UEFA EURO 2020

2021年にヨーロッパで行われたUEFA欧州選手権
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UEFA EURO 2020は、16回目のUEFA欧州選手権であり、ヨーロッパ各国の代表チームによって争われるサッカーの大会である。当初は2020年に開催される予定であったが、新型コロナウイルス感染症の流行により、2020年から2021年に延期[1]。本大会は2021年に欧州11か国で分散開催された。公式試合球はアディダスの「UNIFORIA[2](ユニフォリア、「サッカーが生み出す一体感、幸福感」の意味)」。優勝はイタリア

UEFA EURO 2020
大会概要
開催国

11(連合王国を形成するイングランドとスコットランドはUEFAには別々で加盟)

日程2021年6月11日 - 7月11日
チーム数24 (1連盟)
開催地数

11

大会結果
優勝 イタリア (2回目)
準優勝 イングランド
3位 スペイン
 デンマーク
大会統計
試合数51試合
ゴール数142点
(1試合平均 2.78点)
総入場者数1,099,278人
(1試合平均 21,554人)
得点王ポルトガルの旗 クリスティアーノ・ロナウド
チェコの旗 パトリック・シック(5点)
最優秀選手イタリアの旗 ジャンルイジ・ドンナルンマ
最優秀若手選手スペインの旗 ペドリ
 < 20162024

今大会からビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が運用された。

開催地

開催国の立候補受付は2012年6月30日に開始し[3]、12月6日のUEFA理事会で欧州全土の複数都市で分散開催することを決定した[4]

従来の方式では、以下の国・地域が立候補を表明していた。

2013年1月25日、UEFA理事会は今大会をUEFA60周年記念の特別大会として欧州13カ国での分散開催と決定した。このうち12会場でグループリーグ3試合と決勝トーナメントの1回戦もしくは準々決勝の1試合、残る1会場で準決勝と決勝の計3試合を開催する。開催国枠は撤廃されるが、予選を通過した(決勝・準決勝以外の)開催国はグループリーグ中の自国の試合を少なくとも2試合開催できる。またグループリーグの組み合わせには、選手や観客の負担を抑えるために移動距離も考慮される。スタジアムの収容人員数の条件は決勝・準決勝7万人以上、準々決勝6万人以上、1回戦・グループリーグ5万人以上(2ヶ所を目安に3万人以上という例外が認められる場合がある)で、選出される開催地は1カ国につき1都市のみだが、立候補は決勝・準決勝と準々決勝以前の2枠が可能で、同一都市か別都市にするのかは各協会の判断にゆだねられる[11]

これに基づき、UEFAでは改めて開催地立候補の受付を行い、2013年9月11日の期日までに32協会から立候補の意向を示した[12]。開催都市は2014年9月19日に発表された[13]

立候補を表明した都市・スタジアム

  • 青が準決勝・決勝の開催地、緑がグループステージ3試合と決勝トーナメント(準々決勝1試合)、黄がグループステージ3試合と決勝トーナメント(ラウンド16・1試合)の開催地
  • 立候補の内容のうち◎は準決勝・決勝パッケージと通常パッケージ(グループステージ3試合とラウンド16もしくは準々決勝のいずれか1試合)の両方に立候補、○は通常パッケージのみ立候補
国・地域都市競技場収容立候補の内容
 アゼルバイジャンバクーバクー・オリンピックスタジアム68,700
 ベラルーシミンスクディナモ・スタジアム34,000 (39,000人収容に拡張中)
 ベルギーブリュッセルユーロスタジアム (仮称)50,000 (60,000人に計画中)
 ブルガリアソフィアヴァシル・レフスキ国立競技場43,000 (50,000人収容に拡張中)
 デンマークコペンハーゲンパルケン・スタディオン38,065
 イングランドロンドンウェンブリー・スタジアム90,000
 ドイツミュンヘンフースバル・アレーナ・ミュンヘン70,000
 ハンガリーブダペストプシュカーシュ・フェレンツ・シュタディオン56,000 (68,000人収容の新スタジアムとして計画中)
 アイルランドダブリンダブリン・アリーナ51,700
 イスラエルエルサレムテディ・スタジアム34,000 (53,000人収容に拡張中)
 イタリアローマオリンピコ72,698
 北マケドニアスコピエピリッポス2世アレナ33,460
 オランダアムステルダムアムステルダム・アレナ53,052 (55-56,000人収容に拡張中)
 ルーマニアブカレストアレーナ・ナツィオナラ55,600
 ロシアサンクトペテルブルクサンクトペテルブルク・スタジアム69,500
 スコットランドグラスゴーハムデン・パーク52,063
 スペインビルバオサン・マメス・バリア53,332
 スウェーデンソルナ, ストックホルムソルナ・アレーナ50,000
 ウェールズカーディフナショナルスタジアム・オブ・ウェールズ74,500
  • 当初は上記13カ国での分散開催が予定されていたが、 ベルギーブリュッセル)はスタジアム建設の遅れにより、2017年12月に開催地から外され、開催予定だった試合は、 イングランドロンドン)で行われることになったため、最終的に12カ国での分散開催となる[14]。また新型コロナウイルスの感染に伴い、2021年4月にダブリンはその開催地から除外され、ビルバオからセビリアに開催地は変更された。[15]

開催地に決定した国(都市)

グループステージ(3試合)とラウンド16(1試合)、準決勝・決勝を開催する都市
グループステージ(各3試合)と準々決勝(各1試合)を開催する都市
グループステージ(各3試合)とラウンド16(各1試合)を開催する都市
ロンドン ローマ ミュンヘン
ウェンブリー・スタジアムスタディオ・オリンピコ・ディ・ローマフースバル・アレーナ・ミュンヘン
収容人数:90,000人収容人数:70,634人収容人数:70,000人
バクー サンクトペテルブルク ブダペスト
バクー・オリンピックスタジアムサンクトペテルブルク・スタジアムプシュカーシュ・アレーナ
収容人数:68,700人収容人数:68,134人収容人数:67,215人
セビリア ブカレスト アムステルダム グラスゴー コペンハーゲン
エスタディオ・オリンピコ・セビージャアレーナ・ナツィオナラヨハン・クライフ・アレナハムデン・パークパルケン・スタディオン
収容人数:60,000人収容人数:55,600人収容人数:54,990人収容人数:51,866人収容人数:38,065人

グループステージの開催地の組み合わせ

グループステージは、抽選により以下の開催地の組み合わせで行われることとなった[16]

  • グループA…ローマとバクー
  • グループB…サンクトペテルブルクとコペンハーゲン
  • グループC…アムステルダムとブカレスト
  • グループD…ロンドンとグラスゴー
  • グループE…ビルバオとダブリン → セビリアとサンクトペテルブルグ[15]
  • グループF…ミュンヘンとブダペスト

予選

本大会出場を決める予選はUEFAネーションズリーグ2018-19のリーグ戦終了後の2019年3月にスタートする。また、ネーションズリーグの結果に基づいて追加の出場チームを決定するプレーオフが導入された[17]

出場国

  出場国
  予選敗退
出場国・地域条件出場回数出場大会最高成績
イングランド予選A組1位3大会連続10回目1968, 1980, 1988, 1992, 1996, 2000, 2004, 2012, 2016ベスト4 (1968[注釈 1], 1996)
チェコ[注釈 2]予選A組2位7大会連続10回目1960, 1976, 1980, 1996, 2000, 2004, 2008, 2012, 2016優勝 (1976)
ウクライナ予選B組1位3大会連続3回目2012, 2016グループリーグ敗退 (2012, 2016)
ポルトガル予選B組2位7大会連続8回目1984, 1996, 2000, 2004, 2008, 2012, 2016優勝 (2016)
ドイツ[注釈 3]予選C組1位13大会連続13回目1972, 1976, 1980, 1984, 1988, 1992, 1996, 2000, 2004, 2008, 2012, 2016優勝 (1972, 1980, 1996)
オランダ予選C組2位2大会ぶり10回目1976, 1980, 1988, 1992, 1996, 2000, 2004, 2008, 2012優勝 (1988)
スイス予選D組1位2大会連続5回目1996, 2004, 2008, 2016ベスト16 (2016)
デンマーク予選D組2位2大会ぶり9回目1964, 1984, 1988, 1992, 1996, 2000, 2004, 2012優勝 (1992)
クロアチア予選E組1位5大会連続6回目1996, 2004, 2008, 2012, 2016ベスト8 (1996, 2008)
ウェールズ予選E組2位2大会連続2回目2016ベスト4 (2016)
スペイン予選F組1位7大会連続11回目1964, 1980, 1984, 1988, 1996, 2000, 2004, 2008, 2012, 2016優勝 (1964, 2008, 2012)
スウェーデン予選F組2位6大会連続7回目1992, 2000, 2004, 2008, 2012, 2016ベスト4 (1992)
ポーランド予選G組1位4大会連続4回目2008, 2012, 2016ベスト8 (2016)
オーストリア予選G組2位2大会連続3回目2008, 2016グループリーグ敗退 (2008, 2016)
フランス予選H組1位8大会連続10回目1960, 1984, 1992, 1996, 2000, 2004, 2008, 2012, 2016優勝 (1984, 2000)
トルコ予選H組2位2大会連続5回目1996, 2000, 2008, 2016ベスト4 (2008)
ベルギー予選I組1位2大会連続6回目1972, 1980, 1984, 2000, 2016準優勝 (1980)
ロシア[注釈 4]予選I組2位5大会連続12回目1960, 1964, 1968, 1972, 1988, 1992, 1996, 2004, 2008, 2012, 2016優勝 (1960)
イタリア予選J組1位7大会連続10回目1968, 1980, 1988, 1996, 2000, 2004, 2008, 2012, 2016優勝 (1968)
フィンランド予選J組2位初出場
ハンガリープレーオフA組勝者2大会連続4回目1964, 1972, 2016ベスト4[注釈 5] (1964, 1972)
スロバキア[注釈 6]プレーオフB組勝者2大会連続2回目2016ベスト16 (2016)
スコットランドプレーオフC組勝者6大会ぶり3回目1992, 1996グループリーグ敗退 (1992, 1996)
北マケドニアプレーオフD組勝者初出場

組み合わせ抽選

本大会の抽選会は、2019年11月30日ルーマニアブカレストで行われた[18][19][20][21]

出場国は、EURO2020予選成績ランキング(英語版)に基づいて4つのポットに振り分けられ、各ポットから1チームずつ、AからFのグループに振り分けられる。グループステージの開催国は自動的に自国で開催されるグループに配置される。また、政治的な理由から、ウクライナとロシアは同じグループには配置されない。(コソボ(予選プレーオフに出場)とロシア[22]、コソボとボスニア・ヘルツェゴビナ(予選プレーオフに出場)、コソボとセルビア予選プレーオフに出場)も同様であったが、元から同じグループに配置される可能性が無かった。)

プレーオフ通過チームを加えた最終的な振り分けは以下の通り。

Pot 1
出場国開催国順位
 ベルギー[注釈 7]1
 イタリアGroup A2
 イングランドGroup D3
 ドイツGroup F4
 スペインGroup E5
 ウクライナ[注釈 7]6
Pot 2
出場国開催国順位
 フランス7
 ポーランド8
 スイス9
 クロアチア10
 オランダGroup C11
 ロシアGroup B12
Pot 3
出場国開催国順位
 ポルトガル13
 トルコ14
 デンマークGroup B15
 オーストリア16
 スウェーデン17
 チェコ18
Pot 4[注釈 8]
出場国開催国順位
 ウェールズ19
 フィンランド20
 ハンガリーGroup Fプレーオフ通過
 スロバキア[注釈 9]
 スコットランドGroup D
 北マケドニア [注釈 10]

グループステージ

各グループ上位2チーム及び3位チームのうち上位4チーム、計16チームが、決勝トーナメントに進出する。グループステージの順位は、以下の順に従い決定される[23]

順位決定方式

全試合での獲得勝ち点が並んだ場合の順位決定基準[24]

  1. 当該チーム同士の対戦における、獲得勝ち点の多少
  2. 当該チーム同士の対戦における、得失点差
  3. 当該チーム同士の対戦における、ゴール数の多少
  4. 1.~3.を適用後においても2チーム以上に差がつかない場合は、それらのチームのみを対象に再び1.~3.を適用して比較する。それでも決着しない場合は、5.以下へ進む。
  5. 当該チームの全試合における、得失点差
  6. 当該チームの全試合における、ゴール数の多少
  7. 当該チームの全試合における、勝利数
  8. 比較対象が2チームのみで、グループリーグの最終戦で直接対決した結果、上記基準で差がつかないとき、PK戦を行う
  9. 当該チームの全試合における、フェアプレーランキングの比較
  10. 当該チームのEURO2020予選成績ランキング(英語版)の優劣

Group A

チーム出場権
1  イタリア (H)330070+79決勝トーナメント進出
2  ウェールズ311132+14
3  スイス311145−14
4  トルコ300318−70


Group B

チーム出場権
1  ベルギー330071+69決勝トーナメント進出
2  デンマーク (H)310254+13[注 1]
3  フィンランド310213−23[注 1]
4  ロシア (H)310227−53[注 1]


Group C

チーム出場権
1  オランダ (H)330082+69決勝トーナメント進出
2  オーストリア320143+16
3  ウクライナ310245−13
4  北マケドニア300328−60


Group D

チーム出場権
1  イングランド (H)321020+27決勝トーナメント進出
2  クロアチア311143+14
3  チェコ311132+14
4  スコットランド (H)301215−41
スコットランド  0 - 2  チェコ
レポート
観客数: 9,847人
主審: ダニエル・ジーベルト


Group E

チーム出場権
1  スウェーデン321042+27決勝トーナメント進出
2  スペイン (H)312061+55
3  スロバキア310227−53
4  ポーランド301246−21


Group F

チーム出場権
1  フランス312043+15決勝トーナメント進出
2  ドイツ (H)311165+14[注 1]
3  ポルトガル311176+14[注 1]
4  ハンガリー (H)302136−32


各組3位チーム

チーム出場権
1F  ポルトガル311176+14決勝トーナメント進出
2D  チェコ311132+14
3A  スイス311145−14
4C  ウクライナ310245−13
5B  フィンランド310213−23
6E  スロバキア310227−53

決勝トーナメント進出の3位チームの対戦相手は以下のように定められる[24]

グループ1B
vs
1C
vs
1E
vs
1F
vs
ABCD3A3D3B3C
ABCE3A3E3B3C
ABCF3A3F3B3C
ABDE3D3E3A3B
ABDF3D3F3A3B
ABEF3E3F3B3A
ACDE3E3D3C3A
ACDF3F3D3C3A
ACEF3E3F3C3A
ADEF3E3F3D3A
BCDE3E3D3B3C
BCDF3F3D3C3B
BCEF3F3E3C3B
BDEF3F3E3D3B
CDEF3F3E3D3C
  確定した組み合わせ

決勝トーナメント

グループリーグの結果

グループ1位2位3位
突破チーム
A  イタリア  ウェールズ  スイス
B  ベルギー  デンマークN/A
C  オランダ  オーストリア  ウクライナ
D  イングランド  クロアチア  チェコ
E  スウェーデン  スペインN/A
F  フランス  ドイツ  ポルトガル

トーナメント表

 
Round of 16準々決勝準決勝決勝
 
              
 
6月27日 - セビージャ
 
 
 ベルギー1
 
7月2日 - ミュンヘン
 
 ポルトガル0
 
 ベルギー1
 
6月26日 - ロンドン
 
 イタリア2
 
 イタリア (延長)2
 
7月6日 - ロンドン
 
 オーストリア1
 
 イタリア (p)1 (4)
 
6月28日 - ブカレスト
 
 スペイン1 (2)
 
 フランス3 (4)
 
7月2日 - サンクトペテルブルク
 
 スイス (p)3 (5)
 
 スイス1 (1)
 
6月28日 - コペンハーゲン
 
 スペイン (p)1 (3)
 
 クロアチア3
 
7月11日 - ロンドン
 
 スペイン (延長)5
 
 イタリア (p)1 (3)
 
6月29日 - グラスゴー
 
 イングランド1 (2)
 
 スウェーデン1
 
7月3日 - ローマ
 
 ウクライナ (延長)2
 
 ウクライナ0
 
6月29日 - ロンドン
 
 イングランド4
 
 イングランド2
 
7月7日 - ロンドン
 
 ドイツ0
 
 イングランド (延長)2
 
6月27日 - ブダペスト
 
 デンマーク1
 
 オランダ0
 
7月3日 - バクー
 
 チェコ2
 
 チェコ1
 
6月26日 - アムステルダム
 
 デンマーク2
 
 ウェールズ0
 
 
 デンマーク4
 

ラウンド16

ウェールズ  0 - 4  デンマーク
レポート
観客数: 14,645人
主審: ダニエル・ジーベルト







準々決勝




準決勝


決勝

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脚注

出典

外部リンク