春日部駅

埼玉県春日部市粕壁にある東武鉄道の駅

春日部駅(かすかべえき)は、埼玉県春日部市粕壁一丁目にある、東武鉄道である。

春日部駅
東口旧駅舎(2022年5月)
かすかべ
Kasukabe
地図
所在地埼玉県春日部市粕壁一丁目10-1
北緯35度58分47.98秒 東経139度45分8.59秒 / 北緯35.9799944度 東経139.7523861度 / 35.9799944; 139.7523861 東経139度45分8.59秒 / 北緯35.9799944度 東経139.7523861度 / 35.9799944; 139.7523861
所属事業者東武鉄道
電報略号カス
駅構造地上駅
ホーム3面5線
乗降人員
-統計年度-
[東武 1]61,279人/日
-2022年-
開業年月日1899年明治32年)8月27日
乗入路線 2 路線
所属路線伊勢崎線(東武スカイツリーライン)
駅番号TS27
キロ程35.3 km(浅草起点)
TS 26 一ノ割 (2.3 km)
(1.5 km) 北春日部 TS 28
所属路線野田線(東武アーバンパークライン)
駅番号TD10
キロ程15.2 km(大宮起点)
TD 09 八木崎 (1.1 km)
(2.6 km) 藤の牛島 TD 11
備考1949年に粕壁駅から改称
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西口駅舎(2012年7月)

伊勢崎線(「東武スカイツリーライン」の愛称区間に含まれる)と野田線(愛称「東武アーバンパークライン」)が交差し、接続駅となっている。

駅番号は両線個別に与えられており、東武スカイツリーラインはTS 27、東武アーバンパークラインはTD 10となっている[注釈 1]

歴史

駅構造

単式ホーム・島式ホーム3面5線を有する地上駅で、東口・西口それぞれに駅舎と改札口がある。駅舎と各ホームは南・北2本の跨線橋で連絡しているが、東西の自由通路のような機能はない。

構内には貨物営業を行っていた時の名残で側線があり、回送列車の待避などに使用されている。この側線には2番線と5番線という運転番線が割り振られている。なお、6番線は現在は欠番となっている(後述)。

のりば

番線路線方向行先
1 東武スカイツリーライン(伊勢崎線)上り新越谷北千住とうきょうスカイツリー浅草
日比谷線 中目黒 半蔵門線 渋谷 東急田園都市線 中央林間方面
3下り東武動物公園 伊勢崎線 館林
日光線 南栗橋東武日光 鬼怒川線 鬼怒川温泉方面
4東武動物公園・ 伊勢崎線 館林・ 日光線 南栗橋方面
7 東武アーバンパークライン(野田線)下り方面[10]
8上り大宮方面[10]
  • 上記の路線名は旅客案内上の名称(「東武スカイツリーライン」、「東武アーバンパークライン」は愛称)で表記している。

伊勢崎線(東武スカイツリーライン)

  • 当駅に停車する特急は、駅員が乗車時に特急券を確認するため、2号車・5号車のドアのみ開閉する(ドアカット)。
  • 1番線のホームは「りょうもう」を除くすべての上り列車が発着するため、乗車位置表示が細かく区分されている。
  • 2番線はホームがなく、上り回送列車の待避線としてのみ使用される。
  • 4番線は主に下り列車の待避に使われるが、浅草・東武動物公園方面双方の渡り線を使用しての折り返しも可能。野田線の大宮・柏方面双方の線路と連結していることから、特急「アーバンパークライナー」も使用していた。
  • 5番線はホームがない留置線だが、線路の機能は4番線と同一。
  • 臨時特急「スカイツリートレイン」は、太田発の2号は当駅を通過し、日光線方面発着の1・3・6・8号は停車していた。
  • 朝通勤時に当駅始発の準急(現行の区間急行)列車が設定されていたが、2003年3月19日のダイヤ改正で廃止された。その後、2009年6月6日のダイヤ改正で当駅始発の区間急行が土休日の朝に再設定され、2013年3月16日のダイヤ改正で平日夜間に変更されたが、2017年4月21日のダイヤ改正で再び廃止された。なお、特急は朝4本(うち春日部6:07発のスカイツリーライナー4号の1本は土曜・休日ダイヤのみ運転)が始発、夜は4本(うち浅草18:49発の特急スカイツリーライナー1号春日部行きは土曜・休日ダイヤのみ運転)が終着になる。
  • 日比谷線直通電車では、2020年6月6日に有料座席指定列車「THライナー」の運転を開始し、当駅も停車駅となった。なお当駅では朝の恵比寿行きが乗車のみ、夕方以降の久喜行きは降車のみ取り扱いとなり、東武スカイツリーライン・伊勢崎線内のみの乗車はできない。
  • 高架化工事前の旧東口改札は1番線ホームに直結していた。上り方面にトイレ、下り方面に売店があり、かつてはカフェも併設されていた。駅舎に隣接して集約定期券売り場、東武トップツアーズ特急券自動券売機が設置されていた。

野田線(東武アーバンパークライン)

野田線ホームの立ち食いラーメン店
  • 野田線は大宮から当駅までが複線、当駅から運河駅までが単線である(南桜井駅付近・梅郷駅付近は駅構内を延長)。上下線は柏寄りで合流し、一度伊勢崎線から分かれて盛り土を上り、伊勢崎線をまたぐ。伊勢崎線と分かれる地点に3本の電留線と保守車両留置線がある。
  • 東岩槻駅 - 当駅間の複線化工事の際に、ホームを大宮寄りに50メートルほど延伸し、柏寄りの50メートルほどを廃止して、柏寄りの上下線間に2本の留置線が新設された。これを使い、急行運転時間帯に大宮 - 当駅間の区間列車が設定されているほか、下りの柏行(2016年3月26日のダイヤ改正以前は船橋行)初電も当駅始発となる。
  • かつてはホームが現行より狭く、旧7番線の線路を撤去して電留線であった旧6番線の線路までホームを拡張したが、ホーム番号は今まで通り7・8番線とした。6番線が欠番となっているのはこのためである。
  • 8番線のさらに西側に留置線が1線あったが廃止され、跡地は南側跨線橋の西口への接続のため転用された。
  • ホームには「東武らーめん」と称する立ち食いラーメン店と売店、トイレがある。
  • 浅草発の特急「アーバンパークライナー1号」は4番線に発着していた。

配線図

東武鉄道 春日部駅 鉄道配線略図
岩槻大宮 方面

新越谷北千住
浅草押上
中央林間 方面

東武動物公園
日光鬼怒川
久喜 方面
野田市流山おおたかの
 ・船橋 方面
凡例
出典:* [11][12]


発車メロディ

全ホームで、当駅がある春日部市を舞台にしたアニメ『クレヨンしんちゃん』の代表曲である「オラはにんきもの」が鳴動する。

高架化事業

西口駅前にある早期立体化を求める看板

東武鉄道では春日部駅利用者の利便性向上のため、各ホームへのエレベーターの新設[13]、浅草方跨線橋の西口改札連絡通路の新設などの改良を行ってきた。しかし、乗降人員だけで約7万人の利用があり、さらに伊勢崎線と野田線の乗り換え客が約6万人ほど加わるので、1日の駅の利用者は約13万人にも上り、構内は手狭である。

また、春日部市は中心市街地が伊勢崎線・野田線により分断された状況を解消するため、長年に渡り春日部駅の高架化を要望してきた。歩行者や自転車は駅舎に自由通路がないため、駅から約200メートル東方にある富士見町地下道を通って行き来し、車は約400メートル東方の内谷陸橋か、約200m西方の伊勢崎線第124号踏切(埼玉県道2号さいたま春日部線)を使用せざるを得ない。地下横断歩道はバリアフリー仕様ではないため、駅付近で車椅子、ベビーカーが通行可能なのは、第124号踏切の1か所のみである。当該踏切は地元では「大踏切」と呼ばれ、埼玉県内でも有数の開かずの踏切として有名である。ピーク1時間あたりの踏切遮断時間は約57分で、県内最長である[広報 12]。そのため、高齢者身体障害者などに配慮して、春日部市により、入場券や定期入場券購入費用の補助制度も設けられている[広報 13]。西口駅前・東口駅前広場には早期高架化を求める看板が立っている[広報 14]

2005年度に県事業の国庫補助事業である連続立体交差事業の着工準備採択を受けた。当初計画では内谷陸橋の東側まで高架化される予定だったが、事業期間と事業費の圧縮を図り工事期間中の影響を最小限に抑えるため、2009年度に事業計画を見直して内谷陸橋より西側を高架区間とした。また、当初計画では伊勢崎線上りホームを発着する線路が1線から2線に増加し、伊勢崎線が2面4線、野田線が1面2線の計3面6線となる予定であったが、2016年11月に東武鉄道から輸送改善計画が示され、野田線のホームを2面4線とした計4面8線となる予定に改められた[広報 15]。2018年度に説明会および公聴会が春日部市で開催され、第237回埼玉県都市計画審議会を経て2019年3月8日に都市計画決定。そして2019年12月に都市計画事業認可の告示がなされた[広報 16][広報 17]

順序としては、まず東口改札付近に仮のホームと線路を作り、伊勢崎線上り線を移設。その後同下り線と野田線を順次東口側に移動させ、西口側から既存線路の撤去・高架建設を行う[14]

これにより、東口側では伊勢崎線上りの仮線を通すスペース確保のため、駅舎とその周辺の建物は撤去されることとなり、まず2020年11月に春日部駅東口交番の移転工事が着工[広報 18]。駅舎隣接のテナントビル2棟も2021年と2022年に解体撤去された[15][16][17]

2023年2月4日より、東口は仮駅舎に移転した[広報 11][14]。伊勢崎線上り線の仮線の設置に支障となるため2021年度から移設工事が進められてきた富士見町地下道の東口側出入口も工事が完了し、2023年9月11日から供用が開始された[18]。また、東口改札内コンコースと1番線ホームを結ぶ連絡通路は、工事の進捗に伴い2023年9月23日[広報 19]と11月18日[広報 20]に立て続けに変更された。伊勢崎線上りの仮線および仮ホームの構築[19][20]と、東口仮駅舎の2階と浅草方跨線橋を結ぶ連絡通路の整備[21]が進捗し、東口改札内コンコースと1番線ホームを結ぶ連絡通路は2024年2月2日限りで閉鎖された[広報 21]。翌2月3日からは、東口2階と浅草寄りの連絡通路(跨線橋)を結ぶ新たな通路が供用を開始した[広報 21]

利用状況

2022年度の1日平均乗降人員61,279人である[東武 1]。この値は、伊勢崎線・野田線間の乗換人員を含まない。

  • 伊勢崎線内では北千住駅、新越谷駅、押上駅、草加駅竹ノ塚駅に次ぐ第6位である。
  • 野田線内では柏駅、大宮駅、船橋駅に次ぐ第4位である。

近年の一日平均乗降人員および乗車人員の推移は、下表のとおりである。

年度別一日平均乗降・乗車人員[統計 1][統計 2]
年度一日平均
乗降人員
一日平均
乗車人員
1960年(昭和35年)16,443
1965年(昭和40年)27,054
1970年(昭和45年)33,249
1975年(昭和50年)43,633
1980年(昭和55年)54,246
1985年(昭和60年)64,660
1990年(平成02年)79,558
1997年(平成09年)78,250
1998年(平成10年)75,742
1999年(平成11年)74,25937,197
2000年(平成12年)72,98836,407
2001年(平成13年)70,99735,743
2002年(平成14年)69,48534,937
2003年(平成15年)68,68534,524
2004年(平成16年)68,01534,152
2005年(平成17年)68,18434,232
2006年(平成18年)68,70134,488
2007年(平成19年)71,50235,963
2008年(平成20年)72,56736,465
2009年(平成21年)71,30035,743
2010年(平成22年)71,06335,615
2011年(平成23年)70,63635,305
2012年(平成24年)72,44536,190
2013年(平成25年)73,66636,814
2014年(平成26年)72,40136,166
2015年(平成27年)73,63436,756
2016年(平成28年)72,87936,336
2017年(平成29年)72,85636,317
2018年(平成30年)[東武 2]72,186
2019年(令和元年)[東武 3]71,071
2020年(令和02年)[東武 4]53,824
2021年(令和03年)[東武 5]57,647
2022年(令和04年)[東武 1]61,279

近年の路線別乗降人員の推移は、下表のとおりである。

年度別一日平均路線別乗降人員・乗換人員[統計 3]
年度伊勢崎線野田線乗換人員出典
2004年(平成16年)50,45817,55758,807[統計 4]
2005年(平成17年)49,98518,19959,351[統計 5]
2006年(平成18年)50,23018,47059,531[統計 6]
2007年(平成19年)51,52519,97860,373[統計 7]
2008年(平成20年)51,77320,79461,516[統計 8]

駅周辺

東口

春日部情報発信館「ぷらっとかすかべ」

開業当初から駅の出入口が設置された。近年再開発により駅前広場が設けられた。日光街道宿場町の面影を残す古い民家がある。

西口

ララガーデン春日部

駅西口一帯の土地区画整理事業の進展に合わせて、1971年12月1日に開設された。

バス路線

朝日自動車により運行される一般路線バスのほか、春日部市コミュニティバス「春バス」、東武バスセントラル東武バスウエストにより運行される深夜急行バスが発着する。

東口

乗り場系統主要経由地行先運行事業者備考
1KB55イオンモール春日部前・辻橋・大凧公園入口・関宿中央ターミナル関宿はやま工業団地朝日自動車境営業所
KB56辻橋・大凧公園入口・関宿中央ターミナル
KB57イオンモール春日部前・辻橋庄和総合支所
KB54イオンモール春日部前・辻橋・庄和総合支所・大凧公園入口関宿中央ターミナル
KB52イオンモール春日部前・辻橋・大凧公園入口
KB53辻橋・大凧公園入口
KB51一宮交差点イオンモール春日部前
2KB61女子高前・藤塚中央・消防署前豊野工業団地朝日自動車(杉戸営業所
KB64国道4号線・藤塚中央・消防署前
KB62女子高前・藤塚中央消防署前
KB65女子高前・緑町四丁目【循環】
春日部駅東口
緑町循環
3粕壁・幸松地区ルート春日部サンハイツ・小渕団地北春日部駅入口春バス(朝日自動車杉戸営業所)日曜運休
春日部サンハイツ小渕団地
春日部市役所・市立医療センター春日部駅西口

この他に平成エンタープライズ(加須営業所)が運行する、春日部駅東口 - ヤマダ電機前 - イオンモール春日部 - 龍Q館(一部) - 南桜井駅北口の路線があったが、2020年12月31日に廃止された[24]。1 - 3番乗り場があるロータリーより先、auショップ前にバス停があった。

西口

乗り場系統主要経由地行先運行会社備考
1KB11市役所前・大沼六丁目秀和総合病院朝日自動車(杉戸営業所)
2KB23地方庁舎・かすかべ温泉ウイング・ハット春日部土休日のみ1本
KB24地方庁舎・秀和総合病院・かすかべ温泉平日3本、土休日2本
KB21地方庁舎かすかべ温泉早朝・夕 - 夜運転
KB22地方庁舎・秀和総合病院朝 - 夕運転
3KB34南栄町・内牧彩光苑春日部エミナース
KB35南栄町内牧彩光苑
KB31豊町六丁目・豊春第九公園前・増富【循環】
春日部駅西口
KB32豊町六丁目・豊春第九公園前豊春第24公園
4粕壁・幸松地区ルート市立医療センター・春日部市役所・春日部駅東口・小渕団地北春日部駅入口春バス(朝日自動車杉戸営業所)日曜運休

以下のバスは降車のみ扱う。

  • ミッドナイトアロー春日部 (上野駅・新越谷駅発、東武バスセントラル、平日深夜運転)

以下の深夜急行バスは廃止された。

  • ミッドナイトアロー久喜・東鷲宮 (2020年10月30日廃止。上野駅・北千住駅・新越谷駅発、東武バスセントラル、平日深夜運転)
  • ミッドナイトアロー岩槻・春日部 (2020年10月26日廃止。大宮駅発、東武バスウエスト、平日深夜運転)

作品における描写

春日部駅前に設置されている『クレヨンしんちゃん』の看板。
  • らき☆すた - 漫画およびアニメで当駅と周辺が登場する。この他、鷲宮神社なども登場する。
  • クレヨンしんちゃん - 漫画およびアニメで当駅と周辺が登場する。(テレビアニメ放送初期は「春我部駅」と表記)

上記に関連して、春日部駅限定で『クレヨンしんちゃん』とタイアップした交通広告の掲示を行う企業が相次いでいる。

隣の駅

東武鉄道
東武スカイツリーライン
急行・区間急行
せんげん台駅 (TS 24) - 春日部駅 (TS 27) - 東武動物公園駅 (TS 30)
準急・区間準急・普通
一ノ割駅 (TS 26) - 春日部駅 (TS 27) - 北春日部駅 (TS 28)
東武アーバンパークライン
急行・区間急行
岩槻駅 (TD 06) - 春日部駅 (TD 10) - 藤の牛島駅 (TD 11)
普通
八木崎駅 (TD 09) - 春日部駅 (TD 10) - 藤の牛島駅 (TD 11)

脚注

注釈

出典

広報資料・プレスリリースなど一次資料

統計資料

東武鉄道の1日平均利用客数

関連項目

外部リンク