2024年パリオリンピック
2024年パリオリンピック(2024ねんパリオリンピック)は、2024年7月26日から8月11日までの17日間、フランスのパリで開催される予定のオリンピック競技大会。
2024年パリオリンピック | |
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第33回オリンピック競技大会 Jeux de la XXXIIIe olympiade Games of the XXXIII Olympiad | |
開催都市 | フランス パリ |
参加国・地域数 | 207(予定) |
参加人数 | 最大10,500(予定) |
競技種目数 | 32競技329種目 |
開会式 | 2024年7月26日 |
閉会式 | 2024年8月11日 |
開会宣言 | エマニュエル・マクロン大統領(予定) |
主競技場 | セーヌ川沿い・トロカデロ広場(開会式) スタッド・ドゥ・フランス(陸上競技会および閉会式)[1] |
夏季 | |
冬季 | |
Portal:オリンピック |
一般的にパリオリンピックと呼称され、パリ五輪と略称される。大会公式スローガンはGames wide open(フランス語: Ouvrons grand les Jeux)[2]。
2017年9月にペルーのリマで開催されたIOC総会(第131次IOC総会)にて正式に承認された。パリでの開催は1924年以来、100年ぶり3回目で冬季大会を含めれば、フランスでの開催は1992年アルベールビルオリンピック以来、32年ぶり6回目となる。またヨーロッパで開催される夏季オリンピックは2012年ロンドンオリンピック以来12年ぶり19回目で、ヨーロッパ大陸で開催される夏季オリンピックは2004年アテネオリンピック以来20年ぶりとなる。オリンピック大会組織委員会 (OCOG) は2024年パリオリンピック・パラリンピック組織委員会(以下「大会組織委員会」、「パリオリンピック組織委」と略称)。
開催地決定までの過程
2022年冬季五輪招致での財政不安などで候補の撤退が相次いだ反省を踏まえ、多くの都市の立候補を促すため、「募集」「申請」「立候補」の3段階に分けた手順を定めた。開催に関心のある都市は、申請前に国際オリンピック委員会 (IOC) と運営上の課題や計画を意見交換できる。開催都市には約15億ドルの支援金も準備する。既存施設の活用や分散開催などを認めた「五輪アジェンダ2020」が初めて本格的に適用される大会招致となる。
- 2015年
- 9月15日 - 立候補の申請期限。
- 2017年
- 1月 - 立候補都市による立候補ファイルの提出期限。立候補ファイルは、詳細な開催計画を記す文書である。
- 2月 - 3月 - IOCの評価委員会が各立候補都市を視察する。
- 6月9日 - ローザンヌでのIOC理事会で2028年大会と同時に開催都市を決定する声明を発表[3]。このとき、IOCは9月の総会までに両都市の協議によって開催順の合意を得ることを希望しており、合意なき場合はIOC委員による投票を行う予定だった[4]。
- 6月 - 評価委員会が各立候補都市の評価報告書を公開する。
- 7月31日 - ロサンゼルスが24年招致を断念。これにより、パリが2024年大会の開催都市に内定した[5]。
- 9月13日 - ペルーのリマで開かれた第131次IOC総会で、2024年夏季大会のパリ開催と2028年大会のロサンゼルス開催が全会一致で承認された。
エンブレム
大会エンブレムは2019年10月21日にグラン・レックスで発表され、五輪・パラリンピック同一エンブレムを採用。パリオリンピック組織委CEOのエチエンヌ・トボワは「社会の利益とすべての人々の利益」という大会ビジョンを基づいた[6] 。エンブレムは、金メダル、オリンピック聖火、およびフランス革命と国民の象徴であるマリアンヌの顔の3つの象徴的なシンボルを融合したものである[7]。
公式マスコット
2024年パリオリンピックの公式マスコット・キャラクターとしてフリージュが作成されている。フランス革命を象徴し、自由を表すフリジア帽がモチーフされた[8]。
開会式・閉会式
大会組織委員会は現地時間の2021年12月13日に、「2024年パリオリンピックの開会式については、パリ中心部を流れるセーヌ川で行われ、各国・地域の選手団は船で川を航行して入場行進することになる」との計画を発表した[9]。
計画は、オステルリッツ橋からエッフェル塔近くのイエナ橋までの間を川下りして開会式パレードを行うものであり、これまでスタジアムを主会場として開会式を行ってきた夏季オリンピックの中に前例を見ない形となる[1]。開会式はランドマークを活用して街そのものを競技場に見立てた、大会組織委のコンセプトが通底するものである[10]。競技場で行う場合の約10倍にあたる60万人が一部無料を含む観戦が出来るメリットがある一方、安全確保が大きな課題となる[11]。
また、閉会式については当初トロカデロ広場で行われる計画であったが[1]、警備上スタッド・ド・フランス(フランス競技場)に変更された。
実施競技
2024年パリオリンピックでは2016年リオデジャネイロオリンピックと同じ28の競技が当初競技として実施されることが、開催地決定に先立ち2017年6月9日のIOC理事会で決定した[12]。ドーピングが多発したことによりウエイトリフティングの除外が検討されたが、条件つき残留になった[13]。
その後、2017年末までにIOCはボクシングの国際競技連盟 (IF) である国際ボクシング協会 (AIBA) に財政、ガバナンス、倫理および審判の分野における問題があるとして監視を開始。2018年11月30日、AIBAに満足のいく改善が見られないとしてIOC理事会により調査委員会を設置。2020年東京オリンピックからの排除も検討。2019年5月、IOCはAIBAのIFとしての承認を停止[14][15]。6月26日、IOCは2020年東京オリンピックのボクシング競技はAIBAの開催権利を剥奪するが、とりあえず実施は決定した[16]。
当初競技
オリンピック改革により「中核競技」として位置付けられていたものは以下の通り。 以下はリオデジャネイロ大会以降で「追加競技」として行われ、今回当初競技に組み入れられたものレスリングは東京大会で当初「中核競技」から除外され、最後にIOC追加競技として復活した。パリ大会までは、「追加競技」扱いとなる。
開催都市提案型追加競技
東京オリンピックから採用された開催都市提案の追加競技について、パリオリンピック組織委はスポーツクライミング、サーフィン、ローラースポーツのスケートボード、ダンススポーツのブレイキン(ブレイクダンス)を追加種目提案候補に挙げた。すべてエクストリームスポーツで多くはアーバンスポーツであった。野球とソフトボールは、ここで最終的に除外された。
2019年6月25日、スポーツクライミング4種目、サーフィン2種目、スケートボード4種目、ブレイキン2種目の追加種目採用がIOCオリンピックプログラム委員会での議論、IOC理事会承認ののち、IOC総会でパリオリンピック組織委から提案され追加種目になることが挙手での採決で事実上、決定した。追加種目決定の締め切りは2021年だが、総会ではこれ以上の追加種目提案はないことも表明された[17]。挙手の前のIOC委員による意見表明ではサラ・ウォーカー、渡辺守成、エレーナ・イシンバエワらが賛成の表明をした。日本アーバンスポーツ支援協議会とアーバンスポーツでありオリンピック非正式種目であるパルクールを実施している国際体操連盟の会長である渡辺は「2年前、東京五輪でこれらアーバンスポーツが実施されることが決定してから、とても保守的でアーバンスポーツが認められにくい状況にある日本でも多くの若者がアーバンスポーツをやるようになった。日本ではわずか2年でアーバンスポーツはメジャースポーツになった。これは奇跡だと思う。皆様の決断により日本の多くの若者がスポーツの世界に戻ってきている。特にアーバンスポーツで。親や祖父母たちが子供たちの活躍を祝福する状況になっている。パリではアーバンスポーツは偉大な成功をおさめることを強く信じている。」と述べた。
初採用のブレイキン以外の追加種目については、2020年東京オリンピックでの実施状況を検証し、2020年12月のIOC理事会で最終決定することとされていたが[18]、東京オリンピックがCOVID-19流行の影響で1年延期となったことにより、実施状況を確認することなく、2020年12月のIOC理事会にて引き続きパリオリンピックでも実施されることが決定した。しかしブレイキンは、2023年10月のIOC総会で次のロサンゼルスオリンピックに於ける実施競技からは除外された[19]。
なおサーフィンは、ヨーロッパではなくフランスの海外領土である南太平洋の フランス領ポリネシア・タヒチ島が会場となった。
競技会場
パリ2024招致委員会によると、大会は既存の競技施設を中心に開催する予定である。競技会場は1998 FIFAワールドカップ・決勝や世界陸上2003、ラグビーワールドカップ2007・2023決勝の舞台となったスタッド・ド・フランスのほか、ベルシー・アレナやスタッド・ローラン・ギャロスなどが使用される見込みだが、大会期間中はIOCの規定によりスタジアムの名称が変更される予定である。また、サーフィンはパリから1万5000キロメートル以上も離れたフランス領ポリネシアのタヒチ島での開催が内定している。マラソンはパリ市庁舎をスタートとし、オテル・デ・ザンヴァリッドをフィニッシュとする42.195kmのコース。
- パリ・サントル
- エッフェル塔スタジアム(シャン・ド・マルス公園、12,860人収容):バレーボール(ビーチ)[20]
- シャン・ド・マルス・アリーナ(グラン・パレ・エフェメール、8,356人収容):柔道、レスリング[21]
- グラン・パレ(8,000人収容):フェンシング、テコンドー[22]
- アンヴァリッド(8,000人収容):アーチェリー、陸上(マラソンフィニッシュ地点)、自転車(ロード個人タイムトライアルスタート地点)[23]
- パリ市庁舎:陸上(マラソンスタート地点)[24]
- アレクサンドル3世橋(1,000人収容):自転車(ロード個人タイムトライアルフィニッシュ地点)、トライアスロン、水泳(マラソンスイミング)[25]
- トロカデロ広場(3,349人収容):自転車(ロード)、陸上(競歩)[26]
- コンコルド広場:スケートボード、自転車(BMXフリースタイル)、バスケットボール(3x3)、ブレイキン[27]
- パリ・ウエスト
- スタッド・ローラン・ギャロス(コート・フィリップ・シャトリエは14,962人収容):テニス、ボクシング[28]
- パリ南アリーナ(ポルト・ド・ヴェルサイユ見本市会場)
- アリーナ
- ベルシー・アレナ(15,000人収容):バスケットボール(決勝トーナメント)、体操(体操競技、トランポリン)[32]
- ポルト・ド・ラ・シャペル・アリーナ(8,000人収容):バドミントン、体操(新体操)[33]
- パリ・ラ・デファンス・アレナ(17,000人収容):水泳(水球決勝トーナメント、競泳)[34]
- セーヌ=サン=ドニ
- アクアティクス・センター(Centre Aquatique、5,000人収容:水泳(アーティスティックスイミング、飛込、水球グループリーグ)[35]
- スタッド・ド・フランス(77,083人収容):陸上(トラック、フィールド)、ラグビー[36]
- ル・ブルジェスポーツクライミング会場(6,000人収容):スポーツクライミング[37]
- パリ北アリーナ(パリ・ノール・ヴィルパント見本市会場):ボクシング(予選ラウンド)、近代五種(フェンシングランキングラウンド)[38][39]
- イル=ド=フランス(セーヌ=サン=ドニ外)
- イル=ド=フランス外
- サッカー会場
- パルク・デ・プランス(パリ、47,926人収容)[51]
- スタッド・ドゥ・ラ・ボージョワール(ナント、37,473人収容)[52]
- ヌーヴォ・スタッド・ド・ボルドー(ボルドー、42,000人収容)[53]
- パルク・オリンピック・リヨン(リヨン、59,186人収容)[54]
- スタッド・ジェフロワ=ギシャール(サン=テティエンヌ、41,965人収容)[55]
- スタッド・ヴェロドローム(マルセイユ、67,394人収容)[56]
- スタッド・ド・ニース(ニース、36,178人収容)[57]
スポンサー
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その他
脚注
出典
外部リンク
- パリ 2024 夏季オリンピック - International Olympic Committee
- Paris 2024 Summer Olympics - Summer Olympic Games in France(英語)
- 2024年パリオリンピック・パラリンピック組織委員会(フランス語)