マダガスカル語

バリト諸語の言語、マダガスカルの公用語

マダガスカル語(マダガスカルご、Malagasy、マラガシ)はアフリカ東部のインド洋に浮かぶマダガスカル島で話される言語マダガスカル共和国の国語であると共に、フランス語と並んで同共和国の公用語となっている。マダガスカル人は自分たちの言語をmalagasyと呼ぶことから、マラガシ語と呼ぶこともある。英語でもこの言語をMalagasyと呼ぶ。

マダガスカル語
Malagasy
話される国マダガスカルの旗 マダガスカル
レユニオンの旗 レユニオン
マヨット
地域西部インド洋
話者数1900万人以上(第一言語)
言語系統
オーストロネシア語族
表記体系ラテン文字
公的地位
公用語マダガスカルの旗 マダガスカル
統制機関マダガスカルの旗マラガシ・アカデミーフランス語版マダガスカル語版
言語コード
ISO 639-1mg
ISO 639-2mlg
ISO 639-3mlgマクロランゲージ
個別コード:
bhr — バラ・マダガスカル語
bmm — 北ベツィミサラカ・マダガスカル語
bzc — 南ベツィミサラカ・マダガスカル語
msh — マシクル・マダガスカル語
plt — プラトー・マダガスカル語
skg — サカラヴァ・マダガスカル語
tdx — タンドゥルイ=マハファリ・マダガスカル語
tkg — タイサカ・マダガスカル語
txy — タノシ・マダガスカル語
xmv — アンタンカラナ・マダガスカル語
xmw — ツィミヘティ・マダガスカル語
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概要

マダガスカル語はオーストロネシア語族マレー・ポリネシア語派に所属する。紀元5世紀頃にマレー諸島からインド洋を越えて移住した結果とされる。この移住について歴史上の記録は一切ないので詳細は不明だが、言語学的には、バリト諸語英語版ダヤク族の言語)に含まれ、ボルネオ島マアニャン語英語版に近いとされ、いわゆる言語島にあたる。

マダガスカル語マアニャン語(バリト諸語)
vatana "体"watang
elatra "羽"elat
vitsika "アリ"wisik
hena "肉"kenah "魚"
afo "火"apui
rano "水"ranu

その後、アフリカ大陸海岸部から来たバンツー族や交易目的で来たアラブ人などと混血しているため、オーストロネシア語を基調としつつもバンツー語系の単語、アラビア語系の単語、サンスクリット語系の単語が混じる。

音韻

/a/、/i/、/e/、/u/、/o/ の5つの母音がある。つづり字の o は通常 [u] と読まれ、[o] は ô と綴られる[1]

子音 ñ は [​ŋ]、nj は [ndz]、ndr は [ndr ~ nr ~ nɖ]、ng が [ŋɡ]、j は [dz]、dr は [dr ~ ɖ]、tr は [tr ~ ʈ] と発音される[1]

文法

語順は、能動態(行為者焦点)の場合、VOS(動詞―目的語―主語)である。

文例 Mamaky boky aho. 「読む+本+私」

この能動態文例の場合、主格を文頭に置くことも可能である。

文例 Izaho dia mamaky boky. 「私+は+読む+本」 主格の aho が文頭に置かれた場合には、izaho となる。

主格を強調する、能動態の場合には、下記の語順になる。

文例 Izaho no mamaky boky. 「私+が+読む+本」

同じ文例を、受動態(対象焦点)構文にすると、下記のようになる。

文例 Vakiko ny boky. 「私によって読まれる+本」

マダガスカル語には、相(aspect)(完了相・未完了相・指向相:それぞれ過去形・現在形・未来形ということもある)があり、時・場所・手段などを強調する構文(焦点という:行為者焦点・対象焦点・場所焦点・事情焦点)をとる。動詞は3つの相と4つの焦点に応じて形が変わる。

文例 Tsy azo anariana fako eto. 「否定辞+できる+捨てられる+ゴミ+ここ」→ 「ここに、ゴミを捨てることはできません」 最後尾の 「ここ」(eto)と言う場所が強調される構文である。

脚注

関連項目

外部リンク

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