オランダイチゴ属

オランダイチゴ属(オランダイチゴぞく、学名: Fragaria)は、バラ科に分類される顕花植物の一つ。一般的にイチゴとして知られている。オランダイチゴ属には、20以上の記載、多くの雑種および栽培品種がある。商業的に育てられている最も一般的なイチゴは、Fragaria × ananassaとして知られている交雑種のオランダイチゴの栽培品種である。イチゴの味は、栽培品種によって様々であり、極めて甘いものからより酸っぱいものまである。イチゴは重要な商業果物であり、世界の全ての温暖な地域で広く栽培されている。

オランダイチゴ属
エゾヘビイチゴ (Fragaria vesca) のイラスト(Atlas des plantes de France 1891, by A. Masclef)
分類APG III
:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 angiosperms
階級なし:真正双子葉類 eudicots
階級なし:コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし:バラ類 rosids
:バラ目 Rosales
:バラ科 Rosaceae
亜科:バラ亜科 Rosoideae
:Potentilleae
亜連:Fragariinae[1]
:オランダイチゴ属 Fragaria
学名
Fragaria L.

20種類以上。本文参照。

解説

イチゴは植物学的なベリー漿果)ではない[2]。果実の果肉部は花托であり、誤って「種子」と呼ばれることのある部位は痩果である[2][3]

学名のFragaria古ラテン語で野イチゴを意味する「fragum」に由来する[4]

分類

世界中には20を越える異なるオランダイチゴ属の種が存在する。多くのその他の種も提唱されてきたが、これらの一部は現在は亜種として認識されている[5]。イチゴの分類の鍵は、染色体の数の違いであると認識されている。全ての種には共通の7種類の染色体が存在する。しかし、これらの種は異なる倍数性を示す。2対(2組7本)の染色体(合わせると14本)を持つ2倍体種もあれば、4倍体(28本)、6倍体(42本)、8倍体(56本)、10倍体(70本)も存在する。

(例外もあるが)大まかな規則では、より多くの染色体を持つ種がより丈夫であり、より大きな果実をつけ、より大きな植物体となる傾向がある[6]

2倍体種

Fragaria daltoniana(ヒマラヤ)
エゾヘビイチゴ (Fragaria vesca)(北半球)
Fragaria nilgerrensis の花(アジア)

4倍体種

  • Fragaria moupinensis英語版
  • Fragaria orientalis

6倍体種

7倍体交雑種

8倍体種および交雑種

10倍体交雑種

生態学

チョウの多くの種がイチゴを餌とする。

脚注

関連項目

外部リンク