日00:266月22日6月22日
1976年6月21日06:246月21日6月21日
1977年6月21日12:146月21日6月21日
1978年6月21日18:106月22日6月22日
1979年6月21日23:566月22日6月22日
1980年6月21日05:476月21日6月21日
1981年6月21日11:456月21日6月21日
1982年6月21日17:236月22日6月22日
1983年6月21日23:096月22日6月22日
1984年6月21日05:026月21日6月21日
1985年6月21日10:446月21日6月21日
1986年6月21日16:306月22日6月22日
1987年6月21日22:116月22日6月22日
1988年6月21日03:576月21日6月21日
1989年6月21日09:536月21日6月21日
1990年6月21日15:336月22日6月21日
1991年6月21日21:196月22日6月22日
1992年6月21日03:146月21日6月21日
1993年6月21日09:006月21日6月21日
1994年6月21日14:486月21日6月21日
1995年6月21日20:346月22日6月22日
1996年6月21日02:246月21日6月21日
1997年6月21日08:206月21日6月21日
1998年6月21日14:036月21日6月21日
1999年6月21日19:496月22日6月22日
2000年6月21日01:486月21日6月21日
2001年6月21日07:386月21日6月21日
2002年6月21日13:246月21日6月21日
2003年6月21日19:106月22日6月22日
2004年6月21日00:576月21日6月21日
2005年6月21日06:466月21日6月21日
2006年6月21日12:266月21日6月21日
2007年6月21日18:066月22日6月22日
2008年6月20日23:596月21日6月21日
2009年6月21日05:466月21日6月21日
2010年6月21日11:286月21日6月21日
2011年6月21日17:166月22日6月22日
2012年6月20日23:096月21日6月21日
2013年6月21日05:046月21日6月21日
2014年6月21日10:516月21日6月21日
2015年6月21日16:386月22日6月22日
2016年6月20日22:346月21日6月21日
2017年6月21日04:246月21日6月21日
2018年6月21日10:076月21日6月21日
2019年6月21日15:546月22日6月21日
2020年6月20日21:436月21日6月21日
2021年6月21日03:326月21日6月21日
2022年6月21日09:146月21日6月21日
2023年6月21日14:586月21日6月21日
2024年6月20日20:516月21日6月21日
2025年6月21日02:416月21日6月21日
2026年6月21日08:246月21日6月21日
2027年6月21日14:106月21日6月21日
2028年6月20日20:016月21日6月21日
2029年6月21日01:476月21日6月21日
2030年6月21日07:306月21日6月21日
2031年6月21日13:166月21日6月21日
2032年6月20日19:076月21日6月21日
2033年6月21日01:006月21日6月21日
2034年6月21日06:436月21日6月21日
2035年6月21日12:326月21日6月21日
2036年6月20日18:316月21日6月21日
2037年6月21日00:216月21日6月21日
2038年6月21日06:086月21日6月21日
2039年6月21日11:566月21日6月21日
2040年6月20日17:456月21日6月21日
2041年6月20日23:346月21日6月21日
2042年6月21日05:146月21日6月21日
2043年6月21日10:576月21日6月21日
2044年6月20日16:506月21日6月21日
2045年6月20日22:326月21日6月21日
2046年6月21日04:136月21日6月21日
2047年6月21日10:026月21日6月21日
2048年6月20日15:526月21日6月20日
2049年6月20日21:466月21日6月21日
2050年6月21日03:316月21日6月21日
2051年6月21日09:176月21日6月21日
2052年6月20日15:156月21日6月20日
2053年6月20日21:036月21日6月21日
2054年6月21日02:466月21日6月21日
2055年6月21日08:386月21日6月21日
2056年6月20日14:276月20日6月20日
2057年6月20日20:176月21日6月21日
2058年6月21日02:026月21日6月21日
2059年6月21日07:466月21日6月21日
2060年6月20日13:446月20日6月20日

グレゴリオ暦

グレゴリオ暦による17世紀から24世紀までの日本の夏至は表のとおり[3][4][5]

2024年の夏至は6月21日[更新]

365日からの超過分が毎年蓄積し、4年に一度閏年でリセットされる様子がわかる(夏至は閏日の挿入される2月末日より後のため、4で割り切れる年が先頭)。1904年 - 2055年には6月21日6月22日だが、1903年(過去に1度のみ)は6月23日で、2056年からは6月20日もある。

年を4で割った余り確定困難な(日を跨ぐ)年
0123真夜中の前後10分
1583年 - 1603年21日22日22日22日
1604年 - 1635年21日21日22日22日1605(21-22日),
1636年 - 1663年21日21日21日22日
1664年 - 1695年21日21日21日21日
1696年 - 1699年20日21日21日21日
1700年 - 1723年21日22日22日22日
1724年 - 1755年21日21日22日22日1725(21-22日), 1754(21-22日),
1756年 - 1783年21日21日21日22日
1784年 - 1799年21日21日21日21日
1800年 - 1815年22日22日22日22日
1816年 - 1843年21日22日22日22日
1844年 - 1875年21日21日22日22日1874(21-22日),
1876年 - 1899年21日21日21日22日
1900年 - 1903年22日22日22日23日1903(22-23日),
1904年 - 1935年22日22日22日22日
1936年 - 1963年21日22日22日22日
1964年 - 1991年21日21日22日22日1965(21-22日),
1992年 - 2019年21日21日21日22日
2020年 - 2055年21日21日21日21日2023(21-22日),
2056年 - 2083年20日21日21日21日
2084年 - 2099年20日20日21日21日
2100年 - 2111年21日21日22日22日
2112年 - 2139年21日21日21日22日
2140年 - 2175年21日21日21日21日2172(20-21日),
2176年 - 2199年20日21日21日21日
2200年 - 2203年21日22日22日22日2201(21-22日),
2204年 - 2231年21日21日22日22日
2232年 - 2259年21日21日21日22日
2260年 - 2291年21日21日21日21日2263(21-22日),
2292年 - 2299年20日21日21日21日
2300年 - 2319年21日22日22日22日
2320年 - 2351年21日21日22日22日2321(21-22日), 2350(21-22日),
2352年 - 2379年21日21日21日22日
2380年 - 2399年21日21日21日21日

天文

太陽の動き

春分から秋分までの間、北半球では太陽は真東からやや北寄りの方角から上り、真西からやや北寄りの方角に沈む。夏至の日にはこの日の出(日出)・日の入り(日没)の方角が最も北寄りになる。また、北回帰線上の観測者から見ると、夏至の日の太陽は正午に天頂を通過する。夏至の日には北緯66.6度以北の北極圏全域で白夜となり、南緯66.6度以南の南極圏全域で極夜となる。

なお、1年で日の出の時刻が最も早い日および日の入りの時刻が最も遅い日それぞれと、夏至の日は一致しない。日本では、日の出が最も早い日は夏至の1週間前ごろであり、日の入りが最も遅い日は夏至の1週間後ごろである。

また、南半球では昼と夜の長さの関係が北半球と逆転するため、天文学的な夏至とは別に、慣習的に「1年中で一番が長くが短い日」のことを夏至と呼ぶことがある。すなわち、南半球が慣習的な意味での夏至を迎える日は天文学上は冬至の日に当たる。

風習

北半球では、性欲をかきたてる日とされており、スウェーデン民俗学者によると、夏至を祝うミッドサマーの祝日から9ヶ月後に生まれる子供が多いという。ギリシャ北部では、未婚女性がイチジクの木の下に自分の持ち物を置くと、夏至の魔法により将来の夫の夢を見るという伝承がある。ポーランドではスラブ民族の祝日、「イワン・クパラの日」の夜には、人々が恋に落ちるという言い伝えがある。イギリスストーンヘンジでの夏至祭りは、ドルイド教に由来し、男性神、女性神の出会いを祝う意味があると言われている[6]シェイクスピア夏の夜の夢もこういった恋に狂乱する人々をテーマにしている。

日本では、夏至は農作業が最も忙しい時期であることもあり、全国的な風習はないようである。ただし、地域ごとの風習としては次のようなものがある。

  • 静岡県では、冬瓜を食べる風習がある。
  • 新小麦で焼餅をつくり神に供える風習がある。豊作を祈願するもので、田作を手伝ってくれる近所に配る場合もあり、関東で多いが島根県熊本県でも同様の行事が行われる。

七十二候

夏至の期間の七十二候は以下のとおり。

初候
乃東枯(ないとう かるる)
夏枯草が枯れる(日本)
鹿角解(しかの つの おつ)
鹿が角を落とす(中国)
次候
菖蒲華(しょうぶ はなさく)
あやめの花が咲く(日本)
蜩始鳴(せみ はじめて なく)
が鳴き始める(中国)
末候
半夏生(はんげ しょうず)
烏柄杓が生える(日本・中国)

前後の節気

芒種夏至小暑

脚注

関連項目

外部リンク