キャセイパシフィック航空

香港の航空会社

キャセイパシフィック航空(キャセイパシフィックこうくう、: 国泰航空, : 國泰航空, 拼音: Guótài hángkōng, : Cathay Pacific Airlines Ltd., CPA, HKSE:0293)は、香港を拠点とする航空会社。香港のフラッグ・キャリアである。

キャセイパシフィック航空
國泰航空
Cathay Pacific Airlines
IATA
CX
ICAO
CPA
コールサイン
CATHAY
法人番号2700150004653 ウィキデータを編集
設立1946年9月24日
ハブ空港香港国際空港
マイレージサービスCathay
会員ラウンジ寰宇堂、玉衡堂、爾雅堂、逸連堂、賞心堂、G16ラウンジ(香港国際空港内のウイング並びにピア)
航空連合ワンワールド
親会社スワイヤー・グループ (45%)
中国国際航空 (29.99%)
カタール航空 (9.99%)
子会社エア・ホンコン
香港エクスプレス航空
保有機材数149機(45機発注中)
就航地101都市(コードシェア含む)
本拠地香港
外部リンクwww.cathaypacific.com
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國泰航空公司
Cathay Pacific Airways Limited
キャセイパシフィック航空の本部「キャセイ・シティ(英語版)」(國泰城)
キャセイパシフィック航空の本部「キャセイ・シティ英語版」(國泰城)
種類株式会社
市場情報
略称國泰航空
設立1946年9月24日
業種空運業
法人番号2700150004653 ウィキデータを編集
事業内容航空運送事業
旅行事業
代表者パトリック・ヒーリー(会長
ロナルド・ラム(林紹波、CEO
資本金7億87百万香港ドル
売上高993億7,600万香港ドル[1]
(2012年12月期、グループ連結)
純利益9億1,600万香港ドル[1]
(2012年12月期、グループ連結)
総資産1,371億33百万香港ドル(2011年12月期)
決算期12月末日
主要株主スワイヤー・グループ中国国際航空 74..99% (共同で行動する)
外部リンクCathay Pacific
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イギリス・スカイトラックス社による航空会社の格付けで、実質最高評価の「ザ・ワールド・ファイブ・スター・エアラインズ(The World's 5-Star Airlines)」の認定を得ている[2]

概要

香港国際空港(HKIA : Hong Kong International Airport : 香港國際機場)をベースとし、空港周辺には機材整備施設や本社機能、訓練施設などを持つキャセイシティ(Cathay City:國泰城)を形成している。イギリス系で香港の財閥『スワイヤー・グループ』 (Swire Group) が40%の株式を保有しており、事実上スワイヤーのグループ企業である。また、世界第3位の航空連合(アライアンス)であるワンワールドに加盟している。

1994年にランドーアソシエイツ社でCIを実施。ブラッシングウイングと呼ばれる中国伝統の書道をモチーフにしたロゴマークが特徴である。またCIを実施当初のテーマソングは坂本龍一が担当した。日本ではCI導入以前のCMでは、バリー・ホワイト作曲の「愛のテーマ」をBGMに広川太一郎のナレーションにて「着きごこち、さわやか。」というキャッチフレーズでも有名となった。

航空券の座席予約システム(CRS)は、アマデウスITグループが運営するアマデウスを利用している。[3][4]

2006年6月9日に、香港第二の航空会社、香港ドラゴン航空(DragonAir : 港龍航空公司)を買収し、100%子会社とした。イギリス植民地時代からの取り決めにより、中国への路線網は、北京とアモイしかなかったが、買収により中国全土へのネットワークが形成された。なお、後に香港ドラゴン航空は、「キャセイドラゴン航空國泰港龍航空)」に改名することとなる。

キャセイは中国国際航空(エアチャイナ、国航)と戦略的に相互資本提携をしている。しかし、国航はスターアライアンスに加盟しているので、ワンワールドに加盟しているキャセイにとっては、航空連合としてはライバル関係にあたる。

名称

社名にあるキャセイ (Cathay) とは、マルコ・ポーロによって有名になり、欧米の陸路貿易国を中心に使われていた、契丹に由来する中国の名称「カタイ」の英語訳で、英語では中国の旧称となっている。現地中国語名は國泰航空公司と表記されている。台湾の国泰世華銀行などを抱える金融グループ「國泰金控」(Cathay Financial Holdings Co., Ltd.)や、かつて香港にあった映画製作会社「モーションピクチャー・アンド・ゼネラル・インベストメント」(Motion Picture and General Investments Limited, MP&GI; 國際電影懋業公司)を保有していたシンガポールの複合企業キャセイ・オーガニゼーション(Cathay Organisation Holdings Limited)とのグループ関係はない。

歴史

設立

中華民国で航空運送業を営んでいたアメリカ人のロイ・ファレルと、第二次世界大戦中にインドと中華民国を結ぶ航路のパイロットであったオーストラリア人のシドニー・カンツォが、ダグラスDC-3でカルカッタ重慶間の路線の運航を開始した。

その後国共内戦の激化に伴い上海から移り住んだイギリスの植民地香港にて、1946年9月24日に正式にキャセイパシフィック航空として創立し、香港からマカオマニラバンコクシンガポール、上海への旅客便の運航を始める。

急成長

その後、国共内戦に勝利した中国共産党により1949年に中華人民共和国が設立され、その後中国共産党の支配を嫌った多くの難民が香港へ流れてきた事や、1950年代初頭にイギリスが中華人民共和国を承認し国交を樹立した事から、香港の地位が「中国大陸への窓口」として高まったことにより事業は急速に拡大する事になる。

乗客数の急激な伸びに対応するために、より大型なダグラス DC-4BやDC-6を導入するとともに、イギリス系財閥スワイヤー・グループの資本を受け財務体制を強化させた。その後1959年には英国海外航空ジャーディン・マセソンの合弁会社で、最大のライバルであった香港航空(後のエア・ホンコンや香港航空(元CRエアウェイズ)とは別会社)を吸収し規模を拡大した。

日本への就航は1959年7月羽田空港ダグラス DC-6で乗り入れ開始、1960年代には大阪福岡名古屋へも乗り入れ、その後ターボプロップ機のロッキードエレクトラやジェット機のコンベア880などを投入するなど日本への路線を充実させていった。

世界へ

1970年代に入り香港がアジア地域の貿易、金融センターとしての地位を確実なものとするとともに、より大型なボーイング707を導入しアジア地域の主要都市に直行便を就航させた他、初のワイドボディ機であるロッキード・トライスターを導入する。

1979年には、ボーイング747-200型機の導入により宗主国首都であるロンドンへの乗り入れを週1便で開始した。まもなく同便は1日1便に増強され、キャセイパシフィック航空有数のドル箱路線となる。2023年現在、香港 - ロンドン/ヒースロー空港は同社だけで最大6往復運航されており、エアバスA350XWBとボーイング777-300ER型機の長距離機材で運航されている[5]

その後1980年代にかけてパリフランクフルトアムステルダムローマをはじめニューヨークバンクーバーと言った北米路線、ブリスベン等のオーストラリア路線を開設し、世界的にネットワークを拡げていった。

現在

2006年には、香港の第2の航空会社である香港ドラゴン航空を買収し傘下に収めた。現在は香港のフラッグキャリアとして、南アメリカ大陸を除く全大陸の主要都市への路線を運航している他、ワンワールドの主要メンバーとなり多数のコードシェア便を運航している。またそのサービスは世界的に高い評価を受け、世界各国の様々な賞を受賞している。以前より関西国際空港(大阪)や中部国際空港(名古屋)といった日本の大都市にはB777またはA340などの大型機を使ってデイリー運航で乗り入れており、香港国際空港乗り換えによる東南アジアやオセアニアなどへの広い路線網を提供している。

日本と香港の航空自由化が締結されたことから羽田再国際化後に羽田に1日2便で開設が決まり、2010年に32年ぶりに羽田再就航となった[6][5]。羽田空港、成田空港とも自前のキャセイパシフィック・ラウンジを運営している。最近ではボーイング777-300ERと新規に発注したエアバスA330-300を契機に全てのクラスのシートや新型のAVODパナソニックアビエーション社製eX2(StudioCX)にリプレースしている2年〜3年にかけて更新する予定。

2010年にはエアバスA350 XWBを発注をした。更に保有機の全機材にパナソニックアビエーション製の「eXConnect」を導入する事を決め2012年以降機材でのブロードバンド接続が可能となる予定である。

2019年3月27日には、中国本土海南航空グループ傘下でライバルの香港エクスプレス航空の買収を発表し[7]、7月21日に買収完了を発表した[8]

2019年-2020年香港民主化デモに関連して、8月に空港がデモ隊に占拠され12,13日多くの運航便が欠航し、中国民用航空局よりデモに参加した従業員を中国路線から排除すること、事前に中国に向かう便に搭乗するクルーの情報を提出することを求められた[9]。また、デモ参加者の解雇が相次いでおり、労働組合は「文化大革命」式の政治的粛清を実行しているとして同社を非難している[10][11]。一部の中国国営企業は、従業員に対してキャセイ航空の利用禁止命令を出している[12]。8月16日にはこれら従業員によるデモ参加者対応で最高経営責任者(CEO)ルパート・ホッグ氏と最高顧客・商務責任者(CCO)のポール・ルー氏が辞任しCEOはキャセイの主要株主であるスワイヤーグループのオーガスタス・タン氏が後任となり[13]、11月6日には会長ジョン・スローサー氏も退任し、スワイヤー・パシフィックの幹部、パトリック・ヒーリー氏が就任するとした[14]。また、デモによる業績への影響が出てきていて2019/20冬期ダイヤの一時減便[15]や導入機体の受領延期、運航機体の早期退役[16]などで収支改善施策を強いられている。さらに、2020年に入り猛威を振るっている新型肺炎の影響で、中国、香港両政府による渡航制限により、中国本土便の9割を削減する計画で[17]、従業員に対して無給休暇取得を要請する事態となっている[18]

香港の厳格なコロナ対策を受けて、キャセイは2022年12月期まで3期連続で最終赤字だった[19]。キャセイの林紹波(ロナルド・ラム)最高経営責任者は、2023年の『日本経済新聞』のインタビューに対し、「過去3年間、世界の航空会社のなかで最も厳しい状況に直面した」と回想している[19]

保有機材

かつて香港イギリスの植民地であった事や親会社のスワイヤー・グループがイギリス資本であった事などから他の豪などイギリス連邦加盟国と同じくロールス・ロイス社製のエンジンを選択することを好んだが近年の旅客機メーカーがエンジンメーカーを単一にする事によってエンジン開発のリスクマネージメントする方針などから機種によって選択不可になったり、他航空会社の中古機材導入によって括れなくなってきている。
なお、キャセイパシフィック航空が発注したボーイング社製航空機の顧客番号(カスタマーコード)は67で、航空機の形式名は747-467, 747-467F, 777-267, 777-367, 777-367ER などとなる。また、機体の機体記号について香港では中国返還以前英国租借当時はVR-H**で登録されていたが、中国(台湾を含む)本土との混乱を避けるべくB-H**としていた[20]。しかし香港航空香港エクスプレス航空、運航停止済みのオアシス香港航空、子会社に当たるキャセイドラゴン航空までもが使用してきた関係上B-H**だけでは手一杯となってしまったなどの背景から最近の登録機材ではB-K**、B-L**などで対処している。

運航機材

キャセイパシフィック航空運用機材(2024年4月現在)[21][22]
機材保有数発注数座席数備考
FCWY
エアバスA320neo-8TBA一部香港エクスプレス航空用に発注
エアバスA321neo1228-12-190202一部香港エクスプレス航空用に発注
キャセイドラゴン航空から移行
エアバスA330-30043--3921191251
39-223262
28265293
42265307
24293317
842230280
エアバスA350-90030--3828214280
エアバスA350-100018--4632256334
ボーイング777-30017--42-396438ローンチカスタマー
ボーイング777-300ER38-65334201294
-4032296368
ボーイング777-9X-21TBA2025年から受領予定
貨物機材
エアバスA350F-6貨物747-400ERFを置き換え[23]
20機のオプション付き[24]
ボーイング747-400ERF6-貨物A350Fに置き換え
ボーイング747-8F14-貨物
17863

カラーリングについては、エメラルドグリーンの背景に赤いストライプと、白い筆文字で翼をイメージしたブラッシュ・ストロークと呼ばれるロゴが入ったものになっており、これは機体にも描かれている。
2015年11月1日に新塗装を発表[25][26]。垂直尾翼が全面緑で塗られたところにブラッシュストロークが大きく入ったほか、胴体はシンプルなデザインに仕上げられた。この新塗装第1陣となったボーイング777-300ER(機体番号:B-KPM)は、東京 - 香港線のCX548便(香港8:45発東京羽田行き)にてデビューを果たしている今後5年間で約150機を新しい塗装に塗り替える他、2016年受領予定のエアバスA350XWBは最初から新塗装で受領する[27]
香港という地勢柄、実質国内線(中国本土は除く)運航は提供しておらず、国際線が専らであることで殆どがワイドボディ機のみによるフリート構成となっていて、使用される機体年齢は若いものが多く、最新鋭の機材を積極的に導入している。同社は最新鋭のボーイング777-300ERも30機導入予定で747-400と置き換えられる。また同機導入に伴い、運用上制限のあったエアバスA340-600を退役させフリートを統一した[28]。また、これ以前には米国イースタン航空から購入したロッキードトライスターL-1011やボーイング707なども存在したほか、日本航空からコンベア880を導入し運航していた。2010年にはエアバスA350 XWBを発注をした。
現在、欧米路線などの長距離便がメインであるボーイング777-300ERの運航機数は、中東エミレーツ航空に次いで、世界で2番目に多い。
貨物部門はボーイング747-400Fとボーイング747-400ERFを運用していて、以前は旅客機型を改修したボーイング747-400BCFを運用していた。最新型のボーイング747-8F[29]を発注し、2011年より受領を開始した。

退役機材

2016年10月1日、東京香港行CX543便(機体番号はB-HUJ)をもって旅客型のボーイング747-400が全機退役した[30]。この退役をもって同社のフリートから旅客型のボーイング747が姿を消し、37年間の運航に終止符が打たれた[31]。2017年3月、エアバスA340-300が全機退役。この退役により、同社の旅客運航用フリートから四発エンジン機が姿を消すこととなった。
いずれも現行塗装を纏った機体は登場せず、旧塗装での退役となった。

特別塗装機

  • 「THE SPIRIT OF HONG KONG 97 香港精神号(初代)[32] ""」[33]
ボーイング747-200(B-HIB[34])[35]
  • 「THE SPIRIT OF HONG KONG 香港精神号(2代目)"SAME TEAM, SAME DREAM.,積極進取 飛越更高理想"[36]
ボーイング747-400(B-HOX)[35]
  • 「THE SPIRIT OF HONG KONG 香港精神号(3代目)」
ボーイング777-300ER(B-KPB)
  • 「THE SPIRIT OF HONG KONG 香港精神号(4代目)」
ボーイング777-300(B-HNK)
  • 「Asia's world city」
ボーイング747-400(B-HOY)[35]
ボーイング777-300(B-KPF))[37]
  • 「Progress Hong Kong 100th Aircraft[38]
エアバスA330-300(B-LAD)[37]
  • 「member of oneworld」(ワンワールド塗装)
ボーイング777-300ER(B-KQL、B-KQM、B-KQN、B-KQI)
ボーイング777-300ER(B-KPL)[39]
エアバスA330-300(B-HLU)
エアバスA340-300(B-HXG)[35]
ボーイング747-8F(B-LJA)

特徴ある機体

VR-HOK
VR-HOK

イースタン航空から1989年7月に購入したトライスターで、1993年8月から1995年6月までの約2年間傘下のドラゴン航空へ移籍しドラゴン航空塗装で北京/上海線専用機材として運用された後、 再びキャセイへリースバックされ、垂直尾翼のみグリーンのキャセイカラー、胴体はロゴ以外白塗りのハイブリッド塗装で1996年に退役するまで運航された。その姿から、本邦のスポッターの間では「白トラ」という愛称をつけられていたようである[42]

VR-HKG
VR-HKG

1979年に導入されたB747-200B型、啓徳空港(閉港)の3レターコード「HKG」に語呂合わせしたユーモアのあるレジ番がついた機体であった。

ZK-NBS 

1989年12月にニュージーランド航空からリースした機体。緑色のラインが機体前方下部にかけて広がっていた通常塗装機と塗り分け方が違い、ニュージーランド航空の塗装の帯を上からなぞったように一本の帯状に塗装されていた。1991年2月に同社にリースバックされた。なお同機は2010年9月にアメリカで解体されたようであるが、これは、(事故抹消機を除く)B747-400シリーズで初めて解体された機体との事である。

就航都市

キャセイパシフィック航空 就航都市 (2019年4月 現在)
都市空港備考
東アジア
香港香港国際空港
中国北京北京首都国際空港焦点都市
上海上海浦東国際空港
廈門廈門高崎国際空港貨物便のみ(旅客便はキャセイドラゴン航空にて運航)
成都成都双流国際空港
重慶重慶江北国際空港
鄭州鄭州新鄭国際空港
台湾台北台湾桃園国際空港焦点都市
高雄高雄国際空港キャセイドラゴン航空にて運航
日本東京東京国際空港(羽田空港)
成田国際空港成田線、関西線、中部線の一部便は台北/桃園経由便
大阪関西国際空港
名古屋中部国際空港
札幌新千歳空港
福岡福岡空港
韓国ソウル仁川国際空港一部台北/桃園経由便
東南アジア
シンガポールシンガポール・チャンギ国際空港焦点都市
タイバンコクスワンナプーム国際空港
インドネシアジャカルタスカルノ・ハッタ国際空港
バリ島ングラ・ライ国際空港
スラバヤジュアンダ国際空港
マレーシアクアラルンプールクアラルンプール国際空港貨物便のみ(旅客便はキャセイドラゴン航空にて運航)
ペナンペナン国際空港
フィリピンマニラニノイ・アキノ国際空港
セブ島マクタン・セブ国際空港
 ベトナムホーチミンシティタンソンニャット国際空港
ハノイノイバイ国際空港貨物便のみ(旅客便はキャセイドラゴン航空にて運航)
カンボジアプノンペンプノンペン国際空港
南アジア
インドデリーインディラ・ガンディー国際空港
ムンバイチャットラパティー・シヴァージー国際空港
チェンナイチェンナイ国際空港
ハイデラバードラジーヴ・ガンディー国際空港
バンガロールベンガルール国際空港貨物便のみ(旅客便はキャセイドラゴン航空にて運航)
コルカタネータージー・スバース・チャンドラ・ボース国際空港
バングラデシュダッカシャージャラル国際空港
スリランカコロンボバンダラナイケ国際空港
モルディブマレイブラヒム・ナシル国際空港[43][44]
西アジア
バーレーンマナーマバーレーン国際空港ドバイ経由
アラブ首長国連邦ドバイドバイ国際空港
イスラエルテルアビブベングリオン国際空港[45]
ヨーロッパ
イギリスロンドンロンドン・ヒースロー空港
ロンドン・ガトウィック空港[46]
マンチェスターマンチェスター空港
フランスパリパリ=シャルル・ド・ゴール空港
ドイツフランクフルトフランクフルト空港
デュッセルドルフデュッセルドルフ空港
イタリアミラノミラノ・マルペンサ国際空港
ローマフィウミチーノ空港
オランダアムステルダムアムステルダム・スキポール空港
スイスチューリッヒチューリッヒ空港
スペインマドリードアドルフォ・スアレス・マドリード=バラハス空港[47]
バルセロナバルセロナ=エル・プラット空港
ベルギーブリュッセルブリュッセル国際空港[48]
アイルランドダブリンダブリン空港[48]
北アメリカ
カナダトロントトロント・ピアソン国際空港
バンクーバーバンクーバー国際空港
カルガリーカルガリー国際空港貨物便のみ
アメリカ合衆国ニューヨークジョン・F・ケネディ国際空港一部バンクーバー経由便
ニューアーク・リバティー国際空港[49]
ボストンジェネラル・エドワード・ローレンス・ローガン国際空港
サンフランシスコサンフランシスコ国際空港
ロサンゼルスロサンゼルス国際空港
シカゴシカゴ・オヘア国際空港
ワシントンD.C.ワシントン・ダレス国際空港[50]
シアトルシアトル・タコマ国際空港[51]
アトランタハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港貨物便のみ
ダラスダラス・フォートワース国際空港
ヒューストンジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港
マイアミマイアミ国際空港
コロンバスリッケンバッカー国際空港
アンカレッジテッド・スティーブンス・アンカレッジ国際空港
メキシコメキシコシティメキシコ・シティ国際空港
グアダラハラドン・ミゲル・イダルゴ・イ・コスティージャ国際空港
オセアニア
オーストラリアシドニーシドニー国際空港
アデレードアデレード空港
ブリスベンブリスベン空港[52]
ケアンズケアンズ国際空港
メルボルンメルボルン空港
パースパース空港
ニュージーランドオークランドオークランド国際空港
クライストチャーチクライストチャーチ国際空港季節運航便[53]
アフリカ
南アフリカ共和国ヨハネスブルクO・R・タンボ国際空港
休・廃止路線
サウジアラビアリヤドキング・ハーリド国際空港
ジェッダキング・アブドゥルアズィーズ国際空港ドバイ経由便
アラブ首長国連邦アブダビアブダビ国際空港一部リヤド経由便
パキスタンカラチジンナー国際空港バンコク経由便
ロシアモスクワドモジェドヴォ空港
 デンマークコペンハーゲンコペンハーゲン国際空港季節運航便
2018年5月2日から10月12日まで運航[48]
カタールドーハハマド国際空港2016年2月16日から、カタール航空のコードシェア便に変更[54]
南アフリカ共和国ケープタウンケープタウン国際空港季節運航便
2018年11月13日から2019年2月28日まで運航[55]
キャセイパシフィック就航地。
  中国(北京と上海を除き、旅客便を中心としてキャセイドラゴン航空が運航している)
  キャセイパシフィック航空による旅客便と貨物便の就航地

香港国際空港拠点とし、南アメリカ大陸を除く全大陸の主要85都市へ就航している。特にアジアオセアニア路線が充実している。また、上記以外の都市へも他社とのコードシェアで就航している便もある。

サービス

機内食(ファーストクラス)
機内食(ビジネスクラス)
機内食(エコノミークラス)

キャセイパシフィック航空は、2005年、2006年と続けて2年連続、さらには2009年にもイギリススカイトラックス社のランキングで最高賞であるエアライン・オブ・ザ・イヤー賞を獲得するなど世界でもシンガポール航空カタール航空エミレーツ航空などと並びトップクラスのサービスで定評がある。日本に就航している外資系航空会社の中では、日本人客室乗務員の在籍人数が最も多く、日本人乗務員も香港発着の同社就航路線全てに乗務しているため、どの路線においても日本語が通じるケースが多い。

また同社の安全性は非常に高いことでも知られ、重大事故は1972年以降一件も起こしていない。最新鋭の技術を常に取り入れ、例えば機内エンターテイメントに関してはStudioCXと呼ばれるパーソナルテレビがかなり早い段階からエコノミークラスにも装備された。

2007年からボーイング777-300ERを導入を機に機内エンターテイメントやシートをリニューアルするプロジェクトが進んでいて2009年度までにほとんどの機体でリニューアルが完了される予定。改修後はビジネスクラスがフルフラット化やエコノミークラスにはPC電源とリクライニングしても後部座席に影響を与えないデザインになっている。更にStudioCXの最新版としてパナソニックアビエーション社製eX2のAVOD対応のシートテレビを全機材にリプレースしている。2年〜3年にかけて更新する予定。

マイレージプログラム

マイレージプログラムとして、「アジアマイル」と上級組織にあたる「ザ・マルコポーロクラブ」の2種類がある。どちらもワンワールド加盟航空会社でマイルを獲得できる。数あるマイレージプログラムの中でも「ザ・マルコポーロクラブ」は他社のように年間で規定のマイルを貯めて入会できるというものではなく、入会金の支払により入会できる珍しいシステムを採用している(入会後は年間最低4セクター以上搭乗しないと会員資格を喪失する)。ただし、初期のレベルではワンワールドのステータスはなく、ルビークラス以上になるためにはやはり規定のマイルを貯めなくてはならない。また、アジアマイルにはランクが存在しないので、いくらマイルを貯めても、アジアマイル会員のままでは上級会員とならない。

ワンワールド加盟各社以外に、下記の航空会社と提携している。

ラウンジ

香港国際空港 The Wing

上級クラスまたは「ザ・マルコポーロクラブ」の上級会員向けの乗客に空港ラウンジのサービスを提供している。ラウンジの名称は空港ごとに異なる。

ソファー、無料のアルコールやソフトドリンク、新聞や雑誌が提供される。

ラウンジによっては、ホットミール、軽食、「ヌードルバー」で出来立ての麺類を注文することができる。

本拠地香港では複数のラウンジを提供している。

  • The Wing First Class / Business Class Lounge「寰宇堂」
    • ファーストクラスラウンジとビジネスクラスラウンジで場所が異なる。
    • ファーストクラスラウンジではダイニングエリア「ザ・ヘイヴン」でレストラン形式でメニューから注文することができる。また、ザ・カバナで入浴することもできる。
  • The Pier First Class / Business Class Lounge「玉衡堂」
  • The Deck「玲瓏堂」
  • The Arrival「賞心堂」
    • 到着ラウンジ。このラウンジのみ、制限エリア外にある。
    • レストラン形式でメニューから注文することができる。

日本では、東京国際空港(キャセイパシフィック羽田ラウンジ)、成田国際空港(Cathay Pacific First and Business Class Lounge)、関西国際空港(Lounge Pacific)でサービスを提供している。尚、2024年3月時点ではLounge Pacificは一時閉鎖されている。その他の新千歳空港中部国際空港福岡空港では、提携先のJALサクララウンジまたは空港会社運営のラウンジが利用できる。

機内誌

機内誌「キャセイ」(CATHAY)があり、英語と中国語で書かれている。エコノミークラスを含むすべてのクラスに搭載されている。また、電子書籍としてiPadにも無料で配信している。

事件・事故

エピソード・その他

  • BBCワールドニュースで放送している「アジア・ビジネスレポート」のスポンサーである。
  • CIは、アメリカ合衆国の大手デザイン事務所ランドーアソシエイツの手によるものである[56]コーポレートカラーは翡翠色とも呼ばれる深い緑色である。
  • 現拠点空港であるチェク・ラップ・コク空港が開港するまでは、世界で最も着陸が難しい空港と謳われた啓徳空港(閉港)を拠点空港で使用していた為、香港カーブにより訓練されたパイロットの技術レベルは他社と比較して高いと言われる。
  • コーポレートイメージソングとして「愛のテーマ」(作曲:バリー・ホワイト、演奏:ラブ・アンリミテッド・オーケストラ)があり、テレビコマーシャルなどで使用されていた。
  • イギリス統治時代は、日本において「英国の伝統、信頼の翼」というキャッチフレーズで、テレビコマーシャルを実施していた。
  • 1998年に同社の機内で泥酔して暴言を吐く、喫煙するなどしたオアシスのボーカル、リアム・ギャラガーを永久利用禁止にしている。
  • 1998年9月、アジア通貨危機などの影響によりフィリピン航空が全面的に運航を停止したことを受け、フィリピン政府からの要請を受ける形でフィリピン国内の一部路線を代替運航した。世界的に見ても、一時的とはいえ「国内線の運航を国外の航空会社に全面的に任せる」事態は珍しく、ニュース等で話題となった[57]
  • 2011年、機内で乗務員が猥褻な行為に及んでいるとされる写真が流出、同社が始める予定だったキャンペーンが延期となった。
  • 2012年、客室乗務員組合が労使交渉が妥結しない場合、乗客に「笑顔」でのサービスを拒否すると通告した[58]
  • 2018年9月19日、B777-300型機(B-HNO)の塗装を新塗装に変更した際に、本来なら「CATHAY PACIFIC」であるはずの社名の塗装が「CATHAY PACIIC」と「F」が抜けているという重大なスペルミスが発覚。その後同社はこのハプニングを公式Twitterで自虐ネタにしたところ、大きな反響を呼んだ。[59]
  • 2023年5月21日、中国四川省成都市から香港へ向かう機内で中国の乗客に対する差別事件が発生した。乗務員が「英語で毛布と言えないなら渡せません」と答えた録音が中国のSNSの小紅書で流され、炎上になって、23日、CEOの林紹波が深夜に処分を発表し、自ら指揮を執ってサービス改善と再発防止に努めると表明した。香港の李家超行政長官も24日に「極めて悪質で残念」な出来事であり、香港のイメージを落としたという声明を発表した。事件関連の3人の乗務員は23日に解雇された。[60](詳細は中国語版の記事を参照)

脚注

関連項目

外部リンク