エディンソン・カバーニ

ウルグアイのサッカー選手

エディンソン・ロベルト・カバーニ・ゴメスEdinson Roberto Cavani Gómez, 1987年2月14日 - )は、ウルグアイサルト出身のサッカー選手ウルグアイ代表。ポジションはフォワードボカ・ジュニアーズ所属。

エディンソン・カバーニ
ボカ・ジュニアーズでのカバーニ(2023年)
名前
本名エディンソン・ロベルト・カバーニ・ゴメス
Edinson Roberto Cavani Gómez
ラテン文字Edinson Cavani
基本情報
国籍ウルグアイの旗 ウルグアイ
イタリアの旗 イタリア
生年月日 (1987-02-14) 1987年2月14日(37歳)
出身地サルト
身長188cm[1]
体重71kg[2]
選手情報
在籍チームアルゼンチンの旗 ボカ・ジュニアーズ
ポジションFW(CF)
背番号10
利き足右足
ユース
2000-2005ウルグアイの旗 ダヌービオ
クラブ1
クラブ出場(得点)
2005-2007ウルグアイの旗 ダヌービオ 25 (9)
2007-2011イタリアの旗 パレルモ 109 (34)
2010-2011イタリアの旗 ナポリ 35 (26)
2011-2013イタリアの旗 ナポリ 69 (52)
2013-2020フランスの旗 パリ・サンジェルマン 200 (138)
2020-2022イングランドの旗 マンチェスター・ユナイテッド 41 (12)
2022-2023スペインの旗 バレンシア 25 (5)
2023-アルゼンチンの旗 ボカ・ジュニアーズ 8 (1)
代表歴2
2006-2007 ウルグアイ U-2015 (11)
2012 ウルグアイ 五輪5 (3)
2008-ウルグアイの旗 ウルグアイ136 (58)
1. 国内リーグ戦に限る。2023年12月29日現在。
2. 2022年12月2日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

セリエAリーグ・アン得点王を獲得。ウルグアイ代表でもルイス・スアレスに次ぐ歴代2位の得点記録(58得点)を誇るストライカーである。

クラブ経歴

ダヌービオ

ダヌービオでデビューし、同年には19歳ながらレギュラーとして13得点を記録した。2006年2月にはイタリアで行われたビアレッジョ・トーナメントに出場して活躍し、インテルが獲得に乗り気だったが、設定された移籍金50万ユーロが高すぎるとして獲得には至らなかった[3]ユヴェントスレアル・マドリードPSVアイントホーフェンパレルモが争奪戦を繰り広げ、激しい争奪戦の末、2007年1月31日、移籍期限最終日に移籍金500万ユーロでパレルモに移籍した[3]

USチッタ・ディ・パレルモ

2007年の南米ユース選手権でウルグアイ代表に貢献した後、ユヴェントスACミランを始めとするいくつかのビッグクラブがカバーニとの契約に関心を示したと伝えられていた。

しかし、2007年1月29日、パレルモの会長マウリツィオ・ザンパリーニはカバーニとの署名を発表した。この署名は1月31日に正式に確認され、移籍金額は約450万ユーロで契約された。

セリエAデビュー戦となるフィオレンティーナ戦で相手のクリアボールをペナルティーエリア外からワンタッチボレーシュートで直接決め、その試合の後、ファン・バステンの再来と評された。その後も出番を与えられこのシーズン2得点(7試合)の活躍を見せた。

ただ、2007-08シーズンは3トップのサイドで起用されたため期待に応えられなかった。

2008-09シーズンはアマウリの移籍によりレギュラーとして3トップの中央や2トップでプレーし好調を維持、リーグ戦チームトップタイの14得点を記録した。

2010年4月、パレルモと2014年6月まで契約を延長した。

SSCナポリ

2010-11シーズン前に同じセリエAの強豪ナポリに500万ユーロでレンタル移籍した(1600万ユーロでの買取りオプション付き)[4]。移籍後はセリエA第19節のユヴェントス戦や第31節のラツィオ戦でハットトリックを達成するなどゴールを量産し続け、最終的にシーズン通して35試合に出場し26ゴールをあげ自身は得点ランキング2位となった。この活躍もありチームはリーグ戦を3位で終え、2011-12シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ出場権を獲得した。シーズン終了後、ナポリは買取りオプションを行使し、完全移籍となった。また、このシーズンはUEFAヨーロッパリーグにも出場しグループリーグ第5節のユトレヒト戦ではハットトリックを達成した。勝たなければグループリーグ敗退という状況で迎えた最終節のステアウア・ブカレスト戦では後半ロスタイムにコーナーキックからヘディングシュートで決勝ゴールをあげ、チームを決勝トーナメントへ導いた。しかし、決勝トーナメント1回戦のビジャレアル戦ではゴールを奪うことは出来ずチームも敗退した。

2011-12シーズンもゴールを量産し続け、最終的にシーズン通して35試合に出場し23ゴールをあげ自身は得点ランキング3位となった。

2012-13シーズンは、29ゴールを挙げる活躍を見せ、初のセリエA得点王に輝いた。

パリ・サンジェルマン

ナポリでの活躍から、レアル・マドリードマンチェスター・シティチェルシーユヴェントスといった国内外の強豪が獲得に興味を示したが、6300万ユーロとも言われる高額な契約解除金に躊躇するクラブが多かった。2013年7月16日、パリ・サンジェルマンはカバーニの獲得を発表[5]。契約は5年間で移籍金は6300万ユーロと推定される。背番号は9番。

2016-17シーズンは35得点を記録、リーグ優勝は逃したが、リーグ・アン得点王と最優秀選手賞を受賞した。

2017年10月27日、リーグ戦で2得点をあげて、PSGにおけるリーグ・アンの2500点目を記録した。11月5日、第12節のアンジェSCO戦で2得点を決めて自身のリーグ・アンにおける通算得点が100点を達成した[6]。11月22日、UEFAチャンピオンズリーググループステージ、セルティックFC戦を迎えたパリSGは、カバーニの2得点など7-1で勝利を収め、カバーニはパリ・サンジェルマンでの通算得点数を「151」に伸ばした[7]

2018年1月17日の第21節、ディジョンFCO戦の前半に得点を挙げ、ズラタン・イブラヒモビッチの持つクラブ歴代最多得点記録である156ゴールに並んだ。後半にチームがPKを獲得し、最多得点記録更新のチャンスが巡ってきたが、カバーニはネイマールにPKキッカーを譲り、この試合での記録更新はならなかった。その後、第23節のモンペリエHSC戦の前半に先制点を挙げ、クラブ歴代最多得点記録を更新した[8]。2018年11月ASモナコ戦でハットトリックを決め勝利に貢献した[9]。リーグ戦は21試合の出場ながら18ゴールを決めた。

2019-20シーズンにはマウロ・イカルディが起用される事が増えた影響で先発出場が減った。冬の移籍市場でアトレティコ・マドリードへの移籍が報道されたが、結局破談に終わりPSGに残留した[10]。2020年2月23日、リーグ・アン第26節FCジロンダン・ボルドー戦でゴールを決めPSGでの通算200ゴールを達成した[11]。同シーズン、チームはチャンピオンズリーグで勝ち上がっていたものの、短期契約の延長をせずにシーズン途中に退団する形となった[12]

マンチェスター・ユナイテッド

PSG退団後は、アトレティコ・マドリードSLベンフィカとの契約が噂されていたものの、結局は実現せず、10月に入り、マンチェスター・ユナイテッドFCとの契約が迫っていると報じられた[13][14]

2020年10月5日、マンチェスター・ユナイテッドと2年契約を締結した[15]。背番号はアレクシス・サンチェスが退団して空き番号となっていた7番[16]。11月7日、リーグ第8節のエヴァートン戦で移籍後初ゴールを挙げた[17]。ヨーロッパリーグ準決勝のASローマ戦、1stレグでは2ゴール2アシスト、2ndレグでも2ゴールを挙げて、チームを決勝進出に導いた[18]。これらの活躍もあり、10日には1年間の契約延長が発表された[19]。2022年5月27日、契約満了で退団となり、カバーニはユナイテッドファンに感謝の意を述べた[20]

バレンシア

2022年8月29日、バレンシアCFはカバーニの獲得を発表[21]。リーガ第9節のエルチェ戦で移籍後初得点となるPKを含め2得点を挙げた[22]

ボカ・ジュニアーズ

2023年7月29日、ボカ・ジュニアーズへフリーで移籍し、1年半契約を結んだ[23]

代表経歴

ウルグアイ代表でのカバーニ (2018年)

ウルグアイU-20代表として背番号9番とキャプテンマークを背負い臨んだ南米ユース選手権において7得点を記録し、ブラジルのアレシャンドレ・パトなどを抑えて得点王に輝く。チームは3位に終わりU-20ワールドカップへの出場権は得たものの北京オリンピックへの出場権は逃した。

セリエAでの初年度を終えた後の2007 FIFA U-20ワールドカップでは不本意な成績に終わったチームにおいて3得点をマークし実力を見せつけた。

U-20やクラブでの活躍を受けて2008年2月6日のコロンビア戦でウルグアイ代表デビューを果たし、この試合で代表初得点を挙げた。

FIFAワールドカップ・南アフリカ大会ではディエゴ・フォルランルイス・スアレスに次ぐFWとして出場。3位決定戦のドイツ戦では同点ゴールを挙げた。2010年7月27日、親善試合のアンゴラ戦で途中出場で83分にチームの先制ゴールを記録した。

2010年10月8日のインドネシアとの親善試合で代表で初めてのハットトリックを達成。

FIFAワールドカップ・ブラジル大会に出場し、グループリーグのコスタリカ戦でPKによるゴールを決めた。

2018年3月26日のウェールズ戦で通算100試合出場を達成した[24]

2018 FIFAワールドカップではグループリーグ第3戦のロシア戦で1ゴールを決めると[25]、決勝トーナメント1回戦のポルトガル戦ではスアレスとのコンビネーションから決勝点を含む2ゴールを挙げ勝利に貢献[26]。しかしこの試合で左脚脹脛を負傷し、ポルトガルのクリスティアーノ・ロナウドに肩を貸されながら途中交代[27]。続く準々決勝のフランス戦は欠場し、ウルグアイも敗退した[28]

2019年11月のアルゼンチン戦でゴールを決め、代表通算50ゴールを達成した[29]

2022年11月10日、カタールW杯に向けたメンバーの1人に選ばれた[30]。グループリーグ最終節のガーナ戦では倒されたが、PKを与えられなかったことにより得失点差で決勝トーナメントに進出出来なかったことに腹を立て、VARモニターの器具を殴り倒し、ジョー・コールからこの行為を批判された[31]。2023年1月27日、国際サッカー連盟はカバーニに対し、1試合の出場停止処分と1万5000スイスフラン(約211万円)の罰金が課されることとなった[32]

人物

2007年に結婚し、妻との間に2児を設けたが、自身の浮気が原因で2012年末に破局。離婚調停の結果、月に2万5000ユーロの慰謝料を支払うこととなった[33]

2017年9月17日、オリンピック・リヨン戦においてチームメイトであるネイマールとPKキッカーを巡り揉める姿を見られ、最終的にカバーニ本人が蹴り失敗したことによりネイマールとの不仲が報じられた。これについてネイマールは20日のトレーニング前にロッカールームにて謝罪し、21日には同じくチームメイトであるダニエウ・アウベスのセッティングにより両者が夕食を共にしたとされている[34]。 この騒動についてカバーニ本人は「フットボールでは、よくあること。それが過剰に受け取られてしまった。僕たちは全員、事態が大きくなり過ぎたことを理解している。こういう出来事は、ロッカールーム内で解決される。何事も解決策があるからね。今はすべてが落ち着いているよ」と語り、不仲説を一蹴した[35]

プレースタイル

恵まれた体格やジャンプ力といった身体能力に加え、直接フリーキックを決めることができるキック精度や、スピード、パワー、90分間絶えず走り続けることができるスタミナ、そして相手ディフェンダーの隙を突きながらクロスやラストパスに合わせる嗅覚を兼ね備えた万能型のフォワードである[36]。そのバランスがとれたプレースタイルのため、ウルグアイではディエゴ・フォルランルイス・スアレス、パリ・サンジェルマンではズラタン・イブラヒモビッチネイマールといった他のフォワードを引き立てる「黒子」とされることもある[36][37]。頻繁に自陣まで全力疾走で戻ってボールを追うほどの献身的な守備も特徴であり[38][39]、パリ・サンジェルマンのチームメイトであるマルコ・ヴェッラッティ[40]マルキーニョス[41]、パリ・サンジェルマンOBのアラン・ロシュもカバーニの献身性やメンタリティーを賞賛している[42]

リーグ・アンで対峙した酒井宏樹は、「80分くらいは(ゴール前で)ポジションを取ってないような選手ですけど、他の10分で2、3点取ってくる選手。ペナルティエリア内での仕事が一番得意な選手」と評している[43]

個人成績

2021年12月時点

クラブ

クラブシーズンリーグリーグ戦カップ戦リーグ杯国際大会その他合計
出場得点出場得点出場得点出場得点出場得点出場得点
ダヌービオ2005-06プリメーラ10453--00157
2006-07155---00155
通算259---003012
パレルモ2006-07セリエA 72---0072
2007-0833520-2000375
2008-09351411--003615
2009-10341332--003715
通算1093463-200011737
ナポリ2010-11セリエA352620-107004733
2011-12352355-85004833
2012-13342911-77114338
通算1047886-251911138104
パリ・サンジェルマン2013-14リーグ・アン3016213484004325
2014-1535184433106105332
2015-1632195241102115224
2016-173635323488005049
2017-183228532287104840
2018-192118322172003323
2019-2014422203110227
通算20013824161915543041301200
マンチェスター・ユナイテッド2020-21プレミアリーグ2610301196003917
通算2610301196003917
総通算46426946282016905552625370

代表成績

国際Aマッチ 126試合 53得点(2008年- )


ウルグアイ代表国際Aマッチ
出場得点
200841
200980
2010127
2011122
201293
2013157
2014104
201584
2016119
201793
2018116
201974
202021
202182
通算12653

代表得点

#開催日開催地対戦国スコア結果大会
12008年2月6日 モンテビデオエスタディオ・センテナリオ コロンビア1–22–2親善試合
22010年3月3日 ザンクト・ガレンAFGアレーナ スイス1–31–3
32010年6月26日 ポート・エリザベスネルソン・マンデラ・ベイ・スタジアム ドイツ1–12–32010 FIFAワールドカップ
42010年8月11日 リスボン、エスタディオ・ド・レステロ アンゴラ1–02–0親善試合
52010年10月8日 ジャカルタゲロラ・ブン・カルノ・スタジアム インドネシア1–11–7
61–6
71–7
82010年10月12日 武漢市武漢体育中心 中国2–04–0
92011年3月30日 ダブリンアビバ・スタジアム アイルランド1–22–3
102011年10月7日 モンテビデオ、エスタディオ・センテナリオ ボリビア3–14–22014 FIFAワールドカップ予選
112012年2月29日 ブカレストスタディオヌル・ナツィオナル ルーマニア0–11–1親善試合
122012年9月11日 モンテビデオ、エスタディオ・センテナリオ エクアドル1–11–12014 FIFAワールドカップ予選
132012年11月14日 グダニスクPGEアリーナ ポーランド0–21–3親善試合
142013年6月12日 プエルト・オルダス、ポリデポルティボ・カチャマイ ベネズエラ0–10–12014 FIFAワールドカップ予選
152013年6月26日 ベロオリゾンテミネイロン ブラジル1–12–1FIFAコンフェデレーションズカップ2013
162013年6月30日 サルヴァドールアレーナ・フォンチ・ノヴァ イタリア1–12–2
172–2
182013年9月10日 モンテビデオ、エスタディオ・センテナリオ コロンビア1–02–02014 FIFAワールドカップ予選
192013年10月15日 アルゼンチン3–23–2
202013年11月13日 アンマンアンマン国際スタジアム  ヨルダン0–50–52014 FIFAワールドカップ・大陸間プレーオフ
212014年6月4日 モンテビデオ、エスタディオ・センテナリオ スロベニア1–02–0親善試合
222014年6月14日 フォルタレザカステロン コスタリカ1–01–32014 FIFAワールドカップ
232014年9月5日 札幌市札幌ドーム 日本0–10–2親善試合
242014年11月13日 モンテビデオ、エスタディオ・センテナリオ コスタリカ3–23–3
252015年3月28日 アガディールスタッド・アドラル モロッコ0–10–1
262015年6月6日 モンテビデオ、エスタディオ・センテナリオ グアテマラ2–05–1
273–0
282015年11月12日 キトエスタディオ・オリンピコ・アタウアルパ エクアドル1–12–12018 FIFAワールドカップ予選
292016年3月25日 レシフェアレナ・ペルナンブーコ ブラジル2–12–2
302016年3月29日 モンテビデオ、エスタディオ・センテナリオ ペルー1–01–0
312016年5月27日 トリニダード・トバゴ1–13–1親善試合
322–1
332016年9月6日 パラグアイ1–04–02018 FIFAワールドカップ予選
344–0
352016年10月6日 ベネズエラ2–03–0
363–0
372016年11月15日 サンティアゴエスタディオ・ナシオナル・デ・チリ チリ0–13–1
382017年3月23日 モンテビデオ、エスタディオ・センテナリオ ブラジル1–01–4
392017年10月10日 ボリビア2–14–2
402017年11月14日 ウィーンエルンスト・ハッペル・シュターディオン オーストリア1–12–1親善試合
412018年3月23日 南寧市、広西体育中心 チェコ2–02–0チャイナ・カップ
422018年3月26日 南寧市、広西体育中心 ウェールズ1–01–0
432018年6月25日 サマーラサマーラ・アリーナ ロシア3–03–02018 FIFAワールドカップ
442018年6月30日 ソチフィシュト・オリンピックスタジアム ポルトガル1–02–1
452–1
462018年10月16日 さいたま市埼玉スタジアム2002 日本2–24–3親善試合
472019年6月16日 ベロオリゾンテミネイロン エクアドル2–04–0コパ・アメリカ2019
482019年11月19日 ヤッファブルームフィールド・スタジアム アルゼンチン1–02–2親善試合

タイトル

クラブ

ダヌービオ
ナポリ
パリ・サンジェルマンFC

代表

ウルグアイ代表

個人

脚注

外部リンク